「池上彰の政治の学校」を読んだ。分かり易くまとも(偏らず公平で妥当)な本だ。いくつか政治の仕組みの新知見(チャイナナインなど)を得、同時に確かにそうだなと反省させられるところもあった。例えばネットは少数派という指摘は確かにその通りで、マスメディアとの食い違いを実態と受けとめる平衡感覚は必要だ。尤も、ネットの情報力はやがて世論に影響を与えるまでに成長するだろう。
池上彰という人は頻繁にメディアに露出する知識人の一人であるが、この本を読んだ印象では擦り切れておらず、本物のようである。根っからのジャーナリストで個性的な主義主張は最小に抑え、出来るだけ公平正確に分かり易く情報を伝えてやろうという精神が行き渡っている。主義主張に乏しい人にも主義主張に溢れる人にもお勧めできる。
同じ池でも池田清彦の方は言い放つ主義主張の人で、「アホの極み」を買ってきた。拾い読みして極みを楽しんでいる。私はここまで極まっていないので、あれあれそこまで言うかと思いながら確かにそうだよなあと合点が行く主張も多い。大地震は予知できない、煙草を一箱100万円にしてしまえそして英語はぺらぺらでも馬鹿は馬鹿など・・。こちらの方は分かり易くてもまともではない(偏り不公平で極み)本なので、主義主張に乏しい人にも主義主張に溢れる人にもお勧めしない。ご自身の判断でお買い求め下さい。