![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/09/41/cf4eab8edeeee27f40e7ce3bf3cac36d.jpg)
こんばんわ。
アップルビデオ高津店 メカニック担当ブルームです。
前回に続き、スポーツスター進角調整の話。
進角ってのを調整すれば、低速時の乗り心地を改善できるかも?
ってことで、いじってみようと思います。
私の愛車スポーツスターのほかハーレーダビッドソン、
より原語に近い発音(笑)で“ハーリィ・デイヴィッスン”の車両には
エンジン右側にタイマーカバーという名のフタがあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5f/c1/efd720b4fcdaf5614b39a7535e327644.jpg)
(他所さんの写真で申し訳ない)
基本的に触る必要のない部分なのでリベット留め。
まずはこのリベットをドリルで破壊して開けます。
その中にはもう1枚ネジ止めのフタが入っています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/62/fb9c5f47e9cb9e5b4b140fe59e4fd95d.jpg)
この中蓋のリベット穴にネジを切っておくと、以降の調整が楽になります。
これはセンサーまわりにカスタム履歴のある車体かどうかの
識別ポイントでもあります。(トップ画像は加工後のネジ)
中蓋の代わりに外蓋で閉じちゃう人もいるようです。
外蓋の図案が90度傾きますが。
現行車種ではただの飾りで中は空洞ですが
当時の車両ではこの中にセンサーが入っておりまして
こういう位置調整の可能な幅広の穴をネジで固定してあります。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/18/81/fbfbc3265a4b7da1df57d44f80f85705.jpg)
12時と6時の角度にあるのがネジと幅広穴。
黒いやつ(センサーユニット)が土台の円盤ごと回せるので
幅広穴の角度分、調整できるのです。
さらにこの奥に、切り欠きのあるカップ状のパーツが回っており
センサーの内側の突起の間を通過することで
回転速度やクランク・ピストンの位置を読み取る仕組み。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/78/c9/24c8f290ac960f271cffd5ee1368fd3b.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/f9/e303a7d6db23c1bd80a2e39c4ec48f2a.jpg)
カップの切れ目を電磁石的なモノ?で感知していると思われます。
こんなんで読み取り精度とか大丈夫なのか?
と不安になるような構造ですが、
あとからセンサーの取り付け角度を調整できるので問題ないのでしょう。
で、アイドリング状態でセンサーを固定しているネジを少し緩め
反時計回りにズラすと進角が小さくなります。
(遅角させる、とも言います)
排気音や振動が変化していくのが分かります。
あれ?クランクって右から見て時計回りだから
センサーを反時計回りに動かすと
元の位置よりも早い位置で切り欠きを感知することになり
さらに進角する(タイミング早くなる)んじゃないの?
って思いますが、実はカップは反時計回り。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/19/ff/d741e6845e193d2d9a67235f029d871a.jpg)
カップはクランクの軸ではなく
リア吸気のカムギア(左から2番めの大きいギア)についています。
中心の「C」型のでっぱりのミゾ部分でカップの角度を固定しています。
さらに内側のカムはこうなってて、クランク2回転で各カムきっちり1回転。
(その辺は前回の4サイクルエンジンの説明参照ね)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6b/3e/98ac03236d75321ad68f9636af94e365.jpg)
シリンダー横のプッシュロッドを介してシリンダーヘッドのバルブを押し開ける仕組みです。
前回の説明図(下の図)は一般的なOHCエンジンなのでシリンダーヘッドにカムが付いてますが
ハーレーは未だに旧式のOHVエンジンなので
カムはクランクケース側に付いております。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/44/c7/a9f8d712272b45a0c8258c42cf1bbba8.png)
OHCエンジンでは、カムはチェーンやギアなどでクランク軸とつながっております。
そんな訳で10度くらい遅角させて走行テスト。
う~ん、確かに低回転時は少しマイルドになった。
徐行時にクラッチ操作しなくてもガックンガックンしない!
だがしかし、高回転時も凄くマイルドになった!(当たり前)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/abanzai.gif)
そもそも排気が独立管に換えてある時点で
走行性能はスポイルされてる車体なのですが
さすがにこれは加速がもっさり過ぎ。
遅角度を半分くらい戻して再度走行テスト。
でもやっぱ元の状態との中間くらいにしかなりません。
それでも一応は今回の調整の根源であるところの
低回転時の乗り心地の改善は満たしているので、
とりあえずコレで様子を見るかな…
って思ったのですが、実はもっと良い方法があるのです。
多少費用は掛かるけど。
つづく。