「書を捨てて町へ出よう」と寺山修司は書いた。その本も読んでいないし、演劇も見ていない。よく知りもしないのに、図々しく捩ってしまうが、平成二十五年には書を手に外国へ出ようと申し上げたい。
難関と言われる大学の若手研究者が外国に行かなくなった。確かに日本の方が研究しやすい?レベルも高い?と言う彼等の言い分も分からないではないが、異文化体験は人間力を展開させると歴史は教えている。
違いは肌で感じなければ分からないところがあるだろう。自国というか自分のことは外から見なければ分からないものだ。出羽の守になっても豊前の守になっても結構、帰って来ず居着いても結構、一年でも良いから若い一時を外国で暮らしてみるとよいと思う。私の識見などたかが知れているが、時空を見渡してそう思える。そうした人達が増えれば、杓子定規や視野狭窄が改善され、諍いも減るだろうし実態生活に元気が出てくるかもしれない。
テレビで芸能人の外国旅行レポートを見てわかったような気分になっても、それは気分で実体験ではないのだ。