2007年も残りわずかになった。
毎年、この時期に思うこと・・・
それは、
「今年も、無事に生きることができてよかった・・・」
乳癌、肺癌と闘ってきた私が感じる、ささやかな喜びだ。
今まで何度か記事に書いてきたように、
私は1997年に右乳癌の宣告をされ、
乳房温存療法で手術をした。
その後、放射線治療、抗癌剤治療で再発、転移を予防したが、
残念ながら、
3年目(2000年)に再発。
その時も、乳房を残したいという私の願望で、
乳房温存療法の手術を選択した。
しかし、『乳房を残す』ということは、
そこへの再発の恐れがあり、
他の臓器への転移の可能性もあるということなので、
大きな決断だった。
抗癌剤は1錠→2錠に増えた。
抗癌剤が2錠になり、副作用はますますひどくなった。
非常に辛い日々となるが、
毎日、点滴をしながら体力をつけた。
でも、神様は意地悪・・・
担当医の言われることをきちんと守り、
治療を続け、努力した私に・・・
また・・・・
次の年(2001年)に、癌が再発した。
最悪だ・・・
マンモグラフィの写真を前にして、
「これ以上、乳房を残すと、生命に危険が及びます。」
担当医のこの言葉に、呆然とする私。
乳房を失うのは絶対に嫌だ。
でも、『死ぬ』のは、もっと嫌だ。
私は、乳房の全摘出を覚悟した。
2001年、全摘出の手術により、
私の右乳房は・・・失われた。
それでも・・・
私の不運は続いた。
乳房全摘出のため入院したときのCT検査で、
肺癌が見つかっていたのだ・・・。
私の右胸に乳房が無い・・・というだけでもショックなのに、
肺癌が見つかった衝撃は、計り知れないものがある。
私は、退院せずに、
そのまま、乳腺外科から呼吸器外科に病棟を移り、
肺癌の手術を受けた。
私にとって、2つの癌の闘病生活が始まる。
乳癌は半年に一回、
肺癌は3ヶ月に一回、定期的に検査を続けながら、
再発、転移という恐怖を乗り越えてきた。
そして・・・・
月日の流れは早く・・・
私の癌の闘病生活も、卒業するときがきた。
乳癌から10年、
肺癌から6年が過ぎて、
今年、2つの癌の治療が終了した。
「よく頑張りましたね・・・」
「ありがとうございます。」
担当医が手を出され、握手を交わした時、
感動して涙が溢れた。
この10年、私も苦しかったけれど、
再発して号泣する私、治療に苦しむ私を見て、
慰め役の担当の先生のご苦労も大変だったと思う。
乳癌と肺癌を克服した私は、
嬉しくてたまらない。
でも・・・
癌という病気は厄介で、
私のように複数の癌を経験した者にとっては、
これからも闘いが続く。
「一般の人より、癌になる可能性は高いと思われますので、
これからも必ず定期健診を受けてください」と言われた。
今までの乳癌、肺癌とは関係なく、
あらたに、また癌ができる心配がある。
思い起こせば・・・
乳癌が見つかったときは2、2センチでステージⅡの初期、
肺癌は、早期発見で、ステージ1Aだった。
現代の医学はすばらしい。
早期発見、早期治療であれば、
癌も治る時代になったといっても過言ではない。
そして、
今、私は・・・
医療に携わっている方への感謝はもちろん、
家族をはじめ、周りの方々の支えに感謝している。
私が今こうして元気でいれるのは、
皆様方のお陰だから。
そして、
今、癌と闘っている方々は、
大変な不安をお持ちでしょうが、
希望をもって治療を頑張ってほしいと思います。
苦しみのあとには、
必ず、明るく笑える日がくることを信じて・・・。