団体交渉をゆがめる賃上げ交渉の在り方に疑問
こんな賃上げでは生活は苦しくなる一方だ!
3月25日に大手企業の春闘での賃上げ額が一斉に発表された。マスコミは「満額回答続出」とか「過去25年での最高額」などと報道している。しかし今回の回答をこのように喜べるのか?
例えば自動車各社・トヨタ系大手下請けメーカーの回答は、ホンダを除いて総額(定昇こみ)で11000円~13000円程度、ベースアップは2パーセントに届かない。1月の物価上昇は政府発表で4.1パーセント。日常生活必需品の値上げは軒並み10~20パーセント。2パーセント程度の賃上げでは生活は苦しくなる一方だ。しかもそれは大企業の正社員の話であって、非正規労働者や中小企業の労働者の賃上げはさらに押さえられ生活は極限まで厳しくなっている。
今年の自動車関連各企業の春闘では、企業内労組があらかじめ物価上昇にも満たない低額要求を掲げ、それに対して会社は当初から「満額回答」の意向を示し、「労使交渉」の中では賃金についての話し合いは全くなく、もっぱら会社発展のための課題をどう解決するのかの「経営会議」(家族の会話といった企業もある)のような話し合いがやられたのであった。そうすることによって会社への従業員の忠誠と献身を引き出していく、このような企業内労組の幹部の春闘への取り組み方は、労働組合を内側から破壊していくものではないだろうか。
私たち労働者が自分達の生活を守りよりよくしていくためには、こうした労働組合の幹部にはNOを突きつけ、労働者の生活を守るという組合の原点に立ち返って、団結を取り戻して闘っていくしかないだろう。諦めずに頑張って行こう!