(2021年09月14日[火])
中村真理記者による、アサヒコムの記事【「今が春」 冤罪で服役29年、末期がん…それでも開けた視界の先は】(https://www.asahi.com/articles/ASP9B656LP91OIPE01F.html?iref=pc_ss_date_article)。
《「あれ、俺死ぬの怖くない」 がんで余命1年の宣告をうけたとき、桜井昌司さん(74)は気づいた。戦後7件目の冤罪(えんざい)・布川事件で、強盗殺人罪で29年服役。獄中で父も母も亡くした。それでも「今が春」と笑う》。
《冤罪で服役29年》《事件発生から54年の長い時間》…検察や警察の捜査の違法性を認め、国と茨城県の損害賠償が確定しました。54年の苦難にとても報いることはできませんが、その一部に少しでも報いられたとしたら、この判決を歓迎すべきかと思いました。検察や警察は《判決の結果を真摯に受け止め》、二度とこのような冤罪被害者が出ないよう、改善を約束すべきです。そのために何をすべきかを明らかにすべき。
『●『冤罪File(No.10)』読了』
『●冤罪デモ』
『●『自然と人間2010年2月号』読了』
『●『冤罪ファイル(2010年10月号)』読了』
「里見繁氏、「布川事件再審公判傍聴記――確定判決から30年余りの
時を経て、今ようやく再審の幕が開いた――」。「この事件を一言で
言えば「検察の証拠隠し」である。最新請求の審理の過程で百件を
超える隠蔽証拠が開示された。…。一審から最高裁、再審請求の
地裁から最高裁、合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を
見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべき
かもしれない」。「ところが警察と検察は、桜井さん、杉山さんの
二人に結びつかない証拠はすべて隠した」。
桜井昌司さんと杉山卓男さん」
『●布川事件の記録映画、……そして、………………』
《布川事件、再審無罪 発生から44年 水戸地裁土浦支部》
《映画「ジョージとタカオ」を観て 刑事司法の病理を体現する
ふたりの中年男》
《水戸地裁土浦支部は05年、「鑑定書が確定審の審理中に提出されて
いれば有罪認定に合理的疑いが生じた」と述べ、再審開始の決定をした。
検察側は即時抗告したが、東京高裁は08年、11カ所の中断が
みられる桜井さんの自白の録音テープについて「取調官の誘導があった
ことをうかがわせる」と指摘。検察側が新たに開示した「現場宅で見た
のは杉山さんらではない」とする目撃証言も考慮し「確定判決の判断を
維持できない」と認定した。最高裁も09年に再審開始を認めた》
《弁護側は、検察側が2人に有利な証拠を再審請求審まで明らかにして
いなかったことを「証拠隠し」と非難。裁判所の責任についても
「冤罪(えんざい)の根絶のため、有罪になった構造を解明すべきだ」
と求めてきた》
『●強大な氷山の一角としての冤罪発覚』
『●東電OL殺人事件元被告マイナリさん、
冤罪15年間への償いはできるのか?』
《▼「新証拠なんかじゃない。検察が隠し持っていたんですよ」。
決定後の記者会見で昨年、再審無罪になった布川事件の桜井昌司さんが
憤っていた。血痕が付着したコートなどの不利な証拠を出し渋り、
DNA鑑定にも二の足を踏んだ検察の姿勢が冤罪(えんざい)を
生んだのは明白だ》
『●冤罪(その2/2): せめて補償を』
『●またしても裁判所は機能せず、闘いは高知高裁へ:
高知白バイ「冤罪」事件、地裁が再審請求を棄却』
『●「戦後70年 統一地方選/その無関心が戦争を招く」
『週刊金曜日』(2015年4月3日、1034号)』
『●「検察・警察も冤罪防止のために“前向き”」?
