12月15日 和歌山NHKNEWSWE
和歌山県にある発射場で、15日予定されていた小型ロケット「カイロス2号機」の打ち上げは、14日に続いて風の影響で2日連続の延期となりました。
新たな打ち上げの日時について、ロケットを開発した企業は今月18日を目標に調整を進めるとしています。
東京のベンチャー企業「スペースワン」が開発した小型ロケット「カイロス2号機」は和歌山県串本町の発射場から15日午前11時に打ち上げられる予定でしたが、上空の強い風の影響で直前に延期となりました。
2号機は当初、14日打ち上げられる予定でしたが、15日と同じように風の影響で延期されていて、2日連続の延期となりました。
機体などの状態に問題はなく、新たな打ち上げ日時について企業は今月18日の午前11時を目標に調整を進め、16日中に発表したいとしています。
ロケットには5つの小型衛星が搭載されていて、高度500キロ付近で衛星を切り離し、予定の軌道に投入する計画です。
初号機はことし3月、打ち上げの直後に爆発し、失敗していますが、今回、衛星の軌道への投入が成功すれば、民間企業単独の打ち上げとしては国内で初めてとなるため、注目されています。
記者会見で企業の阿部耕三 執行役員は「上空の天候は直前でないとわからないところもあり、楽しみにしていた方には本当に申し訳ない。次こそは、という思いで、応援してほしい」と述べました。
【見学場では落胆の声】
和歌山県串本町のロケット発射場からおよそ2キロ離れた田原海水浴場の見学場では、2日連続となる延期に落胆の声が聞かれました。
広島市から訪れた50代の女性は涙を流しながら「ロケットが大好きで延期には慣れているのですが、2日連続はやっぱりつらいです。ただ、失敗ではないのでまた民間の力で挑戦してほしい」と話していました。
14日に続いて見学場に来た和歌山県岩出市の50代の男性は「きょうこそは上がってくれると思っていたので残念でならない。ただただ頑張ってほしいです」と話していました。
【橋杭岩では】
ロケットの打ち上げが再び延期されたことを受けて、和歌山県串本町の国の天然記念物、「橋杭岩」を訪れた人からも落胆の声が聞かれました。
大阪から来た高校生は、「3日前から張り込んでいたのでなんとか飛んでくれと思っていましたが、再び延期になってとても残念です。きのうよりもきょうのほうが体感的に風が強く感じました」と話していました。
和歌山市の60代の男性は、「孫を連れて来たので、見せてやりたかったです。いつかは成功するでしょうし、安全を考えたら延期はいい選択ではないでしょうか」と話していました。
名古屋市から来た女性は、「橋杭岩の景色が素晴らしいのでこの景色をからめてロケットを撮影できればと思っていました。きのうもショックでしたが、きょうのほうがもっとショックです」と話していました。
兵庫県西宮市から子どもと一緒に来た40代の男性は、「きのう延期と聞いて帰りかけましたが、きょう打ち上げがあると聞いたので引き返してきました。諦めずにまた来ます」と話していました。
一緒に来ていた7歳の男の子はショックだった様子で、「残念でした」とうなだれていました。