東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060601001227.html)、asahi.comの記事(http://www.asahi.com/national/update/0612/TKY201306120129.html)と社説(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、6月18日)。
『●有益どころか「危険・損・無意味」・・・最悪』
『●「技術的には危険、経済的には損、資源的には何の意味もない」プルサーマル』
『●核燃サイクル: 核燃料再生率に根拠無し、15%どころか1%?』
『●核燃サイクルという幻想、推進ありき』
『●核燃サイクルという幻想に、まさに金をドブに湯水の如く』
『●玄海原発プルサーマル賛成派質問者8人中7人が仕込みだった!』
『●プルサーマルの無意味さ再び: 核燃サイクルという幻想の破綻』
『●原子力ムラは土台から腐ってる』
「安全」「安全文化」「安全第一」なんて言っている時点でダメダメ。「訓示後、松浦理事長は敦賀市役所で河瀬一治市長と面会し、「原子力機構の組織をつくり直し、もんじゅを早く再開できるよう安全第一で進めたい」と強調」したそうだ。何を考えてんだか?
プルサーマルも含めて原発再稼働についても、裏返せば、「安全」を確認できたら「動かし得る」わけだ? 「安全」らしそうに取り繕えば。原子力「規制」委員会、どこが「規制」なのか?、聞いて呆れる。それもこれも、自公政権が「原発推進」しているためだ。
『●原発推進派がやっていることこそ「恥」』
『●自民党の目指す社会とは?』
『●壊憲派に好き放題やらせていいのか!』
『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき』
『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題』
『●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013060601001227.html】
松浦理事長、もんじゅ職員訓示 「安全文化意味考え直す」
2013年6月6日 13時38分
日本原子力研究開発機構の松浦祥次郎理事長が6日午前、就任に伴い高速増殖炉原型炉もんじゅ施設内(福井県敦賀市)で、職員に訓示した。約250人の職員を前に「安全文化を高めていくという意味を考え直して、全組織が一丸となり、自分たちに与えられた使命を果たせるよう一緒に頑張りたい」と話した。
訓示後、松浦理事長は敦賀市役所で河瀬一治市長と面会し、「原子力機構の組織をつくり直し、もんじゅを早く再開できるよう安全第一で進めたい」と強調した。
河瀬市長は「もんじゅを再開し、良い研究結果を出してほしいと地元住民が言えるような組織にしてもらうのが重要だ」と要請した。
(共同)
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【http://www.asahi.com/national/update/0612/TKY201306120129.html】
2013年6月12日14時0分
原発40年超運転、特別点検が要件 規制委、条件厳しく
原子力規制委員会は12日、原発を40年を超えて例外的に運転するための要件として、老朽化の状態を把握する特別点検の実施を電力会社に求めることを決めた。これまでより詳しく点検して安全を確認することで、運転延長を認める条件を厳しくした。原発の新たな規制基準とともに7月に施行される。
来月施行される改正原子炉等規制法で、原発の運転期間は原則40年に限定される。しかし、電力会社が望めば、例外的に1回に限り最長20年間運転できる。規制委はこの日、定例会を開いて延長を認める際の要件を定めた規則を了承した。
規制委は運転延長を認める要件として、(1)耐震や津波、過酷事故対策などを定めた新たな規制基準に適合している(2)電力会社が特別点検を実施して報告することを定めた。規制委はこの二つで安全が確保されていることを確認し、運転延長を認めるかを判断する。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup#Edit1、6月18日】
2013年6月18日(火)付
プルサーマル―なし崩しは許されない
これでは、なし崩し的に物事を「3・11」以前に戻そうとしているとしか思えない。
関西電力の八木誠社長が高浜原発(福井県)について、プルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を使う「プルサーマル発電」を前提に再稼働を申請すると表明した。四国電力も、愛媛県の伊方原発でプルサーマルの再開をめざしている。
そもそもプルサーマルは、思うようにいかない核燃料サイクル事業の矛盾を補うために始まった。
当初は原発でウランを燃やした後、使用済み燃料からプルトニウムを取り出して高速増殖炉で再利用する計画だった。
だが、原型炉「もんじゅ」は失敗続きで実用化のめどが立たず、使い道のないプルトニウムがたまり始めた。核兵器の材料になるプルトニウムをため込むわけにはいかない。
そこで期待されたのがプルサーマル発電だ。確かに、いま国内外で日本が持つ45トンものプルトニウムを減らすには、選択肢のひとつではあろう。
しかし、原発依存からの脱却が求められるなか、まずやらなければならないのは、行き詰まった核燃サイクル事業の抜本的な見直しである。その議論もせず、昔ながらのプルサーマルに戻るのは本末転倒だ。
プルサーマル発電に対しては安全性を疑問視する専門家もいる。震災前ですら地元の同意を得るのが難しく、稼働していたのは4基と、目標の4分の1以下にすぎない。
このままサイクル事業を続けて、青森県六ケ所村で試験運転中の核燃料再処理工場を動かすことになれば、プルトニウムは増えるばかりだ。
高コストという欠点もある。MOX燃料をつくるには使用済み燃料をそのまま処理するよりコストがかかるうえ、再々利用がしにくい。
電力会社は核燃サイクル事業の継続にこだわる。旗を降ろすと、再処理のため六ケ所村に送られている使用済み核燃料が廃棄物となって各原発に送り返される懸念があるからだ。保管プールが満杯になって、多くの原発が動かせなくなる。
それでも、これ以上の先送りは許されない。
なにより問題なのは、安倍政権の姿勢だ。首相は「脱原発依存」を掲げながら、フランスと核燃料サイクル事業の協力を打ち出した。見通しのない事業を強行し、行き場のないプルトニウムを増やしてどうするのか。
原発事故後の国民の目で厳しく監視したい。
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『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205)の最新号について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
最も注目の記事は、「古川琢也氏【跋扈する「ブラック企業」にどう抗うか】」と「粟野仁雄さん【虚飾政治家を持ち上げ続けるメディア 「強きに媚び弱きを挫く」 橋下徹市長の正体】」。
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■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 相田くみ氏【生活保護改悪で断ち切れない 〝貧困の連鎖〟】。自公政権の目指す社会、それに投票できる人たちって一体何だ?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c007564828f64859e07763882b08f63c)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 古川琢也氏【跋扈する「ブラック企業」にどう抗うか】、「巧妙化する手口」「「ブラック企業」という言葉が意識を変える」。先日竹山徹朗さんのブログを紹介(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/4c1828721a3d68184a6c912ea1bcc1a4)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 鎌倉孝夫氏【クビ切り前提の正社員改革を掲げる 安倍政権の労働政策】、「解雇がしやすい「ジョブ型正社員」」「派遣労働は非正規ではない?」「「労働者のため」というウソ」「新自由主義は労働者をモノ扱いする」「めざすは労働基準法の否定」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/f9ce1977066cdb1c77a5c9156e35e026)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 粟野仁雄さん【虚飾政治家を持ち上げ続けるメディア 「強きに媚び弱きを挫く」 橋下徹市長の正体】、「アメリカ社会の猛反発」「「政治利用は御免」中止になった面談」「中央大学吉見義明教授も講義」「許されない「上書き主義者」」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/edc3094e4dd1f56a278d63c3f0fa2273)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 田城郁氏【安倍政権は憲法違反の政権だ ――田城郁参議院議員に聞く】、「増税できる経済状況にはない」「危険な「公的企業の競争促進」」「解雇しやすい新たな雇用形態」「原子力ムラのストーリー」「第13条が憲法の基本」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7ca1886d9988a22cccc4306912b4cac7)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 橋本淳司氏【TPPに参加すると地下水を失う】、「減反政策は減水政策」「海外への食糧依存」「一石三鳥の策」。コモンズと新自由主義(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/32a570e780c5f96137403248e288f890)
■『自然と人間』(2013年7月号、Vol.205) / 【大谷昭宏の言いたい放題/従軍慰安婦は必要だった 米兵に風俗活用の勧め 橋下発言】、「「大誤報をやられた」とメディアに責任転嫁」「一発逆転を狙うも火に油の外国特派員協会での講演」「安倍首相の右旋回を止める皮肉な結果に」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/058f907b5d6554f8bf40238474d54757)
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gendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143252)。
「許せないのは、自民党には土地の“不法占拠”を認めても、庶民には法外な要求を突きつけていることだ。国は、脱原発に反対する市民が経産省前に張ったテントを不法占拠と断じ、約1100万円の損害賠償を請求している。とても民主主義国家とは思えない」。さすが日刊ゲンダイ。
『●「安倍晋三首相の本音」『週刊金曜日』(2013年5月31日、945号)についてのつぶやき』
『●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす』
『●「安倍さん、子育て政策は大丈夫ですか?」『週刊金曜日』(2013年4月19日、940号)』
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143252】
自民、国有地「未納15億円」告発された!
2013年7月4日 掲載
自民党の国有地「タダ利用」問題がとうとう刑事告発された。都内のNPO法人代表者ら3人が2日、安倍晋三首相や鬼塚誠・衆院事務総長など5人を背任容疑で告発、東京地検に書状を提出したのである。
問題の国有地は、自民党本部に隣接する衆院所有の約1320平方メートルの土地。告発状によると、自民党は66年からこの土地を駐車場としてタダで使っているにもかかわらず、衆院事務総長は賃料請求せず、国に約15億円の損害を与えたと指摘。自民党の総裁、幹事長はその共犯だとしている。
この問題は、民主党政権下の11年11月に発覚。国会でも問題視され、衆院予算委では、当時の財務省理財局長が「政党本部用地に行政財産の使用を許可する場合、適正な対価の支払いが必要」と地代の必要性を認めていた。さらに、今回告発された鬼塚事務総長も「今後は管理の適正化を図る観点から、どのような対応が可能か検討してまいりたい」と答えていたのだが、その後も、何ら対応していないのだから明らかな確信犯である。
「1年半前に問題になり、追及されながら頬かむりしているのは悪質性が高い。
自民党の体質がよく表れている」(代理人弁護士の河合弘之氏)
許せないのは、自民党には土地の“不法占拠”を認めても、庶民には法外な要求を突きつけていることだ。国は、脱原発に反対する市民が経産省前に張ったテントを不法占拠と断じ、約1100万円の損害賠償を請求している。とても民主主義国家とは思えない。
「テントを張っている場所の面積なんて、わずか1坪程度ですよ。
つまり、自民党がタダ利用している駐車場の約400分の1です。
それでいて、自民党本部が借りている地代の70倍以上の金額を
請求されている。こんなバカな話はありません」(経産省テント村参加者)
政官癒着の構造がよく表れているではないか。
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あっという間に3週間ほど経過。すでに忘却? asahi.comの記事二つ(http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201306180077.html、http://www.asahi.com/politics/update/0617/TKY201306170249.html?ref=reca)、とnikkansports.com(http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20130619-1144735.html)の記事。
アップするのが遅くなってしまいました。
まだこんなことを言っている・・・。被災者や被爆者、自殺者を馬鹿にしている。東京電力原発人災「を含めて」と言っていますので、過去の東海村JOC臨界事故(小出裕章さんのよく引用される『朽ちていった命―被曝治療83日間の記録』(新潮文庫))の作業員2名を含めているのですね? お二人だけではありません、二次被曝した救急隊員、大泉実成さんのご家族(『●『夢を操る ~マレー・セノイ族に会いに行く~』読了(1/4)』http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/82cf5c55f31ec246a25c76233f55bfd4)を含め多くの方が被爆で苦しんでいるというのに。
『●被爆労働者なくして成り立たない社会の正当性とは?』
『●消された放射能汚染: 米軍ヘリ墜落ストロンチウム消失事件』
『●内省の〝無い〟国 ~不適切かつ無責任で、道徳的に誤った国~』
『●懲りずに原発推進の旗を振る者達でさへ無視できない存在としての小出裕章さん』
『●「原発崩壊」樋口健二さん写真展』
『●『自然と人間』(2013年2月号、Vol.200)についてのつぶやき』
『●原発・原子力ムラに関わる組織ぐるみ選挙の一端』
「電力の安定供給が不可欠としたうえで、「原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働している間のコストは比較的安い」」なんて一体どういう発想か、ついていけない。
それでも支持・投票する方々の「品格」・「資質」は?
