キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

東北地方のボランティア -7- 陸前高田

2011年05月06日 | Weblog
二日目のボランティア活動後、気仙沼から車で30分くらいのところにある陸前高田へ行った。
ボランティア先のお宅で被災者の方からそこの惨状を説明され、時間があるなら見るだけでもその姿を見ておきなさいと言われたのがきっかけだった。

陸前高田。
そこは町が、村が、全て津波に流され、吹き飛ばされ、破壊されていた。
あまりに何もかもが無茶苦茶に変形していて、何がどうなっているという表現も思い浮かばない。

ボランティアの候補地に陸前高田の名前が挙がってこないのは、ここでは素人のボランティアが瓦礫を撤去したり泥をかき出したりできるレベルではないということだ。

町が丸ごとかき消されている。
恐ろしいという言葉は不適切かもしれないが、心の中の気持ちは確かに恐ろしいと言っていた。
一瞬にしてここで多くの人が亡くなったのが直感的にわかる。
道の隣の膨大な瓦礫の中に、まだたくさんの遺体があることも直感的にわかる。


車に乗っているときに、つい僕はカメラを外に向けた。
そのときに、運転をしていた方から「写真はやめましょう。」と言われた。
はっとして、恥ずかしくなった。
この運転をしている方は、神戸で被災した方だった。
その時、被災地に車でやってきて、写真を撮って帰っていく人に大きな憤りを感じたという。

僕はここへ写真を撮りに来たわけではないのに、なぜかこの景色は撮っておかないとという気持ちだけでカメラを向けてしまった。
そんな自分がすごく恥ずかしかった。
この街を写真で撮っても、それは新聞やテレビで見ているあの景色と何も変わらない。
今、僕がここにいる理由は、自分がここにいて、それを見て、感じている、ただそれだけのはず。


そこは、まともに建っているものなんて一つもなくて、瓦礫と一言では言い切れないくらい滅茶苦茶にモノが破壊されつくされていて、きっとその下にはまだたくさんの人たちの遺体があって、海の臭いが強くて、海鳥がたくさん飛んでいた。
そして、塩水をかぶった土地のはずなのに、それでも立派に咲いているタンポポや桜はすごくきれいだった。


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