アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

♪ アカシアの雨にうたれて

2021-04-29 18:04:00 | みんなの花図鑑
今日は雨。そこで
マメ科の花特集、第3回は
雨に濡れるアカシア、
すなわち ニセアカシア(ハリエンジュ)の花。


♪ アカシアの雨にうたれて~
という歌がかつて大ヒットしました。
もちろん あのアカシアは このニセアカシア(ハリエンジュ)のことでしたけど。



ところで、私、今までずっと誤解してました。
♪ 「アカシアの雨」って ニセアカシアの並木を歩いているとき降ってくる雨のことだとばかり思ってました。




というか、サルトル(1905 - 1980)がマロニエの樹の下を歩きながら 思索にふけったように、
学生時代、アカシアの樹の下で雨に降られ、このまま死んでしまいたい!なんて感傷に耽ったふりをしていました(´v_v`)




「アカシアの雨」とは、アカシアに雨が降っている、とか雨の中のアカシアの花、ということではなかったのです。




雨のようにアカシアの花びらが散るさまのことだったです。




ニセアカシア(ハリエンジュ)はマメ科。花は蝶形花。
蝶形花の3種類の花弁とその機能は 「マメ科の花特集 第2回 フジ」を参照してください。
この花は 受粉の終わった花なのでしょう。舟弁の中から めしべが突き出しています。
受粉が終われば、雄しべと花弁は用済みです。
雌しべだけ残して 花は散ります。
アカシアの雨になって。





フジ - マメ科

2021-04-29 10:32:13 | みんなの花図鑑
マメ科の花特集、2回目は フジ(藤)の花。

フジ(岡崎公園)

トップ画像にいいものが無かったので、2018年4月18日に撮った岡崎公園の藤棚のフジ(五万石ふじ)を。



ヤマフジ?

岡崎わんパーク近くの里山で。
里山はいま藤の花が満開です。
里山のフジは 花穂が短いので、ヤマフジという種類かもしれません。



犬山のヒトツバタゴ自生地にて。
これもたぶんヤマフジ。フジというと、藤づるとか 藤棚のようにつる性で他の木などに巻き付いて成長するものだと思っていたのですが、里山のフジには自力で立ち上がるインデペンデントな藤がたくさんあるようです。




フジ

犬山のリトルワールドで。
施設内のフジですが、おそらく人工的に植栽されたものではなく 自生していたものではないかと思われます。



遠くなのでよく分からないのですが、どうやらこの藤も 自力で立ち上がっているように見えます。
そういえば、へきなんたんトピアのフジも 藤棚でなく、立木仕立てでした。



こちらは 同じくリトルワールドですが、藤棚のフジです。やはり 房が長いですね
(2017-5-10撮影)




蝶形花

マメ科の多くの花は「蝶形花」と呼ばれる独特の花を咲かせます。フジの花も蝶形花の典型です。
蝶形花の花弁は上方に 大きな1枚、下側に 左右2枚一組が2種類あります。
上に飛び抜けて大きくよく目立つ1枚は 「旗弁」といい、訪花昆虫に花のありかを知らせる旗(Flag)の役目をしています。
旗弁の付け根には 黄色い蜜標があります。



下側の2種類は左右2枚一組からなり、柏手を打つ時のように向かい合っています。
2種類は 重なっていて、外側の左右一組を「翼弁」、内側の左右一組を「舟弁 (または竜骨弁)」といいます。




外側の翼弁の役目は 虫が停まる足場の役目をすると考えられています。
内側の 舟弁ですが、合わさった左右2枚の舟弁の中に めしべと雄しべが入っています。




翼弁と舟弁は重なっていて、虫が外側の翼弁にとまると その重みで翼弁と舟弁が下がり、かくれていた めしべと雄しべが顔を出すという仕掛けになっています。




想定外の?小さい虫が止まっていますが、もっと大きいハチなどが翼弁に止まって 蜜標の下の蜜を吸おうとすると おしべとめしべが伸びてきて受粉するという構図です。




役目を終えた花弁とおしべは萎んでいきます。
そのむこうには 果実がもうこんなに大きく豆のかたちに成長しています。でもまだ柱頭がしっかりついています。




萼と果実が日本刀のようです。