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」』
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【http://www.asahi.com/politics/update/0618/TKY201306180077.html】
2013年6月18日12時26分
「高市氏発言は事実誤認」野党批判 菅官房長官は擁護
自民党の高市早苗政調会長が「原発事故によって死亡者が出ている状況ではない」などとして原発再稼働を目指す考えを示したことについて、福島県出身の荒井広幸・新党改革幹事長は18日、国会内で記者会見を開き、「事実誤認だ。避難中に亡くなられた人がいる。実態を直視できていない」と批判した。
一方、高市政調会長は同日、国会内で記者団に「福島の原発事故では、被曝(ひばく)が直接の原因で亡くなった方はいないが、安全基準は最高レベルを保たなければいけないということをお伝えしたかった」と釈明。菅義偉官房長官も会見で「前後を見るとそんな問題になるような発言ではなかった」と問題視しない考えを示した。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0617/TKY201306170249.html?ref=reca】
2013年6月17日23時21分
「原発事故による死亡者は出てない」自民・高市政調会長
自民党の高市早苗政調会長は17日、神戸市の党兵庫県連の会合で、「事故を起こした東京電力福島第一原発を含めて、事故によって死亡者が出ている状況ではない。安全性を最大限確保しながら活用するしかない」と原発再稼働を目指す考えを強調した。
原発事故により多くの避難者が出ている現状で「死亡者が出ていない」との理由を挙げて、再稼働方針を強調する姿勢には、批判が出る可能性もある。
自民党は参院選公約の最終案で、再稼働について「地元自治体の理解を得られるよう最大限の努力をする」と推進する考えを盛り込んでいる。高市氏は産業競争力の維持には電力の安定供給が不可欠としたうえで、「原発は廃炉まで考えると莫大(ばくだい)なお金がかかるが、稼働している間のコストは比較的安い」と語った。
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【http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp3-20130619-1144735.html】
高市氏に発言撤回要求 福島県連
自民党福島県連は19日、東京電力福島第1原発事故で死者が出ていないとして原発再稼働に意欲を示した高市早苗政調会長に発言の撤回と謝罪を求める抗議文を党執行部に提出した。
抗議文は「(高市氏の発言は)福島県の現状認識に乏しく、亡くなられた方々、避難されている方々をはじめ、県民への配慮が全くない。不適切で、強い憤りを感じる」と強く批判した。
同時に「原発事故の影響による過酷な避難で亡くなられた方、精神的に追い詰められて自殺された方など1400人を超える災害関連死が認定されている」と被災地の現状を指摘した。(共同)
[2013年6月19日12時0分]
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013062602000108.html)、そして社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070602000148.html)。
「原発推進に加えて「ブラック企業促進政党」、そんなものを支持し、そんなものに投票していしまう、そういう方々には、「騙されることの責任」をとってほしい」。「伊丹監督の言葉。「多くの人が戦争でだまされていたというが、だまされるということ自体がすでに一つの悪である/だますものだけでは戦争は起こらない/だまされていた、といって平気でいられる国民なら、おそらく今後も何度でもだまされるだろう」」。
『●『だまされることの責任』読了(1/3)』
『●『だまされることの責任』読了(2/3)』
『●騙されることの責任』
『●戦争と原発: 伊丹万作さん
「だまされるということ自体がすでに一つの悪である」』
自公政権支持者・投票者の皆さん、「騙されたフリ」をこのまま続けていてもいいのでしょうか? 壊憲に手を貸して、後悔するのは・・・?
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013062602000108.html】
【コラム】
筆洗
2013年6月26日
思想堅固デナク、身体強健デナク、粘リト脆(もろ)サヲモチ、酒ト色ニ興味アルモノヲ求ム-。映画の撮影所に張られた紙に、興味を抱いた若者がいた。日給二百七十円で臨時雇用されていた大学七年生。昨年亡くなった作家の藤本義一さんだ▼募集したのは映画「幕末太陽伝」などで知られる川島雄三監督。先輩たちから胃か肝臓を悪くする、と反対されながらも、好奇心から訪ねてみた。プロになりたいというと「プロとアマはどう違うんですか」と問われたそうだ▼「嫌なことをやるから好きなことができるのがプロじゃないんですか。嫌なことを避けるから好きなこともできないのがアマというんじゃないですか」。藤本さんがとっさに答えると、後ろ向きの背中がフッフッフッと笑った(「師匠・川島雄三を語る」)という▼なんて素敵(すてき)な答えだろう。プロとアマの区別が一層分かりにくくなった今の世の中ではなおさらだ。プロの矜恃(きょうじ)を保ち続けた藤本さんの活躍は書くまでもない▼国会議員が最も嫌なことは自らの立場を危うくする選挙制度の変更だろう。衆院の選挙制度改革は「〇増五減」にとどまり、抜本対策からはほど遠い。嫌いなことを避けるアマチュア集団であることがはっきりした▼「だました人が悪いのか、だまされた私が悪いのか」と前首相はぼやいた。だます方も、だまされた方もプロではない。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070602000148.html】
【社説】
<2013岐路>憲法問題 国のかたち変えるのか
2013年7月6日
参院選の大きな争点は、憲法問題だ。改憲勢力が三分の二を制すれば、憲法改正が一気に現実化しうるためだ。「国のかたち」を変えるのかが、問われている。
社会が暗く、閉塞(へいそく)感が覆う。格差社会は深刻だ。低所得者があふれ、生活苦にあえぐ。若者も未来に希望が持てないでいる。
憲法改正によって、さまざまな社会問題や国際問題が解決するわけではない。けれど、そんな幻想がまとわりついていないか。危うさを覚える中での選挙だ。
◆3分の2のせめぎ合い
自民党が憲法改正草案をつくり、堂々と公約に掲げている。国防軍の創設をうたう九条改正や、改憲の発議要件を「三分の二」から「過半数」へと緩和する九六条改正…。日本維新の会もみんなの党も、憲法改正をめざしている。
自民と維新、みんなを合わせた改憲勢力は衆議院で、三分の二のハードルを越えている。議席数で実に76%にも達し、発議要件を十分、満たしているのだ。
安倍晋三首相は「次期国会で直ちに発議しない」と発言したものの、参議院でも三分の二を超えれば、憲法を改正する千載一遇のチャンスを与える。
その意味で、こんな参院選は近年にない。改憲か、護憲か-。現実的な数のせめぎ合いになる。
国民主権、基本的人権、平和主義などの骨格に支えられた憲法は、国民生活に深く染みいり、現実に戦後は平和で自由な社会を築いてきた。選挙の結果次第で、この「国のかたち」が、変貌してしまうかもしれない。
参院選は日本の岐路となる歴史的な選択なのだ。それゆえに、われわれは日本国憲法の意義をあらためて、かみしめるべきだ。
「国民の手に憲法を取り戻す」と首相は語った。では、今まで国民は憲法を握っていなかったのか。
◆権力は鎖で縛らねば
学校教育などを通じて、多くの国民が親しみを持つ法典である。逆に、そもそも今、なぜ憲法改正が必要なのか。疑問に思う。
むしろ、占領下の米国によってつくられた「戦後レジーム」からの脱却を唱えてきた首相が、改憲への風をあおり立てている。「三分の一を超える議員が反対すれば、国民は指一本触れられない」とも首相は述べた。
しかし、国会議員を投票で選んでいるのは、国民である。憲法施行から六十六年間も、改憲を阻んできたのは、国民の意思表示と受け取るべきだ。
「国民の手に憲法を取り戻す」という言葉とは裏腹に、まるで自民党の改正草案は「権力の手に憲法を」と主張しているかのような中身である。
現行憲法の前文は「日本国民は」で始まるのに、改正草案は「日本国は」を主語に国家観が語られる。出発点から異質なのだ。
「日本国民」を主語にした文脈では「国と郷土を誇りと気概を持って自ら守り」「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合う」ことが要求される。
国民の自由と権利の条項には「常に公益及び公の秩序に反してはならない」と、言葉が加わる。義務がやたらと目につく。
何よりも、まるで一般の法律のように、国家権力が国民を拘束しているかのようだ。立場は逆であるはずだ。
国民が国家権力を拘束するのが、本来の憲法の姿である。立憲主義では、たとえ国民が選んだ権力であれ、力を乱用させない「権力を縛る鎖」なのだ。
その憲法を国民の名を借りて、権力側が自らつながれた鎖をほどこうとする改憲などありえない。改正草案を見る限り、時計の針を古い時代に巻き戻しているような印象だ。
果たして自民党のすべての議員が、改正草案を支持しているのだろうか。戦争体験のある同党議員OBらは、公然と「改憲反対」を唱えている。議員一人一人の考えを聞いてみたいものだ。
民主党は九六条改正には反対するが、改憲自体には「未来志向の憲法を構想する」と述べ、国民との「憲法対話」を進めることにとどまっている。やはり党内には、憲法に対する意見は、賛否両論が渦巻いているのだろう。
公明党は、環境権や地方自治の拡充で新たな理念を加える「加憲」の立場だ。政党によって、また議員個人の信条によって、憲法への考え方は多様である。
◆声をじっくり聞いて
本紙は憲法を守る精神に立つ。自由や平等など人類の英知を集めた憲法をより生かすことで、現在の苦境は乗り越えられよう。「国のかたち」を変えうる国政選挙だけに、有権者は各立候補者が訴える声をじっくり聞いて、「一票」の判断をしよう。
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一寸メモ:
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■①ツルシさんブログ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/974233463e4697054e7764e4d936524e …)。川島雄三さん、ヤンジャンの漫画『栄光なき・・』を思い出しました 『ポチのクレヤン編集長日記/ミョウガ』(http://www.kureyan.com/diary-kureyan/15548.html …)/「川島雄三監督、若尾文子主演 『女は二度生まれる』を・・」
■②ヤンジャンの漫画『栄光なき・・』、川島さんの話も良かったけど、フーディニ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7a729ba8aa036142664199da22296ba4 …)の話が好き 『ポチのクレヤン編集長日記/ミョウガ』(http://www.kureyan.com/diary-kureyan/15548.html …)/「川島雄三監督、若尾文子主演 『女は二度生まれる』・・」
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
ちょっと古い記事。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/business/update/0607/TKY201306060703.html)とgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/143033)。
自公政権を支持するから、こんなことに。
『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題』
『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき』
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ? 信じ難い現実・・・』
で、こんな社会を望むの?
