アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ビーチ・スパイダーリリー - ヒメノカリス属

2021-09-01 17:49:24 | みんなの花図鑑

今日はまた 面白い植物に出くわしました。
ある方の表現によると「ハマユウとアサガオを足して2で割ったような白い花」です。




草丈は 60〜70 cmくらい。
葉が大きく、丈夫そう。
お屋敷の奥さんがいらしたので、名前を伺ったのですが、失念したそうです。



でスマホの Google Lensアプリで検索して
出てきた第一候補が これ↓

Beach spider lily
学名を Hymenocalis littoralis (ヒメノカリス・リットラリス)
というらしいです。




日本語の情報が少ないのですが、
「スパイダーリリー(Hymenocallis littoralis (Jacq.) Salisb.)は,ヒガンバナ科ヒメノカリス属に属し,カリブ海周辺諸国(ベリーズ,コスタリカ,グアテマラ,メキシコ,スリナム,コロンビアなど)に自生する常緑の多年草(球根植物)」
というような記述を見ると、名前(スパイダーリリー)について、少し混乱が見られるようです。
英文の記事を参照すると、
●ビーチ・スパイダーリリー
 Hymenocallis littoralis
 ヒメノカリス・リットラリス
  Google Lensの第1候補

●スパイダーリリー   
 Hymenocallis speciosa
 ヒメノカリス・スペシオサ
  Google Lensの挙げた第2候補

ということになるようです。


Hymenocallis littoralis (ビーチ・スパイダーリリー)英文ウィキペディアより



以下、英文の機械翻訳より引用です
「夏の真っ只中に、これらの葉の端から白い花が現れます。花は5〜7インチ(14〜17 cm)の長さの管を持ち、最後の数インチ近くで白くなります。」




「花の端から、いくつかの細い花被片が植物の周りを数インチ アーチ状に下がっており、クモのような品質を与えています。」




「ヒメノカリスが翌年に開花するように促すには、8月下旬または9月上旬に休息期間が必要です。」




若いおしべです。




成熟したおしべです。
ヒガンバナ科としている記事が一番多いですが、ユリ科とする記事もあり、シベを見ると 確かにユリのシベによく似てると思います。



オミナエシ - 集散花序

2021-09-01 11:47:01 | みんなの花図鑑

秋の七草の オミナエシ ですが、たまたま松江の花図鑑さんの記事で情報収集したところ「スイカズラ科」とありました。
オミナエシはつる植物でもないし、花の咲き方も大いに違うので、少し調べたところ、
「APG植物分類体系ではマツムシソウ目のスイカズラ科に含まれるが、オミナエシ科として分離してもよいとしている。」という記事がありました(wiki「オミナエシ科」)。




花の咲き方ですが、
「茎の上部はよく分枝し、黄色の花を散房状に多数つける。」(野に咲く花)
という書き方をしているものが多いです。




散房状に咲くのだから 散房花序かと思ったら、散房花序というのは <無限花序>の1タイプなんですね。

無限花序 (wiki 「花序」より)




オミナエシのような咲き方は 集散花序といって <有限花序>の一つなのだそうです。

有限花序(wiki 「花序」より)




「花は直径4mmくらいで、花冠は5裂し、筒部は短い。」
「雄しべは4個。花柱は1個。」(野に咲く花)(松江の花図鑑)




このオミナエシは別の栽培種で 花弁の下の葉が多肉植物のように分厚いです。
「子房の基部に2個の小苞がつき」という記述が散見されるので、初めはそれかと思いましたが、
子房に接していないので 別の器官のようです。
この肉厚の葉は とか苞葉と言われる器官なのかもしれません。
おそらくこの肉厚の葉があるので 長期間花が咲いているように見えるのでしょう。

〔参考〕エキナセアの苞

エキナセアの筒状花のハリネズミの正体は 花ではなくつぼみのとき花を包んでいたの先がハリネズミの針のように尖ったからだったのですが、この苞があるため、同じキク科でも、ドライフラワーになるほど長く形を保つのです。

オミナエシも
「花が終わっても色を保つため、かなりの期間楽しめます。切り花にすると水がひどい悪臭を放ちますが、毎日水を替えると多少はよくなります。」(みんなの趣味の園芸「オミナエシの基本情報」)