細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

走る人たち

2012-01-02 09:02:55 | 人生論

2012年が始まりました。激動の時代はすでに始まっていますが、今年もいろんな変化があることでしょう。

我が国が進むべき方向性は、今の私が正月気分で整理すると、

・グローバリズムからの脱却。グローバリゼーションは仕方ないが、国家の上に世界市場が君臨するようなグローバリズムからは脱却すべし。よって、TPPは断固反対。TPP交渉から脱却することが、今年の日本の、この国の命運を左右する大きな選択となるでしょう。グローバル経済に牛耳られない、ローカルで自立した経済システムの重層的な構築も可能であることを、昨夜のNHKスペシャルで学んだ。まずは、根幹であるエネルギーの自立で、それを実現しているオーストリアの小さな町、実現に向けて歩み始めた高知の事例は、非常に興味深かった。目の前の森林が、グローバリズムからの脱却のキーになるのである。我が国の広大な森林を見よ。

・災害への対応と、強靭な国土の形成。さらには、道州制への足がかり作り。首都圏直下、東海・東南海・南海の連動巨大地震、その他の地域も無縁では決してありません。富士山の噴火もありえます。首都圏直下が起こると、山手線の盛土が崩壊してあちこちで山手線脱線、正面衝突、というようなことが現実に起こり得ることを国民は知っているでしょうか。藤井先生も言われるように、次世代の国土のために、適切なインフラ投資をしていきましょう。そのときに、品質の高いものを造るシステムも崩壊していますので、山口県のシステムの展開で、我々が貢献いたしましょう。

・人任せ、からの脱却。平和ボケで、マスコミのように人の批判をしていれば済む時代ではありません。国、自治体のやるべきこともありますが、それぞれの国民が本分を発揮せねばなりません。そのための教育、社会制度、法体系などの再整備が必要。人の批判をしている暇があったら、自己研鑽、世のため人のため、で参りましょう。私はまずは教育で全力を尽くします。若者たちは、今のシステムに辟易しているだけで、すでに気づいているつわものがごろごろいますよ。若者を侮るなかれ。

・デフレからの脱却。この国の国民は、本当に「空気に流されやすい」国民である。第二次大戦に突入していったときの様相と酷似。消費税増税に何となく賛成(財政危機が逼迫しているから)、原発反対(危ないし、無くてもエネルギーは足りそうだから)、TPP賛成(製造業が日本の根幹で、輸出が増えるという噂だから)、・・・などなど枚挙に暇がありません。マスコミが主たる情報源だから、それ以上、考えようとしない。真のこの国の病が何で(原因分析)、どう治療すればよいのか(的確な分析に基づく対策)を考えて実行しない。その結果がこの20年の浪費であることにまだ気付いていない。明確な戦略なしの、単なる「改革」「無駄の削減」が我が国を20年近くに渡って破壊してきたことを、まだ多くの国民が自覚できていない。日経新聞を読んでいても、話になりません。まず各論から始める、という姿勢でいる限り、いくら論じても喧嘩になるだけ。当たり前でしょう。

デフレからの脱却がどれほど重要であり、それと現時点での消費税増税の関連、規制緩和のもたらす影響、TPP参加の我が国への破滅的影響、などを関連付けて理解しないと、建設的な議論はできません。ちょっと勉強すれば分かることです。

・物の豊かさへの価値観から、知識・心・楽しみ・知価の豊かさへの完全な移行。多様な価値観を認め、武士道精神を思い出し、福沢諭吉のいう「独立」を真に達成し、我が国が本来持っている自然の美しさ、先祖が営々と築いてくれてきた結果の豊かな国土を享受しながら、真の意味で豊かな生活へと移行し、国際貢献する。我が国が求められているのは、技術だけでなく、我々の考え方です。なぜ日本人は資源も金もない状態からあれほど短期間に発展できたのか。今は少しだらしなくなったけれど、それでもどうしてこれほど規律正しいのか。武士道精神がなぜ起こり、今でもわずかに息づいているのか。グローバリズムに辟易した世界中の良心ある人々が、日本に期待しています。

適当に思うまま、書き連ねましたが、その中で私のやるべきことも、自分では明確に自覚しています。

「走る人たち」は、すでに全力で走り始めています。Facebookもとても役立ちそう。旧友を見つけたり、浮気に使ったり、そういう次元もあるのかもしれないけれど、全力で走る人たちの、特に元々知り合いでなかった人たちの、連携と情報交換の大いなる可能性を感じられるツールです。マスコミなどに頼らずとも、先端の人たちはどんどんとクリエイティブに情報交換して勉強し、力を付けていく。真の力を付けた先頭集団たちが、国を適切な方向にリードすればよい。

適切な方向というものは、一つではないのかもしれないが、徹底して議論を重ねるべきで、議論の過程で皆が一つのベクトルを共有できるようになればよいであろう。

今日も、家族との時間を大切にしつつ、論文執筆作業を頑張ります!