『●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~』
『●自民党の目指す社会とは?』
自民党べったりの、「労働者の敵」経団連の米倉弘昌会長の視察パフォーマンス。視察しても、鼻の上の視覚器官は働いていず、頭の中は「原発再稼働」「原発輸出」という結論だけが渦巻いている。財界総理も安倍首相もオツムの中は同じようだ。原子力「推進」委員会の田中俊一委員長のオツムも、「東京電力原発人災」以前に何をやってしまったのか、以後に何が起こったのか、被災者や被爆者、避難者がどんな苦しみを味わい、いまも苦しみ続けているのか、だからこそ廃炉に向けて如何に作業を進めていくのか・・・、なんていうことはこれっぽちも考えていないだろう。「規制」することなんて、毛頭考えているように思えない。
『●哀しい遺書: 「原子力さえなければ」』
『●福島県双葉町「原子力明るい未来のエネルギー」・・・・・・いま、その〝少年〟は?』
『●「原発さえなければ」「福島の百姓は終わりだ」:
東京電力原発人災と自殺には因果関係あり』
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【http://www.asahi.com/business/update/0607/TKY201306060703.html】
2013年6月7日2時35分
経団連会長、福島第一原発を視察 事故後初
【永田稔】経団連の米倉弘昌会長(住友化学会長)は6日、東京電力の福島第一原発を事故後はじめて視察した。視察後、記者団に「大震災の被害と事故の深刻さを改めて認識した」と述べ、原子力政策や廃炉の技術開発のあり方に対する提言活動に生かす考えを示した。
米倉氏のほか、三菱重工業の大宮英明会長、東芝の佐々木則夫社長らが視察した。原子炉建屋には入らず、バスで見て回った。東電の広瀬直己社長は、米倉氏の隣に座って説明にあたった。原発内の免震重要棟にある緊急時対策本部では、米倉氏が東電の社員ら約150人を激励した。
視察後、東電が復興本社を置くJヴィレッジ(福島県楢葉町)で、地元の町長らと面会した。大熊町の渡辺利綱町長は「長くて大変な道のりだが、しっかり自立へ向けて努力するので、雇用の確保を含め尽力してほしい」と要望した。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143033】
再稼働ありき、原発「新・規制基準」のデタラメ
2013年6月20日
一体どこが厳しくなったというのか。原子力規制委員会が19日、正式決定した原発の「新規制基準」のことだ。
新基準は、シビアアクシデント(過酷事故)対策として、想定される最も大きな津波を「基準津波」とし、原発敷地内に浸水させないよう義務付けたほか、浸水が想定される場合には「防潮堤」の建設を要求。活断層の真上には原子炉建屋など重要施設を認めないことも明確化し、放射性物質を外部に逃すための「フィルター付きベント」の設置を求めた。
田中俊一委員長は「世界最高水準の規制」と自画自賛していたのだが、「安全よりも再稼働を優先させている」と怒りの声を上げるのが、「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武氏だ。
「ベント設置を義務付けましたが、それ以前に、格納容器の構造的な
欠陥はないのか、といった問題は手付かずのままです。
福島原発でも故障が明らかになった原子炉水位計も基準に盛り込まれて
いない。津波対策に重点を置いてばかりで、地震対策には目をつぶっている。
あまりに拙速です」
<福島事故の原因は不明のまま>
そもそも、国会事故調が指摘した通り、福島原発の事故は「地震」なのか、「津波」なのか原因がいまだに分かっていない。それなのに新たな「安全基準」を作るコト自体がデタラメ過ぎる。
新基準には、事故の際に敷地境界での住民の被曝(ひばく)線量などを制限した「立地審査指針」も盛り込まれなかった。
基準に加えれば、国内の原発のほとんどが再稼働できなくなる可能性があるからだが、これでは事故による住民の大量被曝を容認したようなものだ。
「“抜け穴”はほかにもあります。格納容器が大きいタイプの原発の
ベント設置や、原発を操作する中央制御室が使えなくなった場合に
備えた『第2制御室』などの整備について、5年間の猶予期間を
設けたことです。地震や災害は明日起きてもおかしくない。それなのに、
なぜ猶予期間が必要なのか。原発を再稼働したい電力会社に
配慮したのはミエミエです」(科学ジャーナリスト)
再稼働ありきのザル基準は明らかである。
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『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、横田一さん【・・古賀茂明インタビュー「原発輸出に熱心な安倍首相は“死の証人”」】。そして、石坂啓・本多勝一・宇都宮健児・佐高信・雨宮処凛編集委員「紙面批評」【「伝わらない」人に向けて「伝える」ということ/『週刊金曜日』の「いま」と「これから」を考える】。
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■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / ようやく到着。「アベノミクスの化けの皮/逆に飛び始めた「三本の矢」」。武馬怜子氏【参院選の争点はアベノミックスなのか? 「自民党に入れちゃうの?」デモ】。原発推進の一点ですぐさま自公等は否定されるべき(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/217fc361e796252b038e676d536cf5ff)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 木村結・関根彩子氏【形骸化した東電の株主総会 株主提案の議案すべて否決】。内原英聡氏【・・ブラック企業対象候補者決まる】、もちろん、自民党が参院候補者として公認したあの創始者の企業も(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cacd872d89285411b54f8801dcc002f2)・・・
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / これは自民党が目指す社会が垣間見える。片岡伸行氏【ワタミ過労自殺者遺族ら 自民党に公認撤回など要請】。撤回どころか、日刊ゲンダイによると【自民公約「ブラック企業対策」コッソリ削除】、「TPP断固反対」問題のようにならないように?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7344626b90b8bd786948c76a3a7b576e)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 落合恵子さん【何も変わっていない。むしろ】、「これが、わたしたちが暮らすこの国の、この政治の現状なのだ」。自民党の目指す社会って?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/cacd872d89285411b54f8801dcc002f2) 木村聡氏【寿司を手袋で握る常識】、HACCP(ハセップ)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 【大藤理子の政治時評/原発の運転再開反対53%で憲法96条改正反対47%なのに 投票先は自民44%ってなぜ?】、「kiken」は「kiken」です(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/217fc361e796252b038e676d536cf5ff)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 横田一さん【・・古賀茂明インタビュー「原発輸出にな熱心な安倍首相は“死の商人”」】、「輸出の狙いは再処理受注!?」。そう武器の共同開発までやる「死の商人」ブリ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/036957c95d9df1adec50eb8467adab48)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 川内博史氏【放射線業務従事者の資格を取り福島第一原発一号機原子炉建屋を調査 事故原因未解明で再稼働は許されない】、「津波原因説への疑問」。どう考えても人災(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/717e6858e5d238bdfbda55bc19b0e528)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 【新・私と憲法シリーズ 小林節 改正発議要件を緩めることに反対する9条改憲論者】、「憲法って何なのか」を知らしめることが大事 改憲派にとってそれが一番怖い」、「自民党にしてみれば「たかが手続きの規定だから国民は気づかない」とタカをくくって仕掛けた・・」
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / みわよしこ氏【その嘘が、だれかを殺す 「物価下落だから生活保護基準引き下げ」のカラクリ】。宇都宮健児さん【黒風白雨24/生活保護法改悪法案を完全廃案に】。本当にこの国は冷たいと思う(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c007564828f64859e07763882b08f63c)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 一体どちらが「温かい社会」? 伊藤千尋さん【社会主義から人間主義へ南米が目指す新しい社会】、「独裁者が国を牛耳っている・・そのイメージも米国発だ・・上からの強制ではなく市民による自発的な社会づくりが進む南米の現在・・」、「弱者救済が政策の基本」、「米国経由情報は眉唾」「9条を実践する市民」
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「・・「ネジレ解消」と意気込んでいるけれど、ネジレこそが参議院の本質と考えたい。解消を許してはならない。そのためには投票率アップと・・」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/217fc361e796252b038e676d536cf5ff)・・・
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 矢崎泰久さん【発言2013】、「原発、外交、福祉における二枚舌は歴然としているではないか。憲法の改定については言語道断である。こんなデタラメ政権を決して許しておいてはならない」。二枚どころか、何枚の舌を持つのか?(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/a9f6490140092861c9699d5edd7b60a2)
■『週刊金曜日』(2013年7月5日、950号) / 石坂啓・本多勝一・宇都宮健児・佐高信・雨宮処凛編集委員「紙面批評」【「伝わらない」人に向けて「伝える」ということ/『週刊金曜日』の「いま」と「これから」を考える】。「資質」と「品格」を何とか意識してもらえるように・・(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/32b4bd2f4458ab2154d48ea47173c09e)
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asahi.comの記事(http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201307070054.html)。
1年で「60万人雇用増の正体」とは? 「1年間で増えたのは非正規社員が114万人。正社員は47万人減っている。つまり、正規から非正規への大規模な置き換えが進んでいるわけだ」。消費税が増えれば、斎藤貴男さん『消費税のカラクリ』が指摘する通り、それに輪をかけるにきまっている。アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない。
『●『消費税のカラクリ』読了』
「その代わり、この国の社会は大変な混乱に陥るはずである。
中小・零細の事業者、とりわけ自営業者がことごとく倒れて行く。
正規雇用から非正規雇用への切り替えがいっそう加速して、
巷にはワーキング・プアや失業者が群れを成す光景が見られることに
なるだろう。自殺に追い込まれる人々がこれまで以上に増加するのも必定だ」
この政権を支持し、自公の議員を増やし、参院の「ネジレ解消」をするということはそういうことだ。
『●敦賀原発廃炉に向けて足踏み: 自民党による政治的圧力?』
『●原発推進のために何でもする人たち』
『●もんじゅ: 責任者に責任を取っていただきましょう』
『●冷たい国: 国が経産省前テントひろばの撤去を訴え裁判を起こす』
『●憲法学者vs壊憲派議員、理はどちらにあるのか?』
『●生活保護費切り下げと監視社会を歓迎する社会って・・・冷たい国だ』
『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国』
『●「成長戦略に「原発の活用」」: あ~恥ずかしい政権、恥ずかしい国』
『●アベノミクスの宣伝に騙されて彼らに投票してしまえば、待っているのは格差社会』
『●再び原発人災が発生した時、原発推進派議員に何ができるのか?』
『●原発推進国同士が手を携えて原発輸出、さらに「死の商人」へ: どうやら「恥」という概念は無いらしい』
『●反原発派の声が政治に反映されない訳である』
『●原発推進派がやっていることこそ「恥」』
『●破廉恥な行為: 「首相自ら途上国への原発セールスに駆け回る」』
『●「真っ当に憲法を考えている政党はどこだ?」『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号)について』
『●自民党の目指す社会とは?』
『●それでも自公政権が支持されるのはいったいなぜ? 信じ難い現実・・・』
『●壊憲派に好き放題やらせていいのか!』
『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき』
『●「日本を壊す!? 自民党」『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号)について』
『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題』
『●アベ(ホ)ノミクスに騙されてはいけない ~年金マネーをアベノミクスのサイフに~』
『●首相の2枚目の舌が福島で語らない事』
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【http://www.asahi.com/politics/update/0707/TKY201307070054.html】
2013年7月7日14時54分
「日本社会をブラック企業化している」 共産・志位氏
■志位和夫・共産党委員長
テレビの党首討論で安倍晋三首相は「雇用を増やした」と盛んに自慢する。「60万、去年より増えている」と言うが、私は「あなた、中身を知らないで言っているんじゃないの」と批判した。
1年間で増えたのは非正規社員が114万人。正社員は47万人減っている。つまり、正規から非正規への大規模な置き換えが進んでいるわけだ。こういう状況をつくってしまったのは、長い間、労働法制の規制緩和と言って、派遣労働を自由化し、製造業にまで広げてきたからだ。
そういう問題が起きているにもかかわらず、いまの自民党は、成長戦略の目玉に、もっと解雇を自由にする、残業代ゼロを拡大する、派遣労働を臨時的な業務ではなく、恒常的な仕事まで派遣への置き換えを自由にする、と挙げている。
自民党は、日本社会を全部ブラック企業に変えようとしている。(東京・新宿駅前で)
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ブラック企業がらみのgendai.netの三つの記事(http://gendai.net/news/view/108450、http://gendai.net/articles/view/syakai/143284、http://gendai.net/articles/view/syakai/143293)。
色々と物議を醸す、ブラック企業トップの自民党公認問題。「ワタミで過労自殺した元女性社員の遺族が6月28日、謝罪しない創業者・渡辺美樹氏を公認した自民党本部に抗議に訪れたが、このときの映像が動画サイトにアップされ、党に対する批判が噴出」しているようだ。
『●働くとは何か? 死ぬために働く・・・・・・』
『●「利益率の向上」だけのために働かされる・・・・・・』
『●企業の貯金250兆と「働くとは何か?」』
『●格差社会を助長するトンデモな「ト」理論=トリクルダウン理論』
『●アベノミクスの宣伝に騙されて彼らに
投票してしまえば、待っているのは格差社会』
『●働くとは何か?: 「社員は「定額使い放題」へ」』
『●メルマガ【 PUBLICITY 】紹介: 古川琢也さん『ブラック企業完全対策マニュアル』』
『●自民党の目指す社会とは?』
公認した政党もブラックではないか?、という更なる行動に。「TPP断固反対」公約反故に続き、ブラック企業対策をコッソリ削除?、していたという問題。
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【http://gendai.net/news/view/108450】
自民痛手!ワタミ過労死遺族「涙の抗議」映像の衝撃
2013年07月01日 20:39 更新
ワタミで過労自殺した元女性社員の遺族が6月28日、謝罪しない創業者・渡辺美樹氏を公認した自民党本部に抗議に訪れたが、このときの映像が動画サイトにアップされ、党に対する批判が噴出している。
映像は約4分間。遺族が支援者を伴って、自民党本部を訪れるシーンから始まる。正門付近で遺族らを応対した自民党情報調査局の担当者は、「ここは出入り口なのでこちらへ」と外を指し示すと、「(抗議の話は)受けてない」と門前払いしようとした。
遺族が「娘は寒い雨の中、死んでいった」「いつまでも雨に濡れていた」「せめてこんな外じゃなくて中で受け止めてください」と涙ながらに訴えると、担当者は渋々認めたが、「私しかいませんよ」と冷淡にひと言。
マスコミが遺族のあとに続いて入ろうとすると、担当者は「ダメです! いけません!」と大声をあげ、「(私には)責任があるんです!」と断固拒否した。遺族との面会時間はわずか10分だけだった。
その後、映像は黙祷のシーンに切り替わる。遺族の訴えは悲痛だ。
「今の自民党の対応はワタミ本社に行ったときと変わらなかったので
落胆しています」(母親)
「渡辺美樹氏のような人物が国政の中で、自分たちの都合のいい法律を
作って若者たちを酷使するような世界をつくるのであれば、一番関係の
ある私たちが声を上げなければならないと思って、今日ここに来ました」(父親)
映像は「自民党はワタミの公認を取り消せ!」「ワタミは遺族に謝罪しろ!」のシュプレヒコールで終わる。
動画を見た人からは、「なんだこのクズ対応は」「なぜ渡辺氏を擁立するのかわからん」と自民党に対する批判コメントが書き込まれている。
渡辺氏の擁立をめぐっては、自民党の平沢勝栄衆院議員もテレビ番組で「国民の声を聞く限りでは、減る票の方が多いと思う」とキッパリ。渡辺氏への公認を辞めさせる方向に持っていきたいという趣旨の発言をするなど、党内からも異論があがっている。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143284】
参院選の大争点 ブラック企業はイエスかノーか
2013年7月5日
自民圧勝なら社会全体が暗黒化
4日公示された参院選。「ブラック企業」の代名詞として立候補に批判があった前ワタミ会長を、安倍自民は結局、比例名簿に載せた。つまり「ブラック企業」を肯定したのだ。そんな自民が圧勝し、国会でねじれが解消すると、労働者にとってどんな恐ろしい社会になるのか。有権者はよくよく考えた方がいい。
「今の自民党は正しい方向に進んでいる」
4日夕方、自民党公認のワタミ前会長、渡辺美樹(53=比例区)が、JR上野駅前で声を張り上げた。会社帰りのサラリーマンやOLなど大勢が行き交っていたが、ほとんど素通り。約10分の演説に耳を傾けていたのは、せいぜい20~30人。拍手もまばらで、公示初日にしてはお寒い限りだった。
ワタミといえば、昨年始まった「ブラック企業大賞」で、2年連続ノミネートされている。
〈365日24時間死ぬまで働け〉
社員に配布される会社の理念集にはそう記されている。実際、08年6月には、入社2カ月の森美菜さん(当時26歳)が過労自殺した。
「渡辺氏の公認をめぐってはネットを中心に非難ゴウゴウ。
自民党内でも疑問視する声が上がり、党本部にも抗議が
殺到しました」(永田町関係者)
だから、参院選を取り仕切る石破幹事長も、週刊誌に〈党や私のところにも批判のメールや手紙が山ほど来ています。(渡辺)本人にも(ブラック企業か否か)きちんと説明するように何度も言っていますし、説明が十分でないとなれば私どもも考えます〉なんて答えていた。
ところが、先月28日、美菜さんの遺族が、渡辺の公認撤回を求めて自民党本部を訪れたのに、門前払い。説明を求める遺族の願いを聞き入れようともしなかった。当の渡辺も4日の演説後に、「ブラック企業大賞? まったくのナンセンス。明確な基準がないまま報じられるのは、ペンの暴力」と悪びれもせずに話していた。ジャーナリストの横田一氏が言う。
「先日、美菜さんが働いていた横須賀の店を訪ねてみたんです。
店内には安倍首相と渡辺氏のポスターが並べて張ってありました。
そういう感覚の持ち主なんでしょう。もともと渡辺氏に声をかけたのは、
教育問題で意気投合した安倍首相。だから公認されたわけです。
限定正社員や解雇をカネで解決する制度の導入をもくろむ安倍政権と
ワタミの姿勢は、ぴったり重なり合います。安倍自民が参院選に勝ち、
ねじれが解消するというのはそういうこと。大企業が優遇され、
ブラック化が進み、労働者がボロ雑巾扱いされるということなのです。
若者の怒りが投票率アップにつながることを期待しますよ」
ブラック企業にイエスかノーか。これも参院選の大きな争点なのである。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143293】
自民公約「ブラック企業対策」コッソリ削除
2013年7月6日 掲載
逃げるな安倍首相!
