花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

ノックアウト

2019年06月16日 | 学校
真っ赤なバラの名は「ノックアウト」。
優雅なバラのくせに、ずいぶんと乱暴な名前をつけたものです。
いったい何をノックアウトするのでしょうか。
実はこのバラ、ほとんど手入れがいらないのに
毎年、きれいな花を咲かせてくれます。
つまり病気や害虫をノックアウトするバラなのです。
バラといえばイギリスなどヨーロッパをイメージします。
からっとした気候に最適だからです。
ところが日本のような温暖多湿な気候で育てると
どうしても糸状菌などカビが原因の病気が発生しやすくなります。
このノックアウトはそんな日本のじめじめした気候でも大丈夫。
病気になることもなく毎年花を咲かせてくれます。
まめな管理が苦手な人にはオススメの品種です。
コメント

フタリシズカ!

2019年06月16日 | 学校
センリョウ科の植物「フタリシズカ」。
全国の野山で見つけることができる山野草です。
実は同じセンリョウ科に「ヒトリシズカ」という山野草があります。
どちらも清楚な姿と印象的な名前で知られています。
名前の違いは小花をつけた穂の数。
ヒトリシズカが1本に対してフタリシズカは2本なのです。
またヒトリシズカの別名は吉野静。
静御前が吉野山で舞を舞った姿をなぞらえているといいます。
ではフタリシズカはどうでしょう。
こちらも静御前。「二人静」という能楽の演目には
静御前と亡霊となった静御前が登場するそうですが
そのふたりの舞姿からきているといわれています。
しかしこのフタリシズカ。
すべての株の穂が2本とは限りません。
探して見ると3本や4本のものも見つけることができます。
ではなぜサンニンシズカとはいわないのでしょうか。
おそらく「女三人寄ったらかしましい」。
かしまし娘になっちゃうからではないでしょうか。
コメント

Do you know me?

2019年06月15日 | 学校
ハンターズの本拠地となっている馴化温室の脇に
きれいな赤紫の花が咲いています。
みなさんはこの花の名前を知っていますか。
「そんなもの知らん」と答えた人は正解です。
この植物は「シラン」(紫蘭)。
エビネやアツモリソウと同じ日本原産の東洋蘭なのです。
関東以西に自生しているそうですが
野生のシランは絶滅危惧種になっています。
しかし園芸種が多く出回っているので
ほとんど野生と園芸種の区別がつかなくなっているそうです。
もちろん名農で咲いているのは園芸種です。
ではなぜこのシランが馴化温室の脇にあるのでしょうか。
馴化温室はそもそもバイオテクノロジー(生物工学)の授業で
無菌播種した植物を屋外の環境に馴らすための施設。
その無菌播種を学ぶために用いる代表的な教材がこのシランなのです。
そんなことから馴化温室脇に毎年この時期になると花を咲かせてくれるのです。
乾燥に強く栽培しやすいうえ、可憐な花を咲かせるシラン。
この花ほど日本人に愛されているランはないともいわれています。
Do you know me ? はもちろん「私を知っていますか?」ですが
「俺を誰だと思っているんだ!」という意味もあるそうです。
叱られないようにちゃんと名前を覚えましょう。

コメント

農高生と化粧

2019年06月14日 | 学校
時間が逆行する名農のトンネル。
4月はすべての葉が赤や黄色に紅葉して
まるで春にならずに冬から秋に逆行したようでした。
現在はご覧の通り、緑の濃い葉に覆われています。
これを見ると季節は秋からさらに夏に逆行しているように感じます。
本当に不思議なトンネルです。
このトンネルは校舎と野菜圃場である第3農場を結ぶ道にあります。
6月22日は夏至。夏をむかえ陽射しも紫外線も強くなりました。
このトンネルがわずかな時間ですが名農生に涼を届けているようです。
さてフローラが園芸科学科時代の頃、
校内で批判覚悟の大胆な発表をしたことがあります。
それは農業高校こそ化粧をすべきという提案です。
理由は紫外線から身を守るため。
ファンデーションなど女性にはUV対策の化粧品がいろいろあります。
中には日焼け止めクリーム以上に効果のある商品もあるそうです。
そこで実習に行くときは女子も男子も
バッチリ化粧していってはどうかという内容でした。
事前アンケートでは化粧など高校生には必要ないという先生もいましたが
フローラもやるもんです。
先生のように大人になってからだともう手遅れなんだと反論。
若い今だからこそ、将来、シミやしわにならないようケアが必要と訴えました。
もちろん口だけじゃなく山菜のコゴミにLEDを照射して
肌を守る効果のあるコゴミポリフェノール量を増やす方法まで考案するとともに
化粧品メーカーと契約して安定供給するというビジネス提案までしました。
フローラの女子メンバーが生徒指導部からのお目玉覚悟で
体当たりチャレンジした結果、確か最優秀を受賞。
審査員の先生方はジョークととったのかもしれませんが
フローラはいたって真面目に提案していました。
厳しい夏が近づくと今も思い出すプロジェクトです。
コメント

薬草の水気耕栽培

2019年06月14日 | 研究
これはハンターズの紅一点が取り組んでいる水気耕栽培。
水耕栽培の一種ですが、水槽にためた養液に根を浸しているのではありません。
養液は水槽の半分ぐらいしか入っていなく、それを霧状にして根に噴霧しているのです。
そのため根は空気中にむき出し。
水耕の欠点である酸欠を防げる栽培法で水気耕栽培、
またはエアロポニック栽培と呼ばれています。
かつて開催されたつくば万博で1本のトマトに数千個もの実をつけさせ
一躍話題となった技術も水気耕栽培です。
彼女が栽培されているのはカノコソウという薬草。
更年期障害改善のために漢方薬として用いられるものですが
日本では北海道の一部だけしか栽培されていません。
もちろん土耕栽培。したがって全国でも例のないチャレンジです。
彼女が期待しているのが旺盛な生育による根の伸長と
土の汚れのないきれいな根の収穫。
現状の土耕栽培の欠点を改善するのが目的です。
数年前、フローラの先輩が挑戦しましたが
途中で枯れてしまい断念してしまった研究。
気まぐれな女神フローラが彼女に微笑んでくれることを期待しています。
でもよく見るとカノコソウ以外の植物も栽培されているのがお分かりですか。
実はせっかくなのでセリでも同じ栽培試験をしています。
セリは葉を食べるものですが、実は根がとても美味しい食材。
宮城県名物のセリ根を食べる鍋も有名です。
可食部を葉ではなく根と考えるとこの栽培法もありかもしれません。
いずれにせよ秋までかかる実験ですが彼女のやる気と運に期待したいと思います。
さて今日は農業クラブ県大会の壮行式。
リハーサルを兼ねた発表が披露されます。
今年、フローラの姿はありませんが、
名農はどんな研究で大会に挑むのか楽しみです。
コメント