花のたより☆山のふみ~青森県立名久井農業高等学校~

農業と環境の研究グループ「チームフローラフォトニクス」と弟分である「ハンターズ」の取組みを紹介します!

もやしもん

2022年07月29日 | 研究
遠く離れたところで起きている紛争や円高が原因で
肥料の価格が値上げされています。問題なのは値上げ幅。
化成肥料で5割、尿素や塩化カリウムなどは2倍近い値上げ。
農家はたまったもんじゃありません。
水質浄化に使ったバーミキュライトから
栄養分を回収して肥料としての再利用を試みているフローラハンターズ。
偶然ですが、社会問題に貢献できる可能性があります。
現在、レタスでの栽培試験を行っていますが、
バーミキュライトが少し余ったので、もやしも栽培することにしました。
なぜならもやしは生育が早く、収穫までの日数が短いからです。
また2015年、フローラはその年のJr.にもやしの研究を提案し
実際に栽培して発表してもらいましたが、
その時に使った栽培容器がまだ残っているというのも理由です。
確かあの頃「もやしもん」という農業大学の漫画も人気でした。
彼らはもやしの栽培容器の下に入ってる水の中にバーミキュライトを
沈める区と、バーミキュライトを播種床にして
その上に種子をまく区を考えました。
種子は機能性成分が豊富なブロッコリー。
ブロッコリースプラウトはとても人気です。
生育が早すぎて効果がわからないかもしれないという
不安もありますが、あくまでもおまけ実験。楽しんで栽培しています。
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忖度無用

2022年07月28日 | 研究
ここは夏休み直前の土肥実験室。
窓辺のグリーンカーテンはトマトです。
手前の元気なトマトは1年生のJr.が栽培しているもの。
奥の黄色く変色しているのは3年生のフローラのものです。
水耕栽培ながら高糖度トマト栽培に挑戦している今年のフローラは
1日に与える水の量を変えながら生育と糖度を測定しています。
水耕なのにどうやって与える水の量を制御するかと疑問に思うかもしれませんが、
自作装置の中にはほんの少しの養液しか入っていません。
つまり根は空中にむき出し状態なのです。
水の与え方は養液の中に設置している超音波発生装置。
養液を振動させ、細かなミストで根に供給するスタイルなのです。
装置の関係上、1回の発生時間は15分。約100mlが供給されますが
土がないので装置がとまると水は保持されず、また養液槽に戻ります。
土で栽培する際、どれぐらい水分を抑えると高糖度トマトになるかは
すでにわかっていますが、フローラのようなむき出し状態での研究例はなく
まさに手探り状態です。そこで彼らが設定した区の数はなんと全部で7区。
健全な生育と高糖度トマトの両立ができる境界線を探っています。
1年生のトマトは先輩よりも発生回数が少し多いため元気。
ライバルは先輩とはいえ忖度なしの下克上。
果たしてトマトチャレンジの勝者は誰になるのか楽しみです。
さて明日は名久井農業高校の体験入学。
フローラハンターズは中学生の前で塩害抑制の研究成果を発表します。
国際大会前の度胸試しとして2020年のTreasure Huntersも披露しました。
そこで今日は練習と準備。夏休み初の全員揃っての活動となります。
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秘書ですか

2022年07月28日 | 研究
夏休みになりましたが、名農生の多くは実習や部活動にと登校してます。
特に3年生は9月中旬には就職試験があります。
したがって夏休みは履歴書を含めた出願書類作りに明け暮れます。
フローラハンターズのメンバーも同じ。情報処理室で履歴書を作っているようです。
また久しぶりに農学系の4大進学者もいるので、そちらはオープンキャンパス巡り。
それぞれ自分の将来に関係することなので、頑張ってもらいたいものです。
そんな中、国際大会に出場するメンバーは、大会の準備に追われています。
この日はスピーチ原稿の訂正。自ら直しています。
それはとても良いことですが、なんだか気になることがあります。
ここはいったいどこですか?いつも校内で本拠地にしている土肥実験室ではありません。
ヒントは彼女たちの後。なんと校長先生がディスクでお仕事をしているではありませんか。
ということは、ここは校長室。お客様は来校されたりすると真っ先に通されるところです。
それどころか高校生が校長室に入るときは、何か悪いことをして叱られる場合がほとんど。
したがって清掃活動以外で校長室に入ることなど、そうあるものではありません。
そんな敷居の高い場所で校長先生と一緒に仕事をしているとは、まるで秘書のようです。
実は来月上旬に国際大会のオンライン審査が行われるのですが
その場所がこの校長室。いろいろな意味でとても便利な場所にあるからです。
さて原稿を直した彼女たちはこの後、さっそくスピーチ練習を始めました。
すっかりスピーチへの抵抗がなくなった二人はとても元気。
校長先生、騒がしくて申し訳ありません。
なお彼女たちだって3年生。スピーチや質疑練習が終わると
出願書類作りに取り組んでいます。

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もったいない

2022年07月27日 | 研究
容器に入れた土を攪拌しているのは三和土チーム。
先日までトマト栽培をしていましたが、今度は何をしているのでしょう。
実は2年前、Jr.である女子2名が先輩のTreasure Huntersの
サポートを受けながら塩害抑制実験を行っていました。
彼女たちは2年生になってそのまま環境研究班に入ります。
ところが環境研究班は一人一テーマが流儀。そこで一人はそのまま塩害抑制研究、
もう一人は別な水質浄化研究に取り組みました。
すると3年生になって塩害抑制研究が水の国際大会に出場することになり
かつての二人が懐かしのコンビ再結成。
目指すは水研究のNo.1。つまりM1グランプリ優勝です。
そんなことになったため1年間行ってきた水質浄化研究は
もう少しで終わりというところで休止となってしまいました。
フローラの引き出しにはこんな研究が山ほど眠っています。
しかし来年はもうないかもしれない環境研究班。
もったいないので国際大会に出場しないメンバー4名が
最後残されていた実験を行うことになったのです。
それがこの土。赤玉土とバーミキュライトの混合です。
体育祭直前、今学期最後の課題研究は短縮授業。
短い時間の中で実験準備が手際よく進められました。
さて何を作ったのでしょう。
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Catch and Reuse

2022年07月27日 | 研究
土を混ぜ合わせた三和土チーム。
土の種類や混ぜ方を変えて4種類の鉢植えを作りました。
今回の実験のポイントは赤玉土に添加したバーミキュライト。
実はこのバーミキュライトは水質浄化に使ったもので
市販のバーミキュライトよりも窒素分を吸着しています。
昨年の秋、主任研究員の彼女はマイクロバブル水を使って
吸着されている窒素分を回収し、液肥として再利用することを考え
実験しましたが、思ったよりも回収できません。
相当、がっちりくっつけているようです。
諦めかけていたところ、思いついたのが植物に回収させること。
植物は根を伸ばすことで吸収できます。
過保護にしないで植物自身でとりにいけというわけです。
題して「Catch and Reuse」。
魚釣りではないのでリリースではありません。
回収して利用できるかを試す植物はレタス。
実はこれも余り物の有効利用。
水研究チームが使うために手に入れたレタス苗が少し余っていたので
使わせてもらうことにしました。
実験も実験材料も共通点は「もったいない」。
仮説通りの結果になるか楽しみです。
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