<ワタミがあてはまっちゃうからか>
「なぜ、公約からブラック企業対策を削除したのか」――。自民党の参院選公約について批判が噴出している。今年4月、ブラック企業対策を提言した自民党は、参院選の公約に反映させるとしていた。ところが「マニフェスト」からすっぽり抜けているのだ。ブラック企業の代名詞「ワタミ」の創業者、渡辺美樹(53)を公認したために、都合が悪くなり、土壇場で削除したのではないか。
<企業名「公表」の提言も消える>
自民党の「雇用問題調査会」は4月、従業員に低賃金と長時間労働を強いているブラック企業に強く対峙する方針を打ち出していた。
〈サービス残業など法違反が疑われる企業には、労働基準監督署の立ち入り調査を行う〉〈企業名の公表について検討を行う〉と、ブラック企業名を「公表する」としていた。
自民党の提言案に、ネット上は歓迎ムードが強かった。20代、30代の多くの若者が、ブラック企業に苦しめられているからだ。ところが、蓋を開けてみたら、自民党の公約には、ブラックのブの字も載っていないのだ。
さっそく、ネット上では、ブラック企業「ワタミ」の渡辺美樹オーナーを公認候補としたから、公約から削除したに違いない、と批判の声が渦巻いている。
「もし、ブラック企業名を公表するとなったら、真っ先に上がるのはワタミです。
なにしろ、ワタミは2年連続〈ブラック企業大賞〉にノミネートされている。
全社員に渡されるワタミの理念集には〈365日 24時間 死ぬまで働け〉
と書かれ、その結果、長時間労働でうつ状態になった26歳の女性社員が
飛び降り自殺しています。さすがに、自民党もブラック企業について公約で
触れるわけにはいかなかったのでしょう」(政界関係者)
要するに安倍自民党は、労働者が「ブラック企業」に酷使されようが、どうでもいいのだ。渡辺美樹を公認したのだから、ブラック企業を肯定したも同然である。しかし、このままでは、被害者は増える一方だ。若者の労働相談に取り組むNPO法人「POSSE」の今野晴貴代表はこう言う。
「ブラック企業は、IT、外食、小売り、介護などの新興産業に圧倒的に多い。
古い企業は、労働時間や賃金など、労働環境を整備していますが、
新興企業は無視しているケースがよく見られます。ITなどの新興企業は、
この10年間、利益を上げても労働者に還元せず、社員を使い捨てに
することで、さらに利益を拡大させてきた。原因は、やはり労組がないことと、
社会が批判しないできたことです。社会から強く批判されれば、
さすがに新興企業の経営者も考えざるを得ない。ブラック企業だと
非難されることの多いユニクロも、4月から店長の月給を3万円上げています」
ブラック企業を一掃するには、政治が先頭に立つしかないのだ。なのに、安倍首相はブラック企業とタッグを組んでいるのだから話にならない。参院選で自民党に一票を入れようと考えている有権者は、よく考えるべきだ。
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東京新聞のシリーズ社説(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.html、http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html)。同じく東京新聞(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html)。asahi.comの記事(http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1)。再び、東京新聞コラム「筆洗」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html)。最後にgendai.net(http://gendai.net/articles/view/syakai/143274)。
「経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない」・・・逆じゃないのかな? いや、
『●「原子力推進」という一点で自公政権は否定されるべき』
であるべき。福島で第一声を上げても、何枚の舌があるのか知らないが、第2番目の舌で「原発輸出」「原発再稼働」といった「原発推進」は語ることはない。語れる訳もない。東京電力原発人災以前、自民党が何をやってきたのか、それ以降何をやったのか、その責任を誰か一人でもとったのか、語られることはない。そういう政党を支持していいのか?
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062502000131.html】
【社説】
フクイチで考える(1) 放射線の海のただ中
2013年6月25日
いわゆるフクイチを取材する機会があった。フクイチ、エフワン…。中で働く人たちは福島第一原発のことをそう呼んでいる。
放射線量が高いので、バスの中からの視察である。それでも、マスクと靴カバー、そして、両手に布とビニールの二重の手袋に、首からは線量計という一通りの装備が必要だった。
まず、廃炉作業の指揮所がある免震重要棟に入った。コンクリートの壁に囲まれた二階建て。テレビ会議の映像で知られる緊急対策本部室に向かう。途中、ゲートモニターという全身を調べる機械のチェックを受けた。これが世界を二つに分ける。
退出モニターとも呼ばれるこの機械は、どの原発にもあるものだ。だが本来はその名の通り、原子炉建屋のような放射能の管理区域から非管理区域へ、内から外へ出る時に被曝(ひばく)の有無を確かめるためのものである。ここではそれが入室時。“あべこべ”だ。放射線の海のただ中の家である。
二年前の1号機の爆発時、免震重要棟の扉が吹っ飛び、内部も一部、管理区域になってしまった。
数少ない窓は、事故後分厚い鉛の板で遮蔽(しゃへい)した。棟内には鉛を張った石膏(せっこう)ボードも設置した。
梅雨の晴れ間の一見のどかな光景は、生命とは相いれない世界である。その中で毎日三千を超える人々が過酷な作業に従事する。八十人の東電社員が夜間も免震重要棟に詰めている。
約一時間、構内をバスで巡った。最も線量が高かったのは3号機の海側で、毎時一八〇〇マイクロシーベルト。バスの汚染の検査を受けて外へ出た。
胸の線量計を見た。積算で二一マイクロシーベルト。前日の東京の環境放射線量は〇・〇五六マイクロシーベルト、愛知は〇・〇六六マイクロシーベルトだった。バスの中でも単純計算で三百倍以上になる。
フクイチの汚染は、人間自身の産物だ。この異様な世界の存在を、私たちはよく知るべきだ。これも原発の一つの姿なのである。 (飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062602000148.html】
【社説】
フクイチで考える(2) メルトスルーの深い穴
2013年6月26日
メルトダウンに陥った1~3号機では、燃料デブリの存在が、放射能汚染水と並んで廃炉の進展を妨げる。デブリとは、溶け落ちた核燃料の固まりだ(図は1号機、東電資料より)。
一九七九年にメルトダウン事故を起こした米国のスリーマイル島原発(TMI)では、燃料デブリは格納容器の内側の圧力容器の中にとどまった。
それでも、作業は困難だった。
メルトダウンが具体的に判明したのは事故発生から三年後。溶融分は当初、燃料の20%と見られていたが、結局は52%もあった。取り出しには十一年の歳月と十億ドルの費用をかけた。
フクイチは、それよりはるかに難しい状態だ。高温の核燃料が圧力容器を貫通するメルトスルーで、格納容器の底に落ちた上、底部を侵食している恐れがある。
「中に入ってサンプルが採れないと、次のステップには行きにくい」。東京電力前常務執行役の小森明生さんは言う。三代前の福島第一原発所長である。
さまざまなものの混じった海水を注入したために、さまざまな異物が放射化した恐れもある。
3・11から、やがて二年四カ月。ファイバースコープやロボットを使ってさまざまに探査を試みているものの、フクイチの炉内の様子はまだ詳しくわからない。
何が溶け込んでいるか。容器の底に林立する制御棒にこびり付いてはいないのか。燃料デブリの性状も散らばり具合も、明らかにはなっていない。
昨年三月、2号機の格納容器内部で毎時七三シーベルトの放射線が計測された。数分浴びただけで命を落とす線量だ。この危険が調査の大きな壁になる。フクイチには、まだ分からないことが多すぎる。メルトスルーの穴はどこまで深いのか。優秀なロボットたちはどうしたか。
廃炉への前提になる新たな探査技術の開発に、世界の英知を集めるべきだ。 (飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062702000121.html】
【社説】
フクイチで考える(3) 技術の合意と社会合意
2013年6月27日
水が廃炉を妨げる。
損壊した原子炉建屋の中に、一日四百トンの地下水が流れ込む。
1~4号機の建屋を取り囲むように土を凍らせて、地中に壁を構築し、地下水を遮る計画が進んでいる。遮水能力が高く、工期が短いのが利点という。しかし、地下水位が変化するなど予想外のリスクも否めない。
今のところ汚染水は、フクイチの敷地の中にひたすらためておくしかない。正門をくぐると、大小の貯水タンクの群れがまず目に入る=写真、代表撮影。すでに約千個あり、三十万トンを超える汚染水を抱え込む。八十万トン分の用地が確保されており、今後三年は貯水を続けられるというが、限界はやがて来る。
東電はことし三月、多核種除去設備(ALPS)の試運転を開始した。一系列で一日二百五十トンの処理能力があり、六十二種類の放射性物質を国の基準値以下まで除去できる。
ところが、水とよく似た放射性トリチウム(三重水素、半減期一二・三年)だけは分離が難しい。水から水は除けない。一ミリリットルあたり六〇ベクレルという国の排出基準に対し、三〇〇〇ベクレル程度が残る。
実はこのトリチウム、どの原発の冷却水にもわずかに含まれており、管理放出されている。フクイチでも、基準以下に水で薄めて海に流そうという声はある。しかし、それも難しい。
「浄化して管理放出ができるという技術的合意と、そうしてもいいという社会的合意が得られるかどうかは別問題」と、案内してくれた東電フェローの小森明生さんは考える。「フクイチはもう、普通の原発とは思われていませんから…」と。
フクイチだけのことではない。今は、国民の多くが原発と、原発神話を築いた人や機関に疑いの目を向けている。原発推進の経済人や政治家が目を背けているだけではないか。国民の視線に気づかなければ、社会的合意は成り立たない。 (飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062802000146.html】
【社説】
フクイチで考える(4) ロボット侵す放射線
2013年6月28日
3号機、4号機の作業現場は、随分様子が違う。
4号機の周りには、白い防護服にマスクをつけた人の姿がある。3号機にはそれがない。
事故当時、定期検査で停止中だった4号機は、メルトダウンを起こしていない。
一方、爆発の規模が大きく破損のひどい3号機には、人がうかつに近づけない。3号機はぐるりと足場が囲み、六百トン吊(つ)りの巨大クレーンなど大小十台の重機ががれきの撤去を続けている。運転台には人がいない。
十台は、約五百メートル離れた免震重要棟から、遠隔操作されている。放射線の影響がない部屋だ。
「無人重機もロボットの一種」と東京電力原子力・立地本部課長の田中勤さんは言う。
それとは別に、ロボットたちはフクイチの中にいて、主に地味な調査業務に就いている。
一昨年四月の「パックボット」(米・アイロボット社製)投入以来、東電の管理分だけで六機種が活動、または待機中。この十八日には、ホンダなどと共同開発した「高所調査用ロボット」が、2号機内の温度や線量を確かめた。
しかし、放射線はロボットさえも脅かす。放射線量が一〇〇シーベルトになると、エネルギーの高いガンマ線がロボットの“目”に当たるカメラの画素に影響し、画像に斑点のようなものが表れる。
ガンマ線が、半導体の中の電子の流れに作用して、コンピューターの誤作動を引き起こす。鉛で覆うと動作が不自由になる。
ロボットも人間と同じ線量計を装着し、被曝(ひばく)の限界を定めた管理値が設定されている。
作業の現場は炉心に近づいていく。生身の人間には、小石一つ拾わせてはならない。汚染水に触れさせてはならない。
ロボットに対する国民の期待は強い。国産ロボットの奮起を求めたい。飛躍的な性能向上を図らねば、フクイチは鎮まらない。 (飯尾歩)
【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062902000157.html】
【社説】
フクイチで考える(5) 核と共存できるのか
2013年6月29日
フクイチを巡る取材バスの中で強く思ったのは、日本に落とされた原爆はアメリカがつくったが、この原発事故の被災地、代表撮影=をつくったのは、ほかならぬ日本だったということだ。
外には、強力な放射能ちりを吸い込まぬように、大型のマスクと装備を着けて働いている人たちがいる。周りには住めない土地がある。そういうことを私たちは自覚せねばならない。
この場所は、事故後よく知られた通り旧陸軍の飛行場だった。海を見下ろす高さ三十メートルの海岸段丘の上。そこを二十メートル掘り下げて原発は建設された。科学技術が万能と信じられた時代。だが、掘り下げた分だけ津波は大きく襲った。
