EQ6pro
2013年購入当時は新品で19万円前後と比較的安価、搭載できる重量が15kg(実際はもっと乗っけている)、頑丈で故障しない。
世界で広く使われている赤道儀ですが、じゃじゃ馬です。
特にDECのバックラッシュの調整が難しく、これに辟易して手放したという話をよく耳にします。
ベルトドライブ化されたEQ6Rは搭載重量が20kgになり、バックラッシュも小さいと評判です。
何度か分解整備してみて、思いました。
ベルトドライブ化できるんでね?
最初に考えたのが、歯車に直接タイミングベルトをかけること。
でも、どのサイズのタイミングベルトもあいませんでした。
左から3GT、2.5GT、2GT
タイミングプーリーと歯車は根本的に規格が異なるということでしょう。
で、次に考えたのが、歯車をタイミングプーリーに交換してみること。
でも、困ったことに、ウォームシャフトの歯車の歯数が47なんです。
モーターの歯車の歯数は12なので、これは同じ歯数のタイミングプーリーがあります。
48歯のタイミングプーリーはありますが、47歯のタイミングプーリーは、普通は存在しないです。
なぜこんな変な数にしたのか。。。
48歯にするということは、純正のコントローラーSynscanが使えなくなるということです。
じゃあ、もはやOnstepでコントロールしようか、というわけで、友人の力を借りてやってみました。
これで最低限の条件は揃った。
でも、今まで通りEQ directケーブルを使って、EQMODでコントロールできないか。
EQMODを色々みてみると、EQMODフォルダの中のSetup EQASCOMを開くと、こんな画面が開く。
Mount Optionsのプルタブをクリックすると、Custumという項目があり、それを選択して、プルタブ右の工具ボタンを押すと、、、
な、なんと、EQ6proで48:12=4:1の設定があるではないか。
というわけで、今まで通り、EQ directケーブル経由でStella shot2でコントロールできることがわかりました。
あとは歯数12と48のタイミングプーリーと、2GTのタイミングベルトを入手する。
タイミングベルトの長さがわからん。
適当にいろんな長さのものを発注しました。
モノタロウやアマゾンでも探しましたが、なかなかちょうどいいものが見つからない。
中国のアマゾン、AliExpressをのぞいてみると、簡単に見つかりました。
しかも、安い!
今回、12歯のタイミングプーリー5つ、48歯のタイミングプーリー5つ、2GT 幅4mm 長さ164mmのタイミングベルトを10本、購入して送料込みで¥5,000弱でした。
タイミングベルトは結果的に158mmから162mmの長さのものが良いことがわかりました。
DEC軸では、158mmではギリギリでした。これ以上短いとハマりません。
RA軸は162mmがギリギリ。これ以上長くすると調整できません。
モーター用の歯数12の2GTプーリーのボアは5mmです。
ウォームシャフトに取り付ける歯数48の2GTプーリーのボアは12mmです。
2GTのタイミングベルトは、160mmか162mmあたりがいいと思います。
ウォームシャフトの47歯の歯車を収める空間が、48歯のタイミングプーリーを収めるには狭いです。
なので、プーリーの外側を切り落としました。
幅6mmのベルトをかけたところ。
幅6mmだとはみ出て、筐体と干渉するので、幅4mmのものを買い直しました。
筐体と干渉するので、内側も少し削りました。
そしたら、こんな風におさまりました。
なお、注意点として、プーリーとベアリングが直接、接しないようにプーリーをシャフトに取り付けてください。
場合によっては、プーリーの切断面をさらに削って薄くする必要があります。
プーリーがベアリングに直接接すると、その摩擦で特にRAの恒星時追尾がおかしくなります。
モーターが入っている筐体への通用口も狭かったので、金属やすりで削って歯車の通路を広くしました。
→
ベルトをモーターに取り付けた12歯のタイミングプーリーに引っ掛けるのがなかなか苦労です。
このように、釣り糸で引っ張って、極軸望遠鏡の穴から覗きながら、プーリーにベルトをかけました。
ベルトがピンピンに張るようにモーターのネジを固定したら、釣り糸の輪っかを切って、引き抜きました。
ここまで、すんなり行ったわけではありません。
最大の難関は、ウォームシャフトを外すことでした。
ウォームシャフトのベアリングを固定している輪っか状の内ネジが外れなかった。
どうも緩みどめが塗布されていたようで、カニメレンチでびくともしませんでした。
しまいにはカニメレンチでネジが舐めてしまいました。
途方に暮れて友人に相談すると、「茹でろ」と。
なんの冗談かと思いましたが、その通りにする私。
外れました。
緩みどめの説明書を読むと、外す時は100℃で熱しろと書いてある。。。
内ネジが舐めてしまったので、ヤスリで削って、形成する必要がありました。
ところで、このネジの名称を存じません。
どなたか、ご存知の方がいらっしゃいましたら、コメントででも教えていただけると嬉しいです。
結果はどうだったか。
PHD2のキャリブレーション。
美しすぎませんか?
僕のEQ6proで、こんなに綺麗なキャリブレーションのグラフをかつてみたことがないです。
PHD2のオートガイドのグラフ。
グラフがキザギザだって?!
グラフ左端のRMS errorの値を見てください。
赤経 0.18px (0.36")、赤緯 0.12px (0.23") !!!!!!
グラフの縦軸も見てください。
縦軸、なんと0.5px (1")なんです!!!!
ターゲットでも、ガイド星の動きが中心に集約されていることがわかると思います。
こんなオートガイド、僕のEQ6proで可能だったんだ?!!
Oh ! My god !!! な結果でした。
ただ、これで全て万歳かというとそうでもなく、バックラッシュが確認されました。
なので、もう少し、僕の戦いは続きます。
いや~遂にEQ6PROもベルトドライブ化ですか。。(^0^8
先日分解清掃していたので、再びのリニューアルと言った処。
このプーリーを誂える工作は切り落とすだけでも大変な
作業だったと思います。(^0^;
タイミングベルトも規制のはそんなに種類は無く、良く探して来ましたネ。
。。それと、このリング状のナット(以前、そう呼んでいた)は
(^0^)のEQ6PROでも一度緩んでしまい、カニ目レンチで
締め付け出来なくなり、修理に出しました。
ネジロックの効果は加熱で無くなるのですが、部品を外すのが
めんどい時はブタンガス(家庭用カセットボンベ)を使った
バーナーが市販で存在し、何かと便利でして、(^0^)
もHSで求めて使っております。
何はともあれ、勇気を持って改造した事は尊敬に値します。(_ _;
実は、ここにまだ書いてないところで色々苦労してます。
48歯のプーリーの端っこを金鋸で切り落とすの、15分あればお釣りが来ます。
それを二つなので、30分弱。
楽ではないですが、やれないほどではないです。
タイミングベルトについては、幸い、いい長さが揃ってました。
モノタロウや、中国のAmazon、AliExpressで探せば見つかります。
リング状のナットでも通じそうですが、ナットよりもスクリューの一種かと思います。
なので、次のバックラッシュの記事では、仮に「リングスクリュー」と呼んでみました。
今のところ、その名称でネットで同じものを見つけられていません。
バーナーで加熱するのも手かと思います。
ただ、バーナーによる加熱は、恐ろしく暑くなるので、ちと心配。
あとは、リングスクリューが押しつけているベアリングに使用しているグリースによっては焼き付くかもしれません。
腕の見せどころといったところでしょうか。
ベルトドライブ化してからまだ実践投入に至っていません。
自宅での動作チェックだけでなく、冬の寒空でもしっかり動作するか、気になるところです。