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花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

新学科誕生

2022年07月12日 | 環境システム科
整理していたら古い資料が出てきました。
なんと2013年に新設された環境システム科のパンフレットです。
おそらく製作されたのは第1回生が入学する前の年。
これを持参して中学校を巡回した記憶があります。
環境システム科の特徴といえば、なんといっても農業高校でありながら
工業の知識と技術を学べるところ。それも農と工を関連付けて学ばせるという
アプローチは世の中にありませんでした。しかし先進的な取り組みというものは、
皆さんの固定概念があるため、なかなか理解されないという側面を持っています。
驚くことに中学校の先生や生徒さんの農業高校に対するイメージは
今から10年どころか20年も前のもの。
ドローンやIT農業、6次産業やSDGsなどの取り組みが
いくら新聞やニュースに掲載されても変わらないようです。
特にお隣の八戸市は、人口こそ多いのですが農業高校がないため、
市民も子供たちも農業高校で農産物を購入したり
動物に触れ合うために農高を訪れた経験がありません。
つまり農業高校は身近な存在ではなく親しみを感じないのです。
東京の農業高校がとても人気で常に高い倍率なのおは、
大都会ながら都民に公開され親しまれているから。この辺りが違うようです。
そこで資料だけではダメだと考え、中学校で開催される保護者も参加する説明会への
参加を依頼。当時の立ち上げメンバーと休日返上で飛び回ったものです。
しかし、せっかく理解していただいた中学校の先生方も
学年が変わると進路指導から離れます。さらに数年経つと異動されます。
したがって理解度は毎年リセットされてしまうのです。
アグリチャレンジ、アグリサイエンス、さらに八戸市内での紹介イベントなどは
そんなすぐ薄れる理解を維持するための取り組みでした。
来年から全国募集が始まる名農。更なる工夫に期待します。
今日は地球環境大賞と青少年水大賞の受賞報告のためフローラハンターズは県庁に向かいます。
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決め手は起業チャレンジ

2022年07月12日 | 環境システム科
環境システム科が誕生した際に制作されたパンフレットを紹介しています。
開いて見ると目に飛び込んで来るのが「起業チャレンジ」の頁。
ご存知、生徒が3つの水耕栽培の模擬法人を組織し、
生産から販売まですべて自分たちで考えて行うという
名久井農業高校にしかない学校設定科目です。
畑と違い水耕栽培では装置を操らなければなりません。
最近の農業高校にはこのような水耕栽培装置は導入されていますが
あくまでの圃場と同じ扱いなので生産管理は学校が担当。
生徒は授業の際に体験するというのが一般的です。
したがって生徒はその装置を使って自由に栽培することはできません。
ところが技術は失敗をおそれず何度も反復することで身につきます。
つまり装置の使い方を覚えるには自分で操作する必要があるのです。
そんな理由で起業チャレンジでは、自分たちで考えて装置を操作しもらい
管理販売まで行うのです。ここでは農でありながら工業系の知識が技術が力を発揮します。
もうお分かりだと思いますが、起業チャレンジは環境システム科の信念である
「農と工の融合」「農と工のドラマティックな出会い」を具現化するために
設けられた科目なのです。2年次、環境システム科は2つの類型に分かれますが
工業類型で学んできた電気などの知識と技術、
ビジネス類型で学んできた栽培と販売の知識と技術を互いに3年次に持ち寄り
法人としての成功を目指す。まさに農と工を融合させた科目です。
農業高校なのに工業を学べるので、とかく工業実習が注目されますが、
起業チャレンジが農と工を結ぶ環境システム科のコアになっているのは
このパンフレットを見るとわかります。
今年も3年生がレタスを販売するなど頑張っています。
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