JーCastニュースというサイトに興味深い記事がありました。一部紹介します。
以下引用
2007/7/ 9
トヨタ自動車は06 年来、米国のベストセラーカー「カムリ」、世界の最量販車「カ
ローラ」、そしてレクサスブランドの最高峰である「LS」と相次いで重要度の高い新型車
を投入してきた。これまでのところ、いずれも品質問題を起こすことなく順調に立ち上
がっている。しかしその陰には関係者が「現場は相当緊張してバタバタでこなしてきた。
こんなことが続くと思えない」と漏らすほど、非常時のチェック体制を敷き威信をかけて
不良品を抑え込んだ姿があった。2010年にも1千万台に達する勢いの販売増と開発生産対
応、ハイブリッド車を始め高度化するエレクトロニクス、中国メーカーに対抗しうる低価
格車への参入―。未踏の領域に踏み込む場面は次々と現れる。品質のリスクは常に潜む。
若手や期間従業員の増加に対応し、班長を復活
つい1年前まで、「品質のトヨタ」の看板は揺らいでいた。リコール台数は03年に米国
で200万台を超え、国内でも04、05年に200万台に迫った。
06年には車両の欠陥を改善する措置を怠ったとして現職部長が書類送検された。豊田章
男副社長は同年7月の会見で「お客様に自分の車は大丈夫かと不安にさせたことは大変恥
ずかしい。一日も早く信頼を取り戻す」と悔しさをにじませた。
わずか1年間の取り組みでトヨタの品質が急に改善したわけではない。05年4月にス
タートした「CF(カスタマーファースト)活動」で社長が陣頭指揮を執り、開発、生産か
ら販売、事務に至るまで全社的な品質活動に乗り出している。同年6月に就任した渡辺捷
昭社長は「足元固め」「自工程完結」を強調した。不良品を次の工程に渡さないというト
ヨタ生産方式の基本を、全業務に広げることを呼びかけた。
中略
もっと即効的な対策として、試作車を増やしたり、製造ラインの不良チェックの人員を
張りつけたり、といった対策がとられたのは言うまでもない。ただ、理想的なのは自然な
開発・生産の流れで不良品をつくらないことだ。関係者によるとその成果は出始め、不良
の発生は半減しているという。
それでも飽くなき拡大に突き進むトヨタに品質の不安が消えたわけではない。車の電子
化は予期せぬバグから安全性に関わる不具合を惹き起こすリスクを内包する。世界で新機
種・新工場プロジェクトが立ち上がり、現場を指導する人材が不足するなど兵站線は伸び
る。10年にも新興国に投入する目標販価60万円といわれる低価格車は果たして品質を十分
に確保できるのかサプライヤーからも疑問の声があがる。
コップにすれすれの状態ではいつ水がこぼれるか分からない。より大きなコップを用意
するために、品質保証のシステムと技術を高め、人材を育成することが求められている。
以上
全文は以下参照
http://www.j-cast.com/2007/07/09009074.html