駅前糸脈

町医者をしながら世の中最前線の動きを感知、駅前から所見を発信。

占い師顔負け

2013年01月07日 | 診療

        

 思わず「そうでしょうね」。と言ってしまうところであった。なぜ自分がそうだろうなあと思っていたのかは、よくわからない。Mさんは五十代後半のスタイルの良い女性で、整った目鼻立ちをされ年より若く見える。スポーツウーマンでさばさばしておられ、診察も手間取ることがなく対応しやすい患者さんだ。

 「お正月は子供達が帰ってくるから忙しくて」。

 「女の人は大変ですね」。

 「私、料理が苦手なんです」。

 「ああ、そうなんですか」。とその時は無難に受け答えをしたのだが、なぜか心の中ではそうだろうなと思ったのだ。日頃、患者さんを診察していて、この人は料理が上手そうだとか・・いちいち考えていないと思っていたのだが、意識に上がらないところで細かいところまで全体像が形作られているらしい。Mさんが、診察室を出てから、どうしてそう思ったのだろうと自問したがよく分からない。小綺麗でさばさばしているからだろうか?。小綺麗でさばさばしていても、料理が上手な人は居そうだし、なんでそうした印象があったのかは分からない。ただ、予め無意識に持っていた印象が当たっていたのに驚いた。

 昔、父親が言っていたのを思い出した。街角の占い師を見て、「俺の方が良く当たるよ」。自分はまだその域に達しないが、そうした能力が多少は身に付いてきたのかも知れない。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする