あも&サチアキの交換日記

どうやら交換日記が続いているようです(祝何年目?

本を読むことがインテリの証明とはならんやろ

2022-02-05 | from:sachiaki
メガネが知的アイテムと呼ばれていたのも今や昔。
ここ数年、というよりこの一年ぐらいで
やたらと本を読む人に対する当たりの強い話を見かけるようになり、
そんな世界線もあるの??とギョッとしているsachiakiです。

最初の頃に見かけていたのは
”女性なのに”本を読んでいると「見せつけている」と言われて
電車内で暴言を吐かれた、なんて話でしたが
それがいわゆるコーヒースタンドにあたる
ベローチ○やスタバァ的な的なところで本を飛んでても
同じように”女性”というところに焦点が当たるような
そういうものの書き方でされていて
今はやりのフェミニズムとひっかけて一石を投じたいのかな?
なんて思っていたんだけど、
とうとうそれが女性が受けた被害ってだけに限らなくなったのか
年上の男性に面白い本を薦めたら、ものすごく憤慨されたらしく
さらにその本を薦めた人の上司にまでお説教をした
という話が飛んできて、
どこの世界の話なのか…と思っていたら
何人かが”目上に本を進めるっていうのは馬鹿にしている”という
ニュアンスを含むだかなんだかで大変よろしくない
ていうことをリプライされている人がいて
なんていうか、この国は色々とダメかもしれない……
って思う一つの根拠を増やしてしまった気がします。

うっとこは旦那ちんことパンダ氏と面白かった本を貸し借りして
それがきっかけで仲良くなったこともあるし、
そうでなくとも年上の人と本のやり取りは今もするし、
なんならかなりその世界ではすごい人らしい先生にも
この本面白かったですよ、なんてやり取りもしているし、
上記のようなことを言い出すような会社や人たちの世界っていうのは
知性ってものを軽蔑しているか、恐れているかのどちらかなんだろうな〜
なんてことを思ったりしていました。

年下から知らないことを教わることを良しとしていないのって
相当マズイ風習だってことに気づけないでいる、
もしくは嫌だと思っているけれど、
その恩恵に預かれないので締め出したいって感じなのかなぁ。

自分が年上になった時に年下から教わるのが恥ずかしいとか
年上になったからには無条件で担いでもらえるとか
そういったことを期待していたりするのだろうか。
年下、目下には知恵をつけられたくない、
だって自分が恥ずかしい目にあうから。
みたいなものってあるんだろうなぁ。

たしかに徒然草の中でも賢い女がいたら興ざめだってあるし、
なんとなく女性には知性を持ってもらいたくないっていう
なにかを古くから男性は持っていたのでしょうし、
それが転じる形なのか、同じラインでの話なのか
目下のものには知性を持ってもらいたくない
って話になるのでしょうね。
そういや「良い奴隷は賢くなくて良い*」っていうのもあった。

まぁなんにしても人が自分よりも賢いってことに抵抗を感じる人が
ある程度いるってことが、なんとなく浮き彫りになってきたのかな?
って感じですかね。

私からしたらパートナーや自分の身の回りにいる人に
知性のかけらも感じないような人がいるより
自分が足りないっていうぐらいの人たちに囲まれている方が
なにかと利便性に富むというか(言い方!
自分も損しなくて良いなぁって思うんですけどね。
相手が自分より賢いせいで自分が損をするっていうのは
ちょっと特殊なケースだと思うんですよなぁ。
そりゃ悪辣な人っていうのも多いんだろうし、
人を陥れることになにも感じないというような
頭は良いのかもしれないけれど
心がダメというような人もいるのでしょうけどね。

とにもかくにも、本を読んでいる人が人を陥れる人っていうような
そういうものの捉え方はされたくないし
頭が良いアピールをしているわけでもないし、
むしろ自分の無能さを噛み締めるようなものが読書だったりするし
啓蒙書とかだけじゃなく、娯楽小説だったごまんとあるのだから
そういったものを漫画のように面白おかしく読む人たちもいるって
そう気付いて欲しいよね〜、なんてことを思いました。

私は今「泣き虫 弱虫 諸葛孔明」を薦めて頂いて読んでる最中ですが
抱腹絶倒と言っても良いほど笑いっぱなしで読んでいるので
三国志に少しでも興味のある方はぜひ読んでもらいたいな〜と。
稀代の天才軍師の人間性のアチャー感がヒシヒシと伝わってきて
脳髄をグチャグチャにかき混ぜてくれますぜ!

「図書館戦争」なんて、とにかく甘々な恋愛描写で
ぎゃーってなりながら読んでいたので
今でも読み返すのを少し戸惑ってしまうぐらいですw
その点同じ著者の「キケン」は理系男子のアホアホしさに惚れ込み
やはり男の子だけの話はバカで大変に良いと思ったものです。
これもある種のバイアスなんだろうけれど。
少年がバイアスだというのなら「三匹のおっさん」もよかったよ
というべき?
こちらは「三匹が斬る」のオマージュなんだと思いますけれど
おじさんたちのそれぞれの正義がかっこいいし、
体が動かなくなっていることや、
家庭内のあれこれによるジレンマもあって
三谷幸喜さんのドラマが好きな人たちには響くんじゃないかしらん。

おじさんがメインの話といえば
児童小説でかつての子供達の心を鷲掴みしていた
「ズッコケ三人組」の大人バージョンもシンミリしてよかったです。
>「ズッコケ中年三人組
調べ直してみたら主人公たち熟年(50歳)にまでなってたよ!
那須先生完結してくださり、ありがとうございました!

女の生々しい話といえば私の中では山本文緒さんだけど、
58歳で逝去されてしまって
大変惜しい人を亡くしたという気持ちでいっぱいですわ。
読んでいると嫌な気持ちにさせられるんだけど、
そうなんだよね…っていうドロリとした女の背負っている影の部分を
えぐり出してくれるので読後感は嫌悪に近いものがあるけれど
それを持って歩いていかなくてはならない……
みたいな不思議な感覚になったものです。

本日お亡くなりになってしまったことが分かった
西村賢太さんの本は恥ずかしながら読んだことがないのですけれど
「暗渠の宿」と「どうで死ぬ身の一踊り」は読んでみたかったものなので
これを機に探して読んでみようかと思います。
風俗がお好きだったという俗っぽさも良いなぁと思う人だけに
まだお若いのに逝ってしまわれたのが悔やまれます。

読書は楽しいんだぜ。
ってことで本の世界に誘われてきます。
そんじゃまた!モイモイ。

*「奴隷のしつけ方」より
コメント
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