…刑事訴訟法の「改正案が成立すれば、新たな冤罪を生む」』
『●検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、
証拠の隠蔽や喪失、逆に、証拠の捏造…デタラメな行政』
《布川事件で再審無罪が確定した桜井昌司さん(72)の訴えを認めた
二十七日の東京地裁判決は、警察官の違法な取り調べや検察官の
証拠開示拒否などがなければ、「遅くとも控訴審判決(一九七三年)で
無罪判決が言い渡され、釈放された可能性が高い」と捜査機関に猛省を
促した。弁護団からは「画期的だ」との声が上がり、
桜井さんは捜査機関の在り方を批判した》
《桜井さんと同じ冤罪被害者も訴訟を支援した。大阪市の女児死亡火災で
再審無罪となり、自身も国賠訴訟中の青木恵子さんは「桜井さんから
希望をもらった」と喜んだ。いまだ再審の扉が開かれない袴田事件や
大崎事件に触れ、「順番に勝っていってもらいたい」と望んだ》
『●飯塚事件…《しかしもっと恐ろしいのは、そんな誤りを認めず、
国家による殺人を無かった事にする国家の強引さだろう》(清水潔さん)』
「ついでと言っては何ですが…桜井昌司さんについて…
《清水潔… 【放送告知】強盗殺人容疑で有罪判決を受け、
罪を償わされてから冤罪が明らかになった男性をカメラが追いました。
裁判の間違いを裁判所が認めるまでに38年。ようやく潔白を手に
入れて今度は10年で末期がん宣告です。壮絶な人生を描く
ヒューマンドキュメンタリー。》」
『●布川冤罪事件…《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、
検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》』
《合計二〇人の裁判官が揃いも揃って、冤罪を見過ごし、検察の嘘を素通りさせた。彼らこそ裁かれるべきかもしれない》。
東京新聞の記事【布川事件訴訟、国と茨城県が敗訴 桜井さん「やっと解放」】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/130627)によると、《1967年に茨城県で起きた「布川事件」で強盗殺人罪に問われ、2011年に再審無罪となった桜井昌司さん(74)が、国と県に損害賠償を求めた訴訟で、検察や警察の捜査の違法性を認め、計約7400万円の支払いを命じた東京高裁判決が13日までに確定した。国と県が上告しなかった。桜井さんは同日、東京都内で記者会見し「事件発生から54年の長い時間を思うと、やっと解放され、ほっとしている」と語った。茨城県警は「判決の結果を真摯に受け止め、今後も引き続き、緻密かつ適正な捜査を推進していく」とコメントした》。
《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》――― 検察による恣意的・意図的な証拠の不開示、証拠の隠蔽や喪失、逆に証拠の捏造…デタラメな行政。布川冤罪事件の桜井昌司さん、《警察官のうそと検察官の証拠独占が冤罪を生む》と。強大な権力には政治判断=忖度を乱発し、一方、弱者には厳格・冷酷な司法判断…最「低」裁を頂点とする司法の堕落。
こういうことに恐怖を感じる。こんなことが許されるの!? ―――《官邸の忠犬…政権の爪牙…山口敬之氏の逮捕を潰した最重要キーマン》中村格氏が警察庁長官?
日刊ゲンダイ【安倍政権時代の「官邸ポリス」が“論功行賞”で警察組織2トップに昇格の不気味】(https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/294620)によると、《警視庁の斉藤実警視総監は、庁内で「警備警察のエキスパート」と呼ばれてきた人物。早ければ9月中に退任するとみられ、後任には警察庁の大石吉彦警備局長が就任する予定だ。…さらには、警察庁も年末にトップが交代して、安倍氏と親密な元「官邸ポリス」が長官に就きそうなのだ。一貫して警備畑を歩んできた警察庁の松本光弘長官の後任には、警察庁ナンバー2の中村格次長が昇格する》。
アベ様がやりたい放題だ。
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【https://www.asahi.com/articles/ASP9B656LP91OIPE01F.html?iref=pc_ss_date_article】
「今が春」 冤罪で服役29年、末期がん…それでも開けた視界の先は
中村真理 2021年9月12日 9時30分
(「布川事件」で再審無罪となった桜井昌司さん
=2021年6月15日午後、名古屋市中区、岩下毅撮影)
「あれ、俺死ぬの怖くない
がんで余命1年の宣告をうけたとき、桜井昌司さん(74)は気づいた。戦後7件目の冤罪(えんざい)・布川事件で、強盗殺人罪で29年服役。獄中で父も母も亡くした。それでも「今が春」と笑う。
今年4月、獄中で書きためた詩と人生をつづった本を出版した。作詞作曲から手がけたCDも発売した。各地でコンサートを開き、プロの歌手からも誘いがかかる。歌うのが大好きで、「夢は『紅白』と『徹子の部屋』に出ること」だ。
2019年にトイレで出血し、直腸がんが判明。転移も見つかった。医師に「手術はできない」と言われ、翌年には余命1年と宣告された。
「死ぬのか」。がんとわかり、真剣に考えてみた。獄中も含めた72年の人生について、死ぬことについて。「俺の人生、楽しかったな。ドラマチックで、他の人に生きられる人生じゃなかったよな」
昔から特に死ぬことが恐怖だった。小学4年生の夏、テレビアニメで人が死ぬシーンを見ると、庭に飛び出してトマト苗の下に逃げ込んだ。刺すような太陽の明るさに「生きている」と感じてようやく安心した。
「とにかく自分が消えることが震えるほど怖かった」
恐怖だった「死」、獄中で見つけた生き方とは
20歳で逮捕されたときも、取り調べで「死刑」をちらつかされ、うその自白へ追い込まれていった。
「死ぬの怖くない」に至るまでの変化には、無実の罪に翻弄(ほんろう)され続けた桜井さんが見いだしてきた生き方がある。
最初の転機は、無期懲役刑が確定した31歳だった。20歳で逮捕され、うその自白で有罪、しかも死刑に次ぐ最高刑が確定してしまった。無実を信じた母は前年に死亡。手を握ることもかなわないままだった。
外の世界へ出ることを思い描いていたが、どうあがいたってもう出られない。「俺の人生は終わった」。暗闇に落ちたようだった。
もがく中、ふと考えが切り替………
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