花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

絶滅危惧種

2021年01月12日 | 研究
きれいに輪切りした果物が並んでいます。
これはミカンではなく、柿。
南部地方特産の妙丹柿という小ぶりの柿です。
北国には甘柿がなく、ほとんどが渋柿。
そのためアルコールなどで渋抜きしないと食べられません。
したがって地元のスーパーマーケットにはたくさんの柿が並んでいますが
すべて西日本で栽培された甘柿ばかり。
地元の妙丹柿はほとんど流通しないのです。
そんな妙丹柿の一番多い食べ方は干し柿。
干し柿にすると甘くねっとりとした果肉が引き立ち
とても美味しく食べられるようになります。
干し柿の産地はなんと南部町。毎年秋の風物詩として
オレンジ色のカーテンがニュースで取り上げられます。
ところがその干し柿作りがたいへんなのです。
まず妙丹柿は樹高10mにもなります。
さらにあまり流通に乗らないため更新されずみんな老木。
高齢化している農村では収穫するのに一苦労です。
またたくさんの果実の皮をむき、串に刺して吊す作業も大変なのです。
消費者から望まれず、生産者からも厄介者となってきた妙丹柿。
作物の場合、誰も食べなくなると絶滅する運命にあります。
野生植物の場合は、よく絶滅危惧種として問題になりますが
こちらも姿を消すという意味では同じなのです。
この輪切りの妙丹柿は渋抜きの実験。
このまま寒風にさらして渋を抜く実験をJr.が試しています。
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柿チップ

2021年01月12日 | 研究
輪切りにした妙丹柿を屋外で乾燥させ、チップ状にしたのがこれ。
現在、屋外は氷点下。凍結乾燥を繰り返した柿はちょっと色があせました。
先日、官能試験を行いました。かつてフローラは紫外線による柿の渋抜き法を開発して
テクノ愛でグランプリを受賞しましたが、一番面白かったのがこの官能試験。
食べる方はもう渋が抜けているだろうと期待して口にしますが
ほとんどの場合はまだ渋が抜けていません。
そのためみんな、のたうち回って苦しむのです。
今回はどうでしょう。恐る恐る口にしてみると最後まで渋を感じません。
どうやら干し柿のように渋が抜けたようです。
でもまだしんなりした状態。ハンターズJr.はパリパリの状態にしたいのです。
かといって加熱乾燥はしたくありません。
送風乾燥が一番簡単でしょうか。
またシリカゲルなどで乾燥させてはどうでしょう。
さらにデシケータで真空乾燥したらどうなるのでしょう。
最後の最後で悩んでいます。柿の実験ができるのは冬だけ。
季節の実験を楽しんでいます。
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