一九四八年、湯川秀樹博士がノーベル賞を受ける前年。アメリカの研究所に招かれると、すぐにアインシュタイン氏がやって来た。博士の両手を握りしめながら「罪もない日本人を原爆で殺傷して申し訳ない」と涙を流してわびた。
原爆と原発はもちろんちがう。
だが、放射能汚染という災禍は同じである。
思い出されるのは「核と人類は共存できない」という、広島の哲学者にして運動家の森滝市郎氏のことばだ。彼は被爆して右目を失った。考えに考え抜いた末、核兵器はもちろん、原発もやめるべきだと決心した。ウランを掘る人から最終的に燃やし処理する人まで被ばくの危険がある。ましてや事故を起こしたら。
私たちは、廃炉ということばを割合簡単に使う。だが、どうか。その疑問はここへ来ればわかる。
福島の廃炉はうまくいってほしい。しかし、それを進めながら原発とは私たちにとって一体何なのかと自問を繰り返そう。
何より原発に代わるエネルギーを、私たちは努力すればもつことができる。フクイチはそう語りかけてくる。 (深田実)
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/hissen/CK2013070402000131.html】
【コラム】
筆洗
2013年7月4日
架線を支える電柱は折れ曲がり、駅舎は土台しか残っていない。福島第一原発から二十キロの警戒区域で唯一、津波に襲われたJR常磐線の富岡駅(福島県富岡町)の現状だ▼視界を遮る建物はなく、駅から海がよく見え、無人になった事務所には巣を作ったツバメが勢いよく出入りしている。ひっくり返った車があちこちに放置され、破壊された建物は解体されずに生々しい爪痕を今も残す▼富岡町は三月二十五日から放射線量に応じ、帰還困難、居住制限、避難指示解除準備の三区域に再編されたばかりだ。日中、立ち入りが可能になった駅に立って感じたのは、終わりの見えない放射能との戦いである▼双葉地方を車で走ると、目に入るのは「除染作業中」の看板だ。汚染土などを詰めた大量の黒い袋は、雑草だらけの田んぼの仮置き場に野ざらしにされたままだ▼震災後、初めてとなる参院選がきょう公示される。安倍晋三首相はJR福島駅前で第一声を上げ、民主党の海江田万里代表も福島入りする。福島を忘れない、と訴えるのだろう▼原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立-。昨年の衆院選で公約に掲げた目標は参院選の公約から消え、自民党は旧来の「原発依存」に立ち位置を戻した。汚染土の詰まった袋はあちこちで山積みになっている。安倍首相は視察した時に、目に入らなかったのだろうか。
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【http://www.asahi.com/special/news/articles/OSK201307030151.html?ref=comtop_fbox_d1】
2013年7月4日16時34分
(竹内敬二の窓)「事故の経験で、最も安全な…」の軽さ
【編集委員・竹内敬二】「いったん停止」していた原子力政策が、参議院選を前にして丸ごと動き始めた。原発輸出も国をあげて推進している。福島原発事故から2年余りで、私たちは何を反省し、どこへ行こうとしているのか。
いま原発再稼働、輸出推進を進める論理として「福島事故を経験した日本だからこそ世界一安全な原発を提供できる」というのがある。日本の原子力の歴史では、しばしばこうした逆説的な言い方、あるいは「日本は特別」的な言い方が使われる。しかし、たいていは「口だけ」である。
昨年9月、民主党政権は、「2030年代に原発ゼロをめざす」を柱にした「革新的エネルギー・環境戦略」を公表した。原発依存一辺倒だった戦後のエネルギー政策を百八十度変えるものだった。しかし、この新戦略の寿命はたったの3カ月だった。昨年12月の総選挙で勝った自民党が、この戦略を否定し、安倍政権が原発復活へ舵(かじ)を切ったからだ。
これは世論の大勢とずれている。3・11以後、日本社会の原発への意識は変わり、「停止中の原発の再稼働に反対が58%、賛成28%」(6月11日朝日新聞)という世論調査にもみられるように、多くの人は悩みながらも原発を減らしたいと思っている。そして実際に、ほとんどの原発が止まったまま日本の社会は動いている。
今しなければならないのは、こうした世論の変化や電力需要の減少を基本にエネルギー政策をつくり、その中で原発、プルサーマル、再処理の意味と役割を定義し直すことだろう。事故を起こした国の責任だ。
しかし、安倍政権は、原発、プルサーマル、再処理工場という一つひとつのパートを、以前の計画のまま動かそうとしている。これでは、なし崩しで「3・11以前」に戻ってしまう。
・・・・・・・・・。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013070502000134.html】
【社説】
<2013岐路> 党首第一声 福島に寄り添う責任
2013年7月5日
参院選が公示され、各党首らが各地で第一声を上げた。経済政策は大きな争点だが、収束しない原発事故、道半ばの震災復興をどうするのかも、忘れてはならない。
候補者擁立の状況や選挙戦略によるのだろうが、寂しい気がしないでもない。七カ月前の衆院選公示日、四党首が福島県内に集ったが、きのうは現職首相の安倍晋三自民党総裁と、海江田万里民主党代表だけだった。
安倍氏は衆院選同様、福島市の中心街を第一声の場に選んだ。長年政権にあった自民党が「原発の安全神話に寄りかかり、原発政策を推進したことを、深刻に反省しなければならない」と述べた。
いまなお多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされている現状を見れば、「本当に申し訳ない思い」を表明したのは当然だ。
しかし、安倍氏は首相として原発再稼働や海外への原発輸出を進める。衆院選第一声では語っていた再生エネルギーの開発促進にはこの日、全く触れなかった。
県内全原発の廃炉や再生エネルギー研究・開発の推進を求めた福島県連や、普天間飛行場の県外移設を掲げた沖縄県連の地域公約を安倍氏は「県連の願望」と一蹴する。地域重視の自民党が地域に寄り添わないのはどういうことか。
ただ「復興を加速する」と言うだけでは、原発事故を本当に反省したことにはなるまい。
海江田氏は第一声を上げた盛岡市から仙台市に入り、その後、福島市では安倍氏と同じ場所で演説した。東日本大震災の被災地から選挙戦を始めたかったのだという。
震災発生時、原発を所管する経済産業相だった海江田氏は原発事故の避難指示に「至らぬ点があった」と謝罪し、「福島の復興なくして日本の復興はない」と訴えた。
やり玉に挙げたのが安倍内閣が進める国土強靱(きょうじん)化だ。公共事業のバラマキと批判し、資材高騰で復興に支障が出ていると指摘した。
政策の誤りを正し、建設的な提言をして実現を迫るのは野党の役割である。政権転落の痛手は深いが、福島をはじめ被災地の復興を加速させるため、政策論争に果敢に挑んでほしい。
これから福島に入る党首もいるのだろう。選挙区に候補者を擁立しなくても、比例代表で支持を呼び掛ける意味はある。政策を堂々と訴え、いまだ故郷に帰れない被災者、原発事故の影響に苦しむ県民に寄り添う気持ちを表してほしい。それが政治の責任でもある。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143274】
安倍首相 被災地パフォーマンスのあざとさ
2013年7月5日 掲載
「自民党は安全神話に寄りかかり、原発政策を推進してきたことを深刻に反省しないといけない。私たちには復興を加速させる大きな責任があり、復興のためにも強い経済を取り戻す」
これは安倍首相が福島で行った参院選の第一声だ。原発政策を反省する政党が、なぜ再稼働を推進するのか。なぜ海外への原発輸出に必死になるのか。復興を加速させると言いながら、復興予算の流用対策が遅れ、1兆円が被災地以外に使われていくのを止められなかったではないか。
安倍は、昨年の衆院選に続き、今回もまた公示日にわざわざ福島へ出向いた。前夜遅く福島駅前のホテルに泊まり、午前福島駅前といわき駅前で街頭演説。午後には東京・池袋へトンボ返りだ。“震災復興”を選挙の象徴的なイメージにしようと躍起である。
「被災地を利用した選挙パフォーマンス」だと呆れるのは、作品の取材で毎月東北を回っている作家・相場英雄氏だ。
「安倍さんは福島もいわきも駅前で数時間滞在しただけでしょ。
『被災地の復興を考えています』という、わざとらしさが透けて見えます。
被災地の住民はみな、『政府の偉い人たちは、一度、仮設住宅に
泊まってみたらいい』と口々に言っています。そうすれば本当のニーズが
もっと分かる。例えば、自治体によってガレキの残っている量が全く違うんです。
自治体の境界線を越えるとガラッと景色が変わることがある。
復興庁という組織をつくったのに、機能していないんじゃないか」
<トンボ返りせず仮設住宅に泊まってみたら>
6月に被災地を取材したばかりのジャーナリスト・鈴木哲夫氏もこう言う。
「被災者が望んでいるのは、生活再建と仕事です。しかし、相変わらず
仮設住宅に住み、雇用は増えていません。高台移転の話がありましたが、
土地の確保も進んでいない。石巻(宮城県)で一番大きな仮設住宅を
取材すると、『国会議員は現場に来ないから、実態が分かるわけがない。
それなのに、どんどん復興に関する公約がつくられる。不思議です』
という声を聞きました」
安倍は毎月被災地を訪問していることもアピールの材料に使っているが、そこまで言うなら、駅前のホテルじゃなくて、仮設住宅に泊まればよかったんじゃないか。
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NTVの番組紹介(http://www.ntv.co.jp/program/detail/21821662.html)。
遺族として、殺された母の子として、同時に、死刑囚である父の子として、・・・・・・複雑な立場としての大山寛人氏。人を殺めた者を裁いた結果として、「人を殺めたことの議論」「人を殺めてはならないという議論」を通して、彼や彼女を殺してしまえという死刑制度。死刑存置派の方の感想を聞いてみたい。
『●死刑存置を目指して、市民の意識のハードルを下げさせる制度』
『●最近の諸々のつぶやきメモ: 反原発や冤罪、死刑問題、情けない政治等々』
『●続・「死の町」にした者こそ糾弾されるべきではないか?(2/2)』
『●ドキュメンタリー『死刑弁護人』:
バッシングされ続ける「死刑弁護人」安田好弘さん』
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【http://www.ntv.co.jp/program/detail/21821662.html】
NNNドキュメント「死刑囚の子 殺された母と、殺した父へ」[字]
放送日時06月24日(月)0:50~1:20
番組内容
大山寛人さんは小学6年の時、父から夜釣りに誘われ喜んで出かけた。助手席の母は動かない。何かが海に落ちる音がした。母は父に殺された…死刑囚の息子の心情を追った。
詳細
2000年3月、大山寛人さん(25)は当時小学6年生。父から夜釣りに誘われた。何かが海に落ちる音がし、その後母は遺体となって見つかった。この2年前、父は自身の養父を殺害。ともに保険金を詐取していた。殺人犯の息子であり、遺族でもある大山さんは社会から孤立し、自らの境遇を呪い、父を憎んだ。おととし父の死刑が確定。大山さんの心身は極限状態だ。息子の思いはただひとつ…「生きて罪を償ってほしい」
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013061802000128.html)とgendai.netの記事(http://gendai.net/articles/view/syakai/142980)。
『●「品格」と「資質」: それを許す支持者や自公投票者の問題』
原発推進という一点で既にダメダメな自公議員という選択肢。結果として原発推進へと向かうのならば、そんな政党(公明党)に投票することは許されないと思う。まずは、それが第一の譲れないポイント。
ましてや、TPPはどうでしょうか? 平気で公約を破り、TPPを推進するという公約だったならまだしも、「TPP断固反対」という公約を破棄したのだから、TPP推進が多くの国民に良い結果をもたらすとは思えない。
『●「日本を壊す!? 自民党」
『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号)について』
「今週のブログ主のお薦めは、その表紙。自民党の公約批判を込めて、
「日本を耕す!!」どころか 「日本を壊す!? 自民党」、
「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」なんて嘘っぱち、
「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる。」。」
『●アベノミクスの宣伝に騙されて彼らに投票してしまえば、待っているのは格差社会』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/news/CK2013061802000128.html】
