花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

Jr.草創期

2022年07月26日 | 研究
何やら実験の準備をしている女子たちがいます。
これは2010年に初めて募集した1年生の研究生たちです。
名久井農業高校の生徒が大好きな課題研究は2年生からスタート。
しかしTEAM FLORA PHOTONICSはもっと早くやりたいという1年生が
絶対いるはず。そんな1年生を1年間待たせるのはもったいないと考え
学科を問わず希望者を募集しました。
すると園芸科学科の女子3名が手をあげました。Jr.一期生の誕生です。
彼女たちにフローラが示した課題は「ひまわり」。
太陽を追いかけるといわれていますが、それは本当なのか?
もし白夜で太陽が沈まなかったらどうなってしまうのだろう。
そこでせっかくだからと国立極地研究所が毎年行っている
研究テーマ募集に応募したのです。
するとなんと最優秀。1年生ながら採用されてしまったではありませんか。
そこで彼女たちはその秋に研究所で実験計画を発表。
幸い2年生に進級した際、課題研究の所属先をフローラにしてくれたので
2年生になって本格的に実験を開始しました。
したがってこの写真は彼女たちが2年生になった2011年のものです。
テーブルの中央にミニヒマワリの苗があります。
その周囲にLEDライトが12本。なんとタイマーで1時間ごと、
時計回りに点灯していきます。つまり白夜の転がる太陽のイメージです。
この真上にデジタルカメラが据え付けられていて、
10分おきにタイムラプス撮影され、蕾の向きを記録していきました。
なんと実験している場所は放送室。暗くなり人が入らないところという
条件を満たすのはここしかなかったからです。
実験は数日間、放送室を占拠して行われました。どうなったと思いますか?
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北極圏でラジオ体操

2022年07月26日 | 研究
「白夜のヒマワリはどこを向くか」という研究テーマで
2年生になったJr.一期生が放送室で実験している頃、
極地研究所でも同じ研究を進めていました。
それがこの写真。場所は北緯79度のスヴァールバル諸島にある
ニーオルスン国際北極環境研究センター。さすがにヒマワリはないので
同じ太陽を追うといわれるチョウノスケソウの写真を
Jr.に代わって撮影してくれているのです。では結果を発表します。
やはりヒマワリの蕾は仮説通り、24時間沈まぬ太陽を追いかけていました。
極地研究所の先生方やメンバーの中には、そんなに回したら
茎がねじれて折れちゃうんじゃないのという意見もありました。
でも撮影すると首をひねるのではなく、ラジオ体操と同じ旋回運動。
茎が折れることはありませんでした。さらに花が咲くと回転はおしまい。
首が重くなるのか一方向をむいて止まってしまいました。
しかしチョウノスケソウは花を咲かせても太陽を追いかけました。
寒い北極圏。太陽にパラボラ状の花を向けることで
花の中心部をあたため虫を呼んでいたのかもしれません。
こんな研究成果を2年生の秋、極地研究所に再び招かれたかつてのJr.は堂々と発表。
面白い花の動きに発表後の懇談会ではみなさんと盛り上がったのを覚えています。
その後もTEAM FLORA PHOTONICSは何度か極地研究所と
共同研究する機会に恵まれいろいろとお世話になっています。
さて彼女たちは放送室で実験をしながら、別の活動も同時に行っていました。
それが津波被害を受けたサクラソウの救出とマイクロバルブを使った被災地の除塩。
どちらかといえばそちらがメイン、ヒマワリ研究は息抜きでした。
そんなJr.一期生は3年生になると水の国際大会に日本代表に選出。名農初の出場でした。
みんな園芸科学科の入試倍率が2倍を超えた伝説の年に入学してきたメンバーたちです。
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