細田暁の日々の思い

土木工学の研究者・大学教員のブログです。

てこの原理

2012-01-29 19:59:07 | 人生論

26日、27日と非常に濃厚な二日間を過ごしました。

26日は群馬県。朝から、群馬県の構造物の表層品質の調査を行い、午後は200名を超える聴衆を相手に講習会。群馬会の幹事団の方々、特に半井先生の周到な準備のおかげで、大変充実した講演会+パネルディスカッションができました。山口県の取組みに多大な興味を持っていただけたようで、夜の幹事団と講師陣との懇親会も大変に楽しく、有意義でした。

もちろん、二日酔いで東京へ戻りました。今度は学士会館で、学術振興会の76委員会で講演。初期ひび割れ問題について、基調講演が田村先生と、広大の佐藤先生と、私の3人。その後のパネルディスカッションは、建設界の大物たちがパネラーで、おそらくみなさん50代以上ですが、私だけ30代。非常に楽しいディスカッションでした。

温度ひび割れなども含む、初期ひび割れの問題は、技術的にも簡単ではないですが、不具合が生じたときに、誰の責任なのかが明確になりにくく、それが問題の根本です。というわけで、建設マネジメントそのものであり、技術的にもまだまだ研究することだらけです。また、研究室での研究だけでは絶対に解決しない。行政そのもので実験してしまうくらい、パワーがないと解決に向って前進できない。

パネルディスカッションでも、佐藤先生が、「細田先生、岸先生、山口の皆さんらが、風穴を開けそうな期待を感じる」ですとか、司会の岸先生も、「・・・、進めて行くにはエネルギーが必要ですが、細田先生のパワーは貴重なので、・・・・」だとか、閉会の挨拶でも宇治先生が「細田さんはバイタリティがトレードマークですので、・・・・、みんなでサポートしていきたいと感じました。」だとか、何だか私の突破力で行けるところまで行ってみよう、というような雰囲気になってしまい、本人は苦笑いしておりました。

まあ、やるべきことを積み重ねてきて、このような状況になってきておりますので、とにかく健康に気をつけて、皆さんそれぞれが主役ですので、みんなが楽しくできるように、私は動き回りたいと思います。

パネルディスカッション後の学士会館での懇親会で、ある技術者の方が、私のやり方を「てこの原理を使っておられる」と言われました。本質的なところをつついて、一気に物事を動かそうとしている、という意味です。なるほど、と思いましたし、私の行動原理そのものです。

とにかく「研究」だ、と今は思っておりまして、表面吸水試験による評価方法についての論文を、林さんが筆頭で鋭意執筆中。かなり形になってきました。もうすぐ土木学会論文集に投稿です。その次の論文は、すでに講演では速報を紹介している、耐久設計指針(案)の評価も盛り込んだ、山口県のひび割れ抑制システムの分析結果です。これは、田村先生、二宮さんと連名で出しますので、私の中でもとても大切な論文になると思っています。

さあ、いよいよ2月です。1月よりもさらにハードな日々となります。もう徹底して楽しんでやろうと思っています。