花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

気になる最低気温

2019年06月18日 | 学校
気象庁によると青森県の5月からの雨量は平年の30%以下。
農業においても水不足が心配されています。
しかしそのおかげで今年のサクランボは実も割れずに順調。
味も今年は特に美味しいといわれてます。
ところが今週は少し雨が降り出し、サクランボの割れも出てきたようです。
それ以上に嫌なのが気温の低さ。最高気温でも20度前後。
10日間予報では高くても25度、寒い日は18度ぐらいと低めです。
これもエルニーニョの影響でしょうか。
ストーブが欲しくなる温度が続いています。
かつて梅雨入りしたはいいものの
梅雨が明けずに終わった年が何度かありました。
もちろんそんな年は真夏でも雨が続き水稲は冷害となりました。
イネは気温が低いと生育が遅れます。
しかし秋は必ずくるのでゴールする時期は決まっています。
したがって十分登熟しないまま刈り取られ収量も少なく品質も低下します。
このように生育が遅れる冷害を遅延型冷害といいます。
しかし怖いのは障害型冷害。小さな穂である幼穂(ようすい)が体の中にできる時、
最低気温17度以下の日がわずか2日連続するだけで穂に障害が発生するのです。
こちらは籾自体が奇形になったり、花粉ができなくなるので
この後、暑い夏になってももう手遅れ。最も怖い冷害です。
かつての大冷害は遅延型と障害型が同時に発生しています。
青森県の幼穂形成期間は7月中旬。
今後の気温が気になります。
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白いイチゴ

2019年06月17日 | 研究
チームフローラフォトニクスがかつて育てていた白いイチゴです。
これは親指の爪ぐらいの大きさしかなく、おそらく原種だと思われます。
結成した2009年、育種にはまっていたフローラは
花の他にイチゴの品種改良にも取り組もうとしていました。
その際、親として用意したのがこの白いイチゴ。
当時、世の中に初めて白いイチゴの園芸種が誕生し注目を集めていました。
そこで自分たちでも作ろうと交配しようと考えたのです。
とはいってもイチゴの交配はしたことがありません。
そこで栃木のイチゴ研究所に電話をしてアドバイスをいただいたのです。
するとびっくりするぐらい簡単。
本当に種子ができるのか半信半疑で交配したところ、見事に種子ができました。
イチゴは草なので種子を播くとすぐに実が出きるはず。
そこで期待して播種したところ、発芽率がものすごく低いんです。
種子が充実していなかったのかもしれません。
それでも3株ほど育ち楽しみに管理していたところ悲劇が襲います。
2009年は夏でも寒い冷害。晴れの日が少なく雨が続きました。
そのため病気に弱いイチゴはなんと腐敗してしまったのです。
せめて実を見たかったのですが、それもかないませんでした。
でも簡単なので機会があったらまた挑戦したいものです。
さて今年はエルニーニョ。冷夏の噂もあり
気が抜けない夏となりそうです。


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行列のできる窓口

2019年06月17日 | 学校
ここは名久井農業高校の職員玄関前。
職員とお客様が使う玄関です。
そこになぜか女子生徒が並んでいるではありませんか。
よく見ると彼女たちが集まっているのは事務室の窓口。
とはいっても学割や在学証明書などをもらいに来ているのではありません。
とうとう南部町特産の「サクランボ」が校内販売されたのです。
まだ佐藤錦には早く、赤黒いジャボレーという品種ですが
初夏の味を求めて並んでいるようです。
名久井農業高校は小さな学校ですが
環境緑化日本一を受賞したこともある緑豊かなキャンパスが自慢です。
この落ち着いた環境もさることながら
四季折々に事務室で販売される農産物も魅力。
採れたてのサクランボや桃を手にすると
名久井農業高校に入ってよかったと実感するようです。
よく「働かざる者食うべからず」といいますが
実習でサクランボを管理したのは名農生。
食べる権利は間違いなくこちらより生徒にあります。
これからサクランボが毎日のようにこの窓口で販売されると思われますが
今年の女子生徒は積極的。買い占められてしまうかもしれません。
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Rose of roses

2019年06月16日 | 学校
これでもかとまたまたノックアウトです。
この花は薄いピンクでブラッシングノックアウトといいます。
真っ赤なバラも情熱的で素敵ですが、
淡いピンクも捨てがたい花色です。
さてこのノックアウト、フランスのメイアン社が作出しています。
このメイアン社、なんと多数の殿堂入りバラを生み出した名家なのです。
なかでも世界最初の殿堂入りしたバラ「ピース」は
世界で最も美しく、世界で最も有名なバラといわれています。
1945年に発表された古いバラがなぜ有名なのでしょうか。
実はこのピース、メイアン社の農場で育種されていましたが
第二次世界大戦でフランスがドイツ軍の占領下になってしまいます。
占領される直前、アメリカ領事は親交のあったメイアン社から
あるバラの品種を預かり帰国します。
戦争は1945年に終わりますが、そのバラはドイツが降参した日に
国際連合設立のために開催された会議の机上に飾られました。
そして世界平和の願いを込め「ピース」と命名されたのです。
そのドラマティックな誕生からバラの中のバラ、奇跡のバラともいわれています。
このようにバラにはいろいろな歴史的背景があって面白いものです。
次回の世界バラ会議は東京オリンピックの翌年。
どんな品種が殿堂入りするか楽しみです。
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バラの殿堂入り

2019年06月16日 | 学校
こちらもノックアウト。
同じ品種ですがこちらはピンクノックアウトです。
さてこのノックアウト、2000年にフランスで誕生した
比較的新しい品種なのです。
世界には約40ケ国が加盟する世界バラ会議というものがあります。
この会議は3年に1度、いろいろな国を会場として開催されます。
その会議で毎回のように行われるのが「バラの殿堂」に収める品種の選定。
世界的に優れた品種や意味ある品種が選ばれています。
実はこのノックアウト、2018年のコペンハーゲン大会で
見事、殿堂入りしています。
1971年から始まった会議なので今まで殿堂入りしたバラはまだ十数種。
その中に入っている歴史的名花なのです。
第19回大会は2021年にオーストラリアで、
そして第20回大会は2024年に日本の広島で開催予定です。
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