花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

古代遺跡のお宝か

2021年07月29日 | 研究
環境班のホームである馴化温室で妙なものを見つけました。
コンテナの蓋を開けると中には、ご覧のような造形物。
この形は自然にできたものではなく、
明らかに何者かが意図をもって作ったものに違いありません。
そういえば先代の環境班のニックネームはトレジャーハンターズ。
もしかしたら古代の遺跡から発掘された遺物かと勘違いしてしまいそうです。
答えは昨年、トレジャーハンターズが製作した
機能性集水システムに欠かせない「集水ウイング」。
斜面を流れてくる水を集めたり、土砂を堰き止める役割をするもので
土と砂と消石灰を水で練って固化させる「三和土」(たたき)という
日本の伝統工法で作られています。
彼らはいろいろな大きさやサイズを作っては
その機能を実験をしながら調査していましたがこれはその時に使ったもの。
中には4種類ぐらいのウイングが入っています。
今はまだ記憶に新しいのでこれが集水ウイングだとわかりますが、
数年後には関係者もいなくなるので謎の物体に変わります。
今月27日に「北海道・北東北の縄文遺跡群」がユネスコの会議で
世界遺産に登録されましたが、南部町で新たな発見と勘違いされたら大ごと。
愉快犯では済みません。さて明日の午前中は体験入学。
大学でいうところのオープンキャンパスです。
そういえば昨年の体験入学では度胸試しにトレジャーハンターズが英語でスピーチ披露。
そしてその数時間後に水の国際大会で初めてのスピーチと質疑応答に臨みました。
つまり申し訳ないのですが昨年は「中学生のため」ではなく
トレジャーハンターズのための体験入学でした。
でも今年は違います。たくさんの中学生の来校をお待ちしています。
コメント

ささやかな抵抗

2021年07月29日 | 研究
ここは環境班の本拠地である馴化温室。
連日の猛暑で活動するにはかなり危険な環境となっています。
幸い今は夏休み。また多くの研究が一段落したので
メンバーが足を踏み入れる機会は激減しているためひとまず安心です。
しかしこんな環境の中にも命はあります。
それが水耕栽培されている薬草たち。コンピュータ制御の温室なので
光をあまり通さない不透明カーテンを天井に展開して直射日光を遮ったり
側面の窓や天窓を開け、換気扇を回すなどして植物たちを保護しています。
それでも暑いガラス温室。どうしようもない時はこんな対策もします。
よく見ると馴化温室の床が何やら光っているとは思いませんか。
実は打ち水をしたのです。この馴化温室、プログラムすると
温室自体が判断して自動的に灌水もできる優れものなのですが
もう10年以上も前に壊れていて動きません。
そこでバケツ に水を入れて床にまき、気化熱で冷やしているのです。
皆さん日本古来の風習だと馬鹿にするかもしれませんが
明らかに涼しくなります。また温室内には水を入れた
大きなトロ箱も設置しています。ローテクですが
ここからも水は常に蒸発して気温を下げていると思われます。
「農業の多面的機能」という言葉が10年以上も前によく使われましたが
そのひとつに「夏場の気温上昇を抑制する」というものがありました。
対象になるのは水田。この温室のように水田の水が蒸発することで
周囲の気温を冷やす「打ち水効果」が期待できるからです。
ささやかですが、あの手この手で抵抗している環境班です。
コメント