さよなら三角 また来て四角...日本編☆第二章☆

オーストラリアから10年ぶりに帰国。特別支援教育に携わりながら
市民農園・家庭菜園に励んでいます。

病院実習、3週目終わる

2013年03月29日 11時57分12秒 | Web log
病院実習も3週目を終えました。

循環器系の病棟におりますが、入退院のサイクルがとても早いのは驚きです。

手術前日検査→手術→回復室→一般病棟→大抵24時間で尿管カテーテルを抜く→
経過がよければ手術した部分のドレインを抜く→経過を見る→退院

昨日は、甲状腺一部摘出の中年の男性の術後の看護をしたのですが、
当日病院に来て、手術を受け、12時に病棟へ移動、土曜日には退院という
予定なので、2泊3日で帰宅になります。

私が2年前に手術を受けたときも日帰り手術だったので、あまり驚きませんが
日本はどうなんでしょうか。

病院の説明では、プライベートの保険でカバーされる期間、および額が、病気、
手術の内容によって大まか決まっているため、その他の既往症、合併症等がない限り、
患者さんの入院が長引けば長引くほど病院側の損益となるために、保険でカバーされる
期間内での退院を促すそうです。

だからといって、さっさと追い出すというわけではなく、他の機関との連携が
取れており、帰宅後のフォローが充実しています。

訪問看護あるいはGP(総合医)による自宅、あるいは自宅近くでの経過観察を
担当し、身寄りのない患者さんにはソーシャルワーカーが公的サポートを手配
してくれたり、リハビリが必要な人には自宅近くの理学療法士や作業療法士が
手配されます。

ま、以前も書きましたが、回復と治療の領域がくっきりと分かれていて、
特に重篤な状態でない限り回復は自宅でという考えが浸透しています。

患者さんも早く家に帰りたいという気持ちがとても強いなぁという印象を
受けます。

で、術後の患者さんをある程度のことができるようになるレベルまでに引き上げる
ことを促進するために、尿管カテーテルで排尿量を観察、腎臓、膀胱機能が正常だと
判断されたら、すぐカテーテルをはずし、点滴をつけていようが、ドレーンをつけて
いようが、介助つきでトイレでの排尿、その後の残尿を測定。それがクリアされたら
次は、自力でシャワーetc となります。大抵、これらの流れが術後24時間以内に
実施されます。

術後の経過が思わしくなかったりすると、長引くこともありますが。

そして高齢、合併症等の理由で術後の回復が長引く場合は、TCU(Transitional Care Unit)
という回復&リハビリを主におこなう病棟へ移動します。

恐らく、病棟を移動することによって、保険適用項目が「治療」から「リハビリ」へと
変わり、新たに保険が下りるので、病院側も損益を気にすることなく、患者さんを十分にフォロー
できるんだと思います。

非常に合理的ですね。患者側も病院側も「保険適用範囲を超えるような無駄なお金は使わない」
という意識で一致している感じを受けます。

病院実習もあと一週間で終わりですが、非常に楽しく有意義な時間を過ごすことができました。

ま、細かい部分での色々もあるのは事実ですが、そんなことよりも、患者さんの術後の回復、
経過観察のお手伝いができ、うれしそうに退院していく姿を見るのは感慨深いです。

生涯独身を貫いたTさんの術後の看護をしたときのお話。

シャワーを浴びることができる状態ではなかったために、お湯に浸したタオルで顔を拭いてあげたら
「こんなことしてもらったのは小さいときに母親にしてもらって以来だなぁ」と云われたときは、
ジーンとしました。

若い頃から世界を飛び回り、国連で働いたこともあるという、とても知識および経験豊かなおじいさん。

色んなお話を聞かせてくれました。今も世界の食料、貧困、経済問題に興味があり、色んな意見を
聞かせてくれました。この人、本当に数時間前に手術終えて、病棟に移動したばかり??と
思わせるほど。

そんな饒舌なおじいさんが、ふと「独り身の不安は、自宅で意識をなくして倒れたりしたときに、
僕を助けてくれる人が傍にいないということ...きっとそのままになっちゃうんだろうね。」と
気持ちを吐露されたときは、なんとも言えない気持ちになりました。

署名

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