全トヨタ労働組合(ATU)

トヨタ自動車および関連企業で働く労働者の企業横断型労働組合です。一人でも加入できます。

財界の危機感

2008年01月04日 09時02分54秒 | Weblog
年頭、財界の首脳が相次いで興味深い所信表明をしています。

日本経済団体連合会は、元旦に「成長創造 ~躍動の10年へ~」
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/001.html
というテーマで以下のように訴えています。

「われわれは、本2008年を、日本経済の次なる「躍動の10年」に向けたスタートをきる年にしたい。いま、わが国の行く手には、少子高齢化と人口減少の同時進行、新興経済国の発展・追い上げ、地球温暖化問題の重要性の高まりなど、課題が山積している。
 足もとでは、サブプライムローン問題を端緒とする国際信用不安の発生と米国経済の減速懸念、原油をはじめとする原材料価格の高騰などにより世界経済の動向が懸念されている。また、いわゆるねじれ国会に象徴されるように国内の政治動向にも不透明感が生じている。
 こうしたことから、国民の間に先行きへの閉塞感が広がっている。
しかし、悲観からは何も生まれない。今まさに必要なことは、国民一人ひとりが豊かな生活を享受できる「希望の国」の実現に向けて、国全体で共有できる明確な目標を設定し現状の閉塞感を打ち破り、躍動する日本経済を築いていくことである。」

危機感に満ちあふれた言葉で、訴えています。今年も相も変わらず「希望の国」の実現のためにということのようです。グローバリゼーションの展開の中で、今までの企業行動の反省はなく、格差の拡大を前提として国民に頑張ることを強要していつかのようです。
 詳しくは全文をお読みなれば
http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2008/001.html

一方自動車工業会の張会長の認識と決意にも並々ならぬものを感じます。

年頭に際して 日本自動車工業会会長 張 富士夫
http://release.jama.or.jp/sys/comment/detail.pl?item_id=486

「昨年、四輪車の国内需要は、538万台(対前年比93.8%)と3年連続して減少し、また、二輪車は72万台(対前年比98.0%)と2年連続の減少となるなど、自動車市場を取り巻く環境は、厳しい状況が続いております。」
このような中、四輪車の国内需要は532万台、二輪車の国内需要につきましては、70万台を見込んでおります。」
という前文にはじまり、以下の課題を提起しています。
第一に、「国内市場の活性化」を喫緊の課題
第二に「安全と環境への取り組み」について
第三に、「自動車産業のグローバル化への対応」について

自動車産業が現在も我が国の基幹産業であるにもかかわらず、国内需要についての期待ははるか後方に追いやられ、インド、中国、ブラジル、ロシアなどの「途上国」における需要と市場の拡大に活路を見いださざるをえない状況です。
 トヨタについて戻るならば、昨年はトヨタシステムのほころびがあらわになった1年でした。かつては書店の店頭に積まれたトヨタ本は礼賛本ばかりでした。今や何冊かの本が礼賛本と一緒に並びしかも売れているという事実は、新しい時代の訪れを告げているのかもしれません。

張会長のコメントの全文は以下に
http://release.jama.or.jp/sys/comment/detail.pl?item_id=486

トヨタウェイとトヨタシステム賛美から解放されるはじめの元年となるかもしれません。

コメント
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