TPP対話おろそか 意見公募せず HP資料のみ
2013年6月18日 朝刊
来月下旬に交渉参加の時期が迫る中、安倍政権がTPPに関し市民や業界団体と対話する会合をほとんど開こうとしないことを懸念する声が出ている。国民の理解不足や意見を反映する場の少なさを心配する意見だ。それでも政府は、国民から広く意見を募る意見公募(パブリックコメント)をしない方針。これには交渉参加に慎重な団体だけでなく賛成する団体も「地方の理解が進まない」と不満を示す。 (吉田通夫)
本紙の調査では、四十四道府県議会がTPPに反対か慎重な意見書などを可決した。安倍晋三首相は交渉参加を表明した三月の記者会見で「状況進展に応じて丁寧に情報提供することを約束する」と強調したが、政府はホームページに各種資料を掲載しただけ。担当者が説明する機会は日米事前協議が決着した後、都道府県の担当者らを東京に集めた会合にとどまり、一般市民が参加できる説明会は一度も開いていない。
自民党は二〇一二年十二月の衆院選で条件付きながら「TPP反対」を掲げて圧勝した経緯がある。安倍首相は今年二月の訪米の際「聖域なき関税撤廃は前提でないと確認した」ことで条件をクリアしたと判断し、国民への説明が乏しいまま方針転換した。民主党政権が担当相も出席するなどし約九十回の意見交換の場を設けたのとは対照的だ。
それだけに十七日の説明会では、出席団体から市民が参加できる説明会の開催や意見公募を求める声が相次いだ。政府側は今後、交渉過程に応じ情報を開示する方針は示したが「一カ月後には交渉が本格化するので人員に余裕がない」などと、説明会の開催や意見公募を拒んだ。
こうした政府の姿勢を日本商工会議所の担当者は「インターネットで一方的に情報を開示するだけでは、読んでも分からない」と不安視。TPPへの参加には賛成しつつも「地方での説明会が少なく理解が進んでいない」と話し、説明の場を増やすよう求めた。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/142980】
2013年6月18日掲載
聞いてないぞ! 竹中平蔵!! 年金資金でインフラ整備なんて許されるのか
いつのまにか成長戦略を支えるサイフに
大メディアはほとんど報じていないが、我らが年金の運用方針が大きく変わることになりそうだ。
産業競争力会議で議論になっていたもので、竹中平蔵慶大教授らが国債偏重の運用方針の見直しを提案、もっと年金資金を株に振り向けるべく、7月に有識者会議が立ち上がることになった。
これだけだって、年金資金を株価対策に使うのか、と非難の声が出ているが、驚くのは早い。運用先の候補として、株の他に「国内外のインフラ設備などのオルタナティブ投資」が含まれているのだ。
成長戦略では他国へのインフラの輸出30兆円が盛り込まれた。国内のインフラ整備ではPFI(民間資金活用による社会資本整備)がうたわれ、官民ファンド創設が打ち出された。どこがカネを出すのかと思っていたら、年金資金を回す計画が密かに進行中だったということだ。
年金マネーをアベノミクスのサイフにするなんて、「国民は聞いてないぞ!」ではないか。
GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)や国家公務員共済組合連合会(KKR)などの公的年金と、それ以外の独立行政法人がいっせいに運用方針を見直せば、約200兆円のマネーが動く。なるほど、竹中らが目をつけそうな話だが、衆院議員の山井和則氏はこう言った。
「年金資金の運用拡大については早い段階から産業競争力会議の中で
検討されてきました。しかし、年金資金を成長戦略に使っていいのか。
そもそも、ここからして、疑問です。年金資金は毀損しないように
安全運用を目指すべきだし、海外のインフラ整備にはリスクが伴う。
国民は何も知らされていないのに、勝手な変更は許されません」
政府は「だから有識者会議を立ち上げるのだ」と強弁するだろうが、この設置時期も疑惑だ。
「運用見直しの有識者会議が7月に立ち上がれば、株式市場は期待して、
沸く。参議院選挙向けの株価対策にも見えます」(山井議員)
リスクをとって、運用に失敗したときはどうするのか。もちろん、竹中たちはもういない。
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東京新聞社説「自民の原発公約 「変節」は見過ごせない」(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062102000151.html)、asahi.comの「2年やそこらで忘れてはならない/世論がなめられている」(http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013061600003.html?ref=comtop_fbox_d2)、asahi.com「原発ゼロ議論の委員会廃止へ 経産省、審議会再編」(http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201306250127.html)、gendai.net「復興予算 デタラメ流用1兆円超」(http://gendai.net/articles/view/syakai/143172)、asahi.com「原発と政治―未来にツケを回すのか」(http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月29日)。
「電力会社は福島を犠牲にして生き残りを図っている」(金子勝さん)。そんなことを許す社会ってなんでしょう。そんなことをやっている自公政権って何? 自公の支持者や自公への投票者の方々に伺いたい。
自公への支持者・投票者の皆さん、「品格」「資質」です。
『●田中優子さん「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われている」』
『●映画『放射線を浴びた『X年後』』:
「こんな巨大な事件が、・・・日本人としての資質が問われる」』
どこに入れるべきか分からない、投票するところがない、メンドクサイ、だから選挙に行かない? 自公に手を貸してはいけません。
『●「真っ当に憲法を考えている政党はどこだ?」
『週刊金曜日』(2013年6月21日、948号)について』
「矢崎泰久さん【発言2013】、「腰を抜かすほど驚いて、
「君の一票の棄権は、バカの一票が倍になることだ・・」
・・民主主義の大敵は投票に行かないことだ・・。
・・とにかく投票に行く。このことによってしか、
悪政は拒否できない・・棄権は危険だ!」」
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2013062102000151.html】
【社説】
自民の原発公約 「変節」は見過ごせない
2013年6月21日
自民党の参院選公約は、原発再稼働に大きく踏み出した。昨年の衆院選で公約した、原子力に依存しない経済・社会の確立も、すっぽり抜け落ち、ほごにされた。変節を見過ごすわけにはいかない。
参院選は七月四日公示、二十一日投票の予定だ。補欠選挙を除くと、昨年十二月の第二次安倍内閣発足後初の国政選挙。約半年間の安倍政権の中間評価が問われる。
有権者は昨年の衆院選で、公約を基に自民党に再び政権を委ねた。この公約は議員任期の四年間有効な有権者と自民党との契約だ。よほどの状況変化が生じたならまだしも、一方的に変えることは許されない。
自民党がきのう発表した参院選公約はどうか。見過ごせない点がいくつかある。まずは原発だ。
公約は再稼働を前提に「地元自治体の理解が得られるよう最大限努力する」と踏み込んだ。安倍内閣の成長戦略「日本再興戦略」に原発再稼働が盛り込まれたため、それに合わせたのだろう。
しかも、衆院選で公約した「原子力に依存しなくてもよい経済・社会構造の確立を目指す」との文言は全く抜け落ちている。
再生可能エネルギー導入に死力を尽くした上での方針転換ならまだしも、舌の根も乾かぬうちに原発依存に転換するのは有権者を裏切る行為だ。二〇〇九年衆院選マニフェスト違反の消費税増税を強行した民主党とどこが違うのか。
「原発事故で死者が出ている状況ではない」として原発再稼働に踏み込んだ高市早苗政調会長に、脱原発を掲げる自民党福島県連が抗議するのも当然である。
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の返還問題も同じ構図だ。
党本部は公約に名護市辺野古への「県内」移設推進を明記したが、基地負担の抜本的軽減を求める地元沖縄県連は「県外」移設を地域公約に盛り込む方針だという。
党本部はなぜ地域の事情や思いを十分くんで公約に反映しようとしないのか。それとも「二枚舌」で構わないと考えているのか。
今年に入り静岡県や名古屋、さいたま両市など主要首長選で自民党推薦候補が相次いで敗れた。安倍内閣の支持率は依然高いが、地域と向き合わない姿勢が、これまで自民党の強みとされていた地方での支持離れにつながっているのではないか。
選挙のときには甘言を弄(ろう)し、政権に就いてしまえば、あとはやりたい放題が続くのなら、有権者の政治不信は高まるばかりである。
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【http://astand.asahi.com/magazine/wrscience/2013061600003.html?ref=comtop_fbox_d2】
2年やそこらで忘れてはならない/世論がなめられている
2013年06月17日
竹内敬二
2年前の3・11直後、福島第一原発の1号機と3号機の建屋が水素爆発を起こした。分厚い鉄筋コンクリート製の壁が粉々に壊れ、高く上空に吹き上がる様を見て、私は二つのことを思った。一つは「建屋の内側にある格納容器は大丈夫だろうか?壊れていれば、どんな大規模汚染が起きるのか想像もできない」ということ。もう一つは、「爆発の映像は日本の原発を終わりに向かわせるだろう」だった。
しかし、参院選を控えた今の日本の状況はどうだろう。「原発を減らす」という明確な目標がないまま、再稼働を急ぐ声ばかりが大きくなっている。子ども被災者らの支援を担当する復興庁の官僚がツイッターで暴言を吐いていたが、暴言の内容よりも、そこから読み取れる「まあ復興もこの程度やっておけばいい」というへらへらした雰囲気が絶望的だ。
今、日本の社会は試され、岐路に立っているのだと思う。3・11後に盛り上がった「原発を減らせ」あるいは「脱原発」の世論がなめられ、無視されるのか、あるいは、世論を政策に反映させるところまで押し込むのか、という岐路である。原発事故を2年やそこらで忘れてはならない。
3・11は日本の原発・エネルギーの問題点をあぶり出した。それは3点に要約できる。
1)原子力への過度の依存。
2)電力制度改革が遅れている(発送電分離など電力の自由化が必要)。
3)自然エネルギーが極端に少ない。
民主党政権は、短い期間だったが、これらの点について、それなりにまじめに議論した。とくに1)については、「将来の原子力発電の依存度をどの程度にするか」という命題をたてて、国民的議論を提起した。意見聴取会や討論型世論調査を行った結果、「2030年にゼロ%」という意見が多かったため、2012年9月14日に出した「革新的エネルギー・環境戦略」で、少し緩和して「2030年代の原発ゼロをめざす」を打ち出すに至った。原発依存を続けていた戦後のエネルギー政策を180度転換する衝撃的な方針転換だった。
しかし、自民党に政権が移った瞬間、この政策は無視される。安倍政権は「原発ゼロに向かう」政策を白紙に戻す、と全面否定し、早期の再稼働をめざしている。
ここまでは、政権交代による方針変更といえるが、驚くのは、このほどまとまった「エネルギー白書2012年度版」に、民主党の「30年代全発ゼロ方針」のことを書いていないことだ(6月14日朝日新聞夕刊)。12年の国民的議論では「原発ゼロをめざす」への支持が最も多かった事実も載せていない。3・11後、日本で盛り上がった「脱原発」の動きをほぼ消し去っている。
いくら民主党時代のことだといっても、「革新的エネルギー・環境戦略」は2012年に政府が出した正式なエネルギー政策である。「なかったこと」にして歴史から消すのは国民をなめている。
では、多くの国民はいま何を思っているのか。3・11の後、いくらか揺れながらも原発への依存を減らしたいという点でははっきりしているのではないか。朝日新聞の世論調査(6月11日朝刊)によれば、「成長戦略に原子力発電の利用」という安倍政権の方針について「反対」が59%だった。(賛成27%、その他・わからない14%)。「停止中の原発の再稼働」についても反対58%、賛成28%だった。
今の政権の特徴は、多くの国民が賛成する「原発を減らす」という改善的政策を提示することなく、「脱原発は不可能だ」というだけで、「原発をどれくらい減らすべきか」という議論を提起しないことだ。時間が過ぎる中で、原発反対の世論もまた多少息切れしつつある。確かに世論を政策にのせる(脱原発を本気で掲げる)大きな政党がいない社会での運動継続は苦しい。継続という点では、我々メディアも得意ではない。
しかしながら、とにかく現状をみれば、まだ「3・11を乗り越えて前に進む」というような段階にはないことは確かだ。事故の後始末はまったく進んでいない。3基の原発の同時炉心溶融という前代未聞の過酷事故が起きたわけだが、まだ、炉心の核燃料がどんな風に溶けて、どんな状態になっているのかさえ分かっていない。たまり続ける汚染水をどうするかに右往左往しているだけだ。
