駒師「日向」のブログ 本店

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将棋駒作家のつぶやき

角落ち上手戦記 対居飛車穴熊    ~その4~

2019年07月05日 | 対局日誌
●第7図までの指し手
▲7九角
△6四金
▲6五歩
△同 金
▲6六歩
△6四金
▲2九飛
△3五歩
▲2六飛
△3六歩
▲同 飛
△3五歩
▲2六飛
△3四金


申し訳ありませんが、下手の実力ではこの局面を打開できる有効手は指せないと上手は見ています。実際、下手の指し手は価値の低い手が連続しており、息苦しさが伝わってきます。
上手はプレッシャーをかけ続け、下手の暴発を誘います。
性格が悪いなぁ、と思われるかも知れませんが、勝負事にはこういう要素が必ずあり、そこにプロとアマの違いはありません。プロ棋士は立場上そういう事をはっきり言いませんが。。。
さて、ここで形勢判断してみましょう。
駒の損得は全く変化ありません。玉の堅さは大差で下手に軍配が上がります。手番も下手が握っています。持ち歩もそれぞれ2枚ずつですので、下手まだまだ有利ですが、、、

●第8図までの指し手
▲4六歩
△同 歩
▲4五歩
△同 桂
▲同 桂
△4七歩成
▲3三歩
△4三玉


5段目の歩を位(くらい)と言いますが、上手はそれが4つもあります。特に3と4筋の位は後ろの金銀がしっかり支えていて、巨大な厚みとなっています。金銀が前に出ていない下手は、その巨大な厚みにぶつかるしか局面を打開する方法がありません。
▲4六歩から厚みの解消を試みましたが、上手は桂馬1枚を犠牲にして、と金を作りました。
このと金は、元は△4五の歩です。2歩前進しただけでと金に昇格、位の威力が遺憾なく発揮されています。
▲3三歩の王手に気持ちよくかわして、大好きな三段玉が実現しました。
コメント
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