(CNN) 400年の歴史を持つ日本の寺院が、法話を行うロボット「マインダー」を取り入れた。アンドロイド観音は仏教への関心を再燃させることができるだろうか。
成人大のアンドロイドは観音菩薩(ぼさつ)をモデルにしたもので、京都の高台寺に今年導入された。
批判的な人からは「フランケシュタインの怪物」になぞらえる声も上がるが、関係者の間での評判は上々で、2500年あまり前に釈迦(しゃか)が創設した精神的伝統を深める成果だと評価されている。
僧侶の後藤典生氏は「お坊さんとロボットが全然違うところは、我々は死にゆく存在だということだ」と指摘し、アンドロイドの「不死性」を強調した。
「(マインダー)はいろんな人と出会い、いろんな情報をインプットできる。永久に進化し続ける」
一部からは冒瀆(ぼうとく)との批判も寄せられたが、後藤氏はそうした主張を退ける。
「仏教は神への信仰ではなく、仏陀(ぶっだ)の道を追求するものだ」「それを表現するのが機械や金属片、樹木であっても構わない」
マインダーは高さ195センチで、主にアルミから作られている。ただし手と顔、肩はシリコンで覆われていて、人間の肌に似た見かけだ。
仏教の経典「般若心経」に関する25分間の法話を授けるようプログラムされており、説法中は胴体や腕、頭を動かす。
開発は高台寺とロボット研究者の石黒浩・大阪大教授が共同で手掛けた。費用は約100万ドル(約1億円)と報じられている。