被災者の賠償も遅れている。現場では加害者の東電が被災者に強い態度で交渉に臨み、被災者が低い額で泣き寝入りする構図になっている。とりわけ困っているのが、住宅の再建だ。放射能汚染地域に残してきた家の補償費が安く、新しい家がまったく買えないのである。
最近では、原発に近い病院からの救出が遅れ、死亡した患者4人の遺族が、東電に損害賠償を求める訴訟も起こしている。遺族の一人は「お金の問題ではない。父が死亡した理由を裁判で明らかにし、東電に謝罪して欲しい」と述べている。事故の原因解明も廃炉対策も、被災者への賠償も全く進んでいない。
現在、原発の再稼働がストップしているのは、原子力規制委員会(田中俊一委員長)の厳しい姿勢だ。電力業界や原子力ロビーからの独立性は、以前の保安院や原子力安全委員会とは全く異なり、3・11がかろうじて生み出した「前向きな存在」ともいえる。しかし、時間の経過とともに、原発の再稼働がままならない電力業界や地元自治体はいらいらを増し、過酷事故対策の不十分さをタナにあげ、規制委員会に圧力をかけている。
今回の事故の発生を許し、被害を広げた一因は、長時間の停電や炉心溶融などの「過酷事故」が「日本では起きない」として、その準備をしていないことだった。米国などは近年「B5b」という過酷事故対策を整備したが、日本は米国からその概略を教えてもらいながら、「よく意味がわからない」という情けない理由と、「日本では必要ないだろう」といういつもの無責任な論理で無視してきた。これをやっていれば、少なくとも使用済み燃料プールの冷却切れなどにはきちんと対処できたと言われている。今回の事故の裏には規制当局の大失態があったのである。
新たにできた規制委員会は規制基準を厳しくし、これから原発を一基ずつチェックしていく。地元自治体には過酷事故が起きた場合の地域防災計画の作成を求めている。
この防災計画が問題だ。過酷事故が起きた場合を考えると、机上の計画でさえなかなかできないのである。
・・・・・・・・・。
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【http://www.asahi.com/politics/update/0625/TKY201306250127.html】
2013年6月25日14時40分
原発ゼロ議論の委員会廃止へ 経産省、審議会再編
茂木敏充経済産業相は25日、経産省所管の審議会を再編すると発表した。194ある分科会や小委員会などを105に減らす。総合資源エネルギー調査会の下部組織で、民主党政権下で「原発ゼロ」の是非を議論した基本問題委員会も廃止する。安倍政権が進める原発ゼロ政策の見直しを象徴している。
基本問題委は東京電力福島第一原発事故後、政府のエネルギー基本計画の見直しを議論する新組織として2011年10月に発足し、委員の3分の1を脱原発派が占めた。その後、民主党政権は「2030年代原発ゼロ」を打ち出すが、基本問題委が基本計画をとりまとめる前に政権交代した。
自民党政権は、上位部会の総合資源エネルギー調査会総合部会(基本政策分科会に名称変更)で基本計画を見直すことを決め、それ以降、基本問題委は開かれていなかった。
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【http://gendai.net/articles/view/syakai/143172】
復興予算 デタラメ流用1兆円超
2013年6月29日掲載
これを許していいのか お人好しの国民
<大震災復興のためと称して増税された所得税、住民税が官僚とヤクザに山分けされている>
復興予算の流用がまた発覚した。今度は電力会社の優遇策に消えていた。28日付の朝日新聞がスッパ抜いたもので、原発停止による負担増の穴埋め策として、約100億円の復興予算を「基金」にプール。電力会社が原発の代わりに火力発電所を稼働させる際、基金が新たな借り入れの利子分を肩代わりしていた。
被災者を救うはずの税金を被災地をズタズタにした電力会社のために流用するとは、デタラメの極み。原発事故の避難住民だけじゃなく、全国の納税者もこれを許していたらダメだ。
復興予算の大半は臨時増税で賄われる。今年1月から25年間もの長い間、所得税に税額の2.1%分が上乗せされ、さらに来年6月から10年間は住民税にも年1000円が加えられる。震災復興のためと称して搾取されたカネを、こんな使い方をされたら腹の虫が治まらない。
だいたい、政府は昨年秋に復興予算を「被災地以外では使わない」と決めたばかりだ。自民党も野党時代には、沖縄の国道整備や反捕鯨団体の対策費などへの流用を批判していた。
政権交代後に安倍政権は「5年で19兆円」という復興予算の枠を取り払って24兆円まで拡大。根本復興相は「厳しく精査を行っている」と語ったが、その後も新たな流用はゾロゾロ。復興予算のうち実に1兆1570億円が天下り法人や自治体が管理する「基金」に配られ、被災地以外で野放図に使われていた。
「特にヒドイのが、被災地以外の38都道府県の基金に渡った
『震災等緊急雇用対応事業』です。被災地向けの『緊急雇用』のはずが、
雇われた被災者は全体の3%。仕事の中身もゆるキャラやご当地アイドルの
PR活動に、ウミガメを数える監視など、復興と無縁のものばかり。
こんなインチキ事業に約1085億円の復興予算が使われたのです」
(野党関係者)
安倍政権はこの問題で5月に参院決算委から警告決議を突きつけられた。慌てて基金を運営する自治体や公益法人に、予算の執行停止と国庫への返還を指示したが、すでに手遅れ。大半はすっかり使い切られ、わずかに残った金も「業者と契約済み」などと返還を渋られた。
結局、戻ったのは1000億円ちょっとで、1兆円を超える復興予算がウヤムヤに消えてしまった。
「なぜ流用がまかり通るのか。実態を明るみに出し、原因を徹底究明するのが
納税者への務めです。なのに安倍政権は今も流用実態にフタをし、
ロクに調査も指示していません。これでは流用を後押しするようなもの。
ただでさえ、基金に税金をプールされると、毎年の決算を免れ、
チェックが届きにくい。今後もひそかに流用される恐れは強いのです。
ここまでチェックが甘いと、目ざとい連中がかぎつけ、基金に巣くいかねません。
過去にも暴力団が基金を資金源として悪用した事件は多数あります」
(流用問題を追及するジャーナリストの福場ひとみ氏)
被災地のための血税を官僚とヤクザが山分けなんて冗談じゃない。安倍は福島で参院選の第一声に臨む意向だが、「どのツラ下げて」と思えてくる。
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【http://www.asahi.com/paper/editorial.html?ref=com_top_pickup、6月29日】
2013年6月29日(土)付
原発と政治―未来にツケを回すのか
あの日。地震と津波の脅威にがく然としていた私たちに追いうちをかけたのが、「福島第一原発で全電源を喪失」「原子炉の冷却不能」というニュースだった。
爆発で原子炉建屋が吹き飛ばされる映像を目にして、背筋が凍った。
そのことを、よもや忘れたわけではあるまい。
安倍政権の原発政策である。
自民党は参院選の公約で、原発の再稼働について地元の理解を得ることが「国の責任」と明記した。
「安全性が確認された原発は動かす」が、安倍政権の基本方針だ。首相は国会閉会後の記者会見で「原子力規制委員会の基準を満たさない限り再稼働しない」と言い回しを変えたが、規制委さえクリアすれば、原発というシステムには問題ないという認識のようだ。
折しも7月8日に、新しい規制基準が施行され、既存の原発が新基準に適合しているかどうかの審査が始まる。
確かに、新基準はさまざまな点で改善はされている。
旧来は規制当局が電力会社に取り込まれ、電力側が基準づくりや審査を都合よく誘導していた面があった。
新基準は、活断層を厳しく吟味するほか、地震・津波対策やケーブルの不燃化、電源・冷却手段の多重化、中央制御室のバックアップ施設などを求める。
今後も新たな基準を設けた場合、既存原発に例外なく適用することになったのは前進だ。過酷事故が起きることを前提に対策を求めた点も評価する。
しかし、新しい基準への適合は「安全宣言」ではない。規制委が、「安全基準」から「規制基準」へ名称を変えたのも、そのためだ。安倍政権はそこから目をそらしている。
なにより、福島の事故があぶり出したのは、安全対策の不備だけではない。
たとえば、原発から出る危険なゴミの問題である。
使用済み核燃料や廃炉で生じる高レベルの放射性廃棄物をどこにどうやって処分するか、まったく手つかずのままだ。当座の保管場所さえ確保できていないのが現状である。
安倍政権は発足当初から、使用済み核燃料を再処理して利用する核燃料サイクル事業の継続を表明した。6月の日仏首脳会談でも、両国が協力して推進していく姿勢を強調した。
しかし、計画の主役だった高速増殖炉は失敗続きで見通しがつかない。使用済み燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜたMOX燃料を商業炉で使うプルサーマル発電に頼るしかないが、これまでに取り出したプルトニウムを消化しきるのも難しい。
ましてや、青森県六ケ所村の再処理工場を動かせば、プルトニウムをさらに増やすことになり、核不拡散を定めた国際公約に違反する。
こうした負の側面に目をつぶり、課題を先送りするような原発回帰は「政治の無責任」としかいいようがない。
原発というシステム全体の見直しを怠るなかでの再稼働は、矛盾を拡大させるだけだ。
規制委の審査も、リスクの高い原発をふるい落とす仕分け作業と位置づけるべきである。「NO」とされた原発は、政府がすみやかに廃炉措置へと導く手立てを講ずる。
基準への適応が認められた原発も、再稼働するには「本当に必要か」という需給と経済面からの検討が欠かせない。
事故当時に比べると、節電意識や省エネ投資が進み、少なくとも需給面では乗り切れる情勢になった。
あとは、原発が動かないことによる電気料金の値上げがどの程度、生活や経済活動の重荷になっているかという問題だ。
負担感は人や立場によって異なるだろう。議論には根拠のあるデータが欠かせない。
民主党政権時代に試行したコスト等検証委員会や需給検証委員会のような枠組みをつくり、国民に公開された場で合意を形成しなければならない。
その際、火力発電の燃料代の増加といった目先の負担や損失だけでなく、放射性廃棄物の処理費用や事故が起きた場合の賠償など中長期に生じうるコストも総合して考える必要がある。 未来世代に確実にツケが回る問題に手を打つことこそ、政治の仕事である。
原発と政治―「地元」をとらえ直そう
原発が事故を起こせば、極めて広範囲に打撃を与える。
この最低限の教訓さえ、まだきちんと生かされていない。
国は福島の事故後、防災対策を準備する「重点区域」を、原発の8~10キロ圏から30キロ圏に広げた。対象の自治体は45市町村から135市町村に増えた。
原発を再稼働するなら、これら「地元自治体」から同意を得るのが不可欠だろう。
実際、関係する自治体は電力会社に、再稼働時は同意を条件とする立地自治体並みの協定を結ぶよう求め始めている。
だが、交渉は難航している。関西電力が早期の再稼働をめざす福井県の高浜原発では、30キロ圏内に入る京都府や滋賀県の自治体が関電と交渉中だが、関電は認めようとしない。
立地自治体の側にも、被害地域を広く想定する国の方針に反発する動きがある。
福井県は全国最多の14基の原発が集中立地し、大きな災害が起きれば原発が相次いで事故を起こす心配がある。
ところが、県は「国の避難基準があいまい」などとして、隣接する他府県の自治体との交渉を後回しにし、避難先を県内に限る計画をつくった。
その結果、美浜原発の過酷事故を想定した6月の避難訓練では、美浜町民は原発から遠ざかる滋賀県ではなく、県の計画に従い、大飯原発のある県内のおおい町へ逃げた。これが、住民の安全を第一に考えた対応だと言えるだろうか。
背景には、原発事業者と立地自治体との特別な関係がある。事業者は自治体に寄付金や雇用の場を提供し、自治体は危険な原発を受け入れる。
「地元」が広がれば、事業者にとっては再稼働のハードルが上がり、立地自治体もこれまで通りの見返りが得られる保証はない。事故の現実を目の当たりにしてもなお、双方に、そんな思惑が見え隠れする。
こんないびつな関係を続けることは、もう許されない。
事業者は30キロ圏内の自治体と協定を結び、監視の目を二重三重にする。自治体は広域で協力し、発言力を強める。そして万一の際の避難計画をつくる。
もたれあいでなく、住民の安全を第一に、緊張感のある関係を築かねばならない。
しかも、これからは新しい規制基準のもと、再稼働できない原発も出てくる。
国策に協力してきた自治体にとっては厳しい事態ではある。原発への依存から方向転換するのは容易ではない。
ただ、福井県も「エネルギー供給源の多角化」を掲げ、液化天然ガス(LNG)の受け入れ基地の誘致に動き出すなど、脱原発依存に向けた試みが垣間見える。
安倍政権は、再稼働への理解に努力するのではなく、新たな自立への支援にこそ、力を入れていくべきだ。
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東京新聞の記事(http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062802000112.html)。
