アブリル - どこにでもあり、どこにもない

岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

ジュズダマ - イネ科

2021-09-21 18:04:15 | みんなの花図鑑

「ジュズダマ(数珠玉、Coix lacryma-jobi)は、水辺に生育する大型のイネ科植物の1種である。」(wiki「ジュズダマ」)




「イネ科植物の花は、花序が短縮して重なり合った鱗片の間に花が収まる小穂という形になる。その構造はイネ科に含まれる属によって様々であり、同じような鱗片の列に同型の花が入るような単純なものから、花数が減少したり、花が退化して鱗片だけが残ったり、まれに雄花と雌花が分化したりと多様であるが、ジュズダマの花序は、中でも特に変わったもののひとつである。」(同上)(太字は引用者)




「まず、穂の先端に雄花、基部に雌花があるが、このように雄花と雌花に分化するのは、イネ科では例が少ない。」(同上)




「じつは、先に“実”と標記したものは、正しくは果実ではない。黒くてつやのある楕円形のものの表面は、実は苞葉の鞘が変化したものである。つまり、花序の基部についた雌花(雌小穂)をその基部にある苞葉の鞘が包むようになり、さらにそれが硬化したものである。この苞葉鞘の先端には穴が開いており、雌花から伸び出したひも状の柱頭がそこから顔を出す。」(同上)




「雌花は受粉して果実になると、苞葉鞘の内で成熟し、苞葉鞘ごと脱落する。一般にイネ科の果実は鱗片に包まれて脱落するが、ジュズダマの場合、鱗片に包まれた果実が、さらに苞葉鞘に包まれて脱落するわけである。」
「脱落した実は、乾燥させれば長くその色と形を保つので、数珠を作るのに使われたことがある。中心に花軸が通る穴が空いているので、糸を通すのも簡単である。」(同上)





セイバンモロコシ - イネ科

2021-09-21 07:57:17 | みんなの花図鑑

セイバンモロコシは イネ科モロコシ属(Sorghum;ソルガム)の帰化植物。
「日本で広がったのは戦後、現在では道端で普通に見られる。若葉には青酸が含まれ、牧草とはならないようである。原産地ははっきりしていない。」(三河植物観察「セイバンモロコシ」)
セイバン(西蕃)は「西の方に住んでいる野蛮な種族。西方の蛮族。また、西域(せいいき)」(日本国語大辞典) の意。





イネ科の花は花びらを持たないので地味な緑色のものが多いのですが、近くで見るとこのようにきれいなものもあります。




イネと同じで、全体は円錐花序の花穂で、個々の粒々を「小穂(しょうすい)」といいます。




小穂からぶら下がっているのが雄しべの葯(花粉を入れた袋)です。
葯の下方には穴が開いています。風が吹くと葯が揺れ、花粉が飛び散ります。




小穂の穎(えい:もみがらになるところ)から出ているブラシのようなのが 柱頭です。





ただし、典型的なセイバンモロコシは小穂から長い針のような 芒(のぎ)が出ているのですが、この個体にはそれがないので、「ヒメモロコシ」というのが正解かもしれません。