キャラバン サライ

夢は大空へ、努力は足元で、世界に目を向けながら足元から子供たちを見直していきたいと思っています。

東北地方のボランティア -6- 被災者のお話

2011年05月05日 | Weblog
二日目のボランティア活動のお昼時、依頼主のお宅に上がってお昼ご飯を頂いた。
親せきや近所の方々も応援に来ていて、約10名分のお昼ご飯を作ってくれたようだ。
こんな大変な時に、そこまでしてもらっては申し訳ないし、お気を使わずにと最初は遠慮していたが、家主のおばちゃんの言葉は全く反対のことだった。
「あなたたちがここでわいわいご飯を食べてってくれるのもボランティアなの。
にぎやかに話してくれることがすごくうれしいんだから。
いつもは、二人で静かに、寂しく食べているんだよ。」

うーむ、なるほど。
それならば遠慮なく。

料理は、五目御飯やおでん、ニラのおひたし、ポンカン。
「おいしいでしょ?おいしいと思ったら全部食べなさいよ。」
と、どんどんと出していただいた。
確かにおいしい。
ニラなんかは野生のニラで、味も濃くて逸品だ。




お昼をいただいている間、ここのお母さんがとめどなくみんなに語りかけていた。
その内容は様々だったが、以下印象に残っていること。

「命について」

昔から、ここら辺一帯に伝わる言い伝えがある。
友人でも、家族でも、命はみんなで一つではない。
命は一つ一つ、それぞれ、別々。
だから、誰かを助けようなんて思うな。
誰かを待とうなんて思うな。
そう思った人たちが亡くなったんだ。
自分の命をとにかく大切にしなさい。


「車について」

津波が来たら車に乗るな。
すぐに車から降りろ。
ここに停めたら、後続の車が迷惑するなんて考えるな。
君が道端に停めれば、後続の車も停めざるを得なくて、みんな走って逃げるようになるんだから。
走って逃げれば、階段だって上がれるし、なにかにつかまったりできる。
車に乗っていたら、出られなくなるし、つぶされる。
そうしてみんな亡くなったんだ。


「津波対策について」

コンセントは壁の上方についていた方がいい。
下だと使えなくなるし、漏電する。


「政治について」

テレビで管首相が映った途端、
「管さんは何もわかっていないよ。甘いよ。
被災地の人たちが何を求めているかわかってない。
そういうことがわからない人は、ここに直接来たってわからないんだよ。」
と、痛烈な批判だった。


食後に外をぶらぶら散歩していると、お昼ご飯の準備をお手伝いしていたおばちゃんが近くの公園について教えてくれた。
「あの公園は、駒場公園といって、気仙沼で一番きれいな公園だったんだ。
ここの管理人のおじいさんがいて、その方が毎日ゴミ拾いをしていたから。
でも、今はこのありさま」

公園は泥で覆われていた。
でも、ブランコと滑り台のところだけは、誰かによって泥がかき出されていた。
公園の周りは、桜が咲き誇っていた。
ここもまた気仙沼一きれいな公園に戻る日がきっと来る。



ボランティアセンターにボランティア共有のノートがあって、その表紙にはこんな言葉が書いてあった。
「五年後 気仙沼で 桜を見よう」



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