たかがハタやウタを有難がる「ト」教委。「「国旗国歌をめぐる『自治体で強制の動きがある』という記述が、都教委の考え方と異なる」と問題視」って、強制しておいて、その記述を問題視するとは呆れる。
『●『創(2009年8月号)』読了(2/2)』
「教育者としての成果というモノサシで考えれば、
これはどこからどう見ても都教委の完敗だろう」
『●『石原慎太郎よ、退場せよ!』読了(2/3)』
『●日弁連声明: 都教委を擁護する東京高裁』
「一審の東京地方裁判所は、「起立したくない教職員、
斉唱したくない教職員、ピアノ伴奏したくない教職員に対し、
懲戒処分をしてまで起立させ、斉唱等させることは、いわば、
少数者の思想良心の自由を侵害し、行き過ぎた措置である
と思料する」として、国歌斉唱などの義務がないことなどを認め、
憲法上の思想・良心の自由を尊重する判断を示していた」
『●ト知事たちのハタとウタ』
『●日の丸訴訟、君が代判決』
『●「東京都立三鷹高校元校長」対「東京都教委」』
『●教育壊革!? ~忠魂碑と教育塔~』
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013062802000112.html】
「二重検定おかしい」都立高教師ら反発 実教出版日本史
2013年6月28日 朝刊
東京都教育委員会が、実教出版の高校日本史教科書について「都教委の考え方と異なる」と指摘し、都立校で使用すべきではないとの見解を示した問題。国の検定を通った特定教科書を名指しで排除する異例の手法に、教育現場などから怒りや反発の声が上がった。(中山高志)
都教委が二十七日の定例会で議決した見解は、今年の教科書採択の対象となる実教出版の教科書「高校日本史A」「高校日本史B」について「国旗国歌をめぐる『自治体で強制の動きがある』という記述が、都教委の考え方と異なる」と問題視。「都立高校などで使用することは適切でない」と結論づけた。
「現場の教師が生徒の実情に合わせ教科書を選ぶ慣行が、都教委により踏みにじられた。納得できない」。都立高校で日本史を教える男性教諭(57)は同日午後、都教委の方針に声を震わせた。
勤務校は二年生で日本史Aを教えており、ことしの採択では実教版も選択肢に含まれる。校内ではすでに、都教委の意向を先取りするように、実教版に難色を示す声が出ているといい「さらにこんな見解が出れば、実教版を選ぶのは至難の業」と嘆息する。
「『この教科書は使うな』というやり方が横行すれば、やがては『この教科書しか使うな』という国定教科書のような制度にもなりかねない」。男性教諭は強く危惧する。
同様に都立高校で日本史を教える鈴木敏夫さん(64)も「国が検定を通し事実と認めた記述を都教委が否定し、その教科書を使わせないのは『二重検定』に当たる」と批判する。
実教出版の編集責任者は「事実であれば大変残念」と言うにとどめたが、出版労連教科書対策部の吉田典裕部長(54)は「憲法が保障する出版の自由の侵害」と強く反発する。
一方、都教委高校教育指導課の江本敏男課長は「各校で教科書選定作業を適切にやってもらうことが狙い。採択権を持つ都教委が、採択の具体的な考え方を示すことはあり得る」と説明している。
教科書は、使用する前年にそれぞれの高校が選び、その報告を基に教委が採択する。教委は通常、高校については学校の選択を尊重して追認している。
都教委が「不適切」とした二つの教科書のうち「日本史A」は昨年も採択対象だった。都教委は都立二百三十三校のうち、採択に当たる十七校に「実教版は都教委の考え方とは相いれない」などと非公式に連絡し、結果として全校が実教版以外を選択した。もう一冊の「日本史B」も対象に含まれる今年は、都教委が昨年より露骨に踏み込んで公の見解を出した形で、採択にかかわる都立校は延べ百九十四校に上る。
◆教委の職権乱用
高嶋伸欣琉球大名誉教授(社会科教育)の話 教科書検定を通った記述が、自らを批判する内容になっているからといって、選定をやめるよう通知するのは教育委員会の権限を越えている。見解の相違があるなら、選定した高校に対し誤解のない指導をするよう伝えればよく、職権乱用だ。昨年は高校に電話で懸念を伝えたが、メンツのために正式な通知にしたのではないか。高校の教科書は無償ではなく、家庭が負担するので、不適切な採択方法に異議を申し立てる保護者もいるかもしれない。
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『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号)について、最近のつぶやきから、AS@ActSludge。
今週のブログ主のお薦めは、その表紙。自民党の公約批判を込めて、「日本を耕す!!」どころか 「日本を壊す!? 自民党」、「ウソつかない。TPP断固反対。ブレない。」なんて嘘っぱち、「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる。」。
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■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 「日本を壊す!? 自民党」「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる。」。野中大樹氏【東京都議選にも「一票の格差」問題 共産党躍進で自共対決「に」】。原発推進派・壊憲派にぜったに勝たせてはイケナイ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/7ca1886d9988a22cccc4306912b4cac7)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 取材班【原発の新規制基準を正式決定 再稼働の動き、一気に加速へ】。野中大樹氏【山東議員が被災地への暴言 「補償金に群がる動き」】、金に群がる議員が自身への本音(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c0f59a937aa94ae80106894d447c6092)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 三宅勝久さん【「原発フィクサー」訴訟 白川氏尋問は8月に】、原発スラップ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/55006ca6377f7a331039d399f8a52a26、http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6dfd5bf72cc5819e350d48637fc0efbb)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 高田健氏【今国会での憲法審査会をふりかえって 96条先行改憲でつまずいた安倍政権】。「自らの鎖を解放ち、その鎖を国民に巻こうとしている」壊憲派議員を絶対に勝たせてはイケナイ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6da14b7714aee0afc190c32ad59e61fb)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 藍原寛子氏【中央は再稼働 地方は全廃炉 これで二度目 有権者を愚弄する二枚舌の原発政策】、「広がる困惑と批判」「苦肉の策」「TPP反対だが・・・」「政党選挙の体をなさず」。本当に恥ずかしい行為(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/816acd8402d4a2f75d12e2375e2d8115)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 屋良朝博氏【国策に保守が反旗をひるがえした 「基地県内移設」を拒む自民党沖縄県連】。「屈辱の日」を祝うような自公政権を支持・投票してはイケナイ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/63cab80d06fcfa7b7021bad9aeb5b71f)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 横田一さん【山形の乱でついに伝統的支持団体までが離反 自民党のTPP交渉参加に「裏切られた」と各地で怒りの嵐】。今週号の表紙の通り「ウソはつく。TPP交渉参加。ブレる」(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/8129b48c30ee0d0c533c9d72b88ce5c0)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 清水直子氏【仲野麻美さん(弁護士)に聞く参院選、雇用政策の争点 安倍政権下で過酷な労働市場が生まれる】。消費税増税でトドメ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/d435ba4950c1d381994c047fc001d0d9)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 明石昇二郎さん【空振りに終わった日本原電「活断層否定」記者会見 「敦賀」現地調査たった1日のお粗末】、「地質学者・・「第三者」だというベリーマン氏は・・日本原電を露骨に弁護」。なりふり構わず再稼働に向けて(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/081f66c7be5322be2c851d59b4808c47)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 敷村良子氏【東電柏崎刈羽原発の「安全対策見学会」に参加して 大がかりでも場当たり的な工事に疑問】。東京電力に再稼働なんてさせてはならんでしょ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/3f1ee8c3870fbcc7e1a2a59819536f3c)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 尾崎孝史氏【6・23慰霊の日 〝内閣総動員〟で臨む安倍首相に怒りの声】。「屈辱の日」やオスプレイ・・、本土が選ぶこんな自公政権を沖縄の人々が許せるはずない(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/91564c0914b5d03d61ab2df59bdd0412)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 高里鈴代【橋下徹氏はどこに向かって謝罪するのか】。どうも支持者や投票者、同僚議員、元東京「ト」知事に向かって謝罪しているようです(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/c9f38caddd98084b42de0513c704945a)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 【新・私と憲法シリーズ 千葉麗子 「表現の自由」の危機と憲法21条の大切さを伝える】、「まだ、闘いは始まったばかり。参院選の結果にかかわらず、そこで終わりじゃない」。でも何とか壊憲派・原発推進派を一人でも落選させたい(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/816acd8402d4a2f75d12e2375e2d8115)
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 山口正紀さん【〈安倍壊憲〉にもっと警鐘を 九六条と参院選】。壊憲派議員を当選させていはイケナイ(http://blog.goo.ne.jp/activated-sludge/e/6ec308d3b0b6b50bbc2e78123aeda7d0)。岩本太郎氏【「左翼のクソども」批判の火付け役は「アワプラ」!】
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 裏面広告、貧困なる精神25集『石原慎太郎の『狂った果実』 衰退するジャーナリズム』 本多勝一さん。「約50年にわたり批判してきた石原慎太郎氏を、あらためて断罪。同じ「日本維新の会」共同代表・橋下徹大阪市長を批判した最新論考も収録・・」
■『週刊金曜日』(2013年6月28日、949号) / 「・・また、体制・権力のチェック機能を失い、政権党広報になり下がっている新聞の体質を批判しつつ、あるべきジャーナリズムを模索する。闘うジャーナリストはいまだ健在!」
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