12月15日 奈良NHKNEWSWEB
奈良市の世界遺産、唐招提寺で仏像にたまった1年の汚れを払う行事、「お身拭い」が行われました。
中国の高僧、鑑真が開いた奈良市の唐招提寺では、仏像にきれいな姿で新年を迎えてもらおうと毎年、12月15日に「お身拭い」を行っています。
15日は午前9時半ごろに金堂に僧侶が集まり、長さ3メートルほどの竹ざおの先に和紙を付けたはたきを振って、国宝で本尊の「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」などの仏像を丁寧に清めていきました。
15日朝の奈良市の最低気温は2.1度で、初霜が観測される厳しい冷え込みとなりましたが、早朝から多くの人たちが訪れ作業の様子を見守り、静かに手を合わせていました。
奈良市の70代の女性は、「心が洗われておごそかな気持ちになります。能登半島地震の被災地がまだ復興していないので、早く普通の暮らしに戻れるよう祈っています」と話していました。
唐招提寺の岡本元興長老は、「ことしは能登半島地震や世界各地の紛争などで落ち着かない1年だった。来年は平和で穏やかな年になるよう祈るとともに、大阪・関西万博をきっかけに多くの人に奈良の魅力を知ってもらいたい」と話していました。