「鏡を家中に置く」
私の知人に、
六十歳を機に、
家中のいたるところ十ヶ所近くに、
鏡をおいたという人がいる。
それくらいの年になると、
もう年だから外見はどうでもいいや、
という気になる。
その気の緩みが、古めかしい服を着て、
背中を曲げ、
髪がぼさぼさでもいたし方ない、
という結果を招く。
しかし、それくらいの年からこそ、
人間は慎ましく努力して
人間であり続けなければならない。
そのためには差し当たり、
姿勢を正し、
髪も整え、
厚化粧ではなくても、
品のいい生き生きした老人でいなければならない。
と、思ったらこそ、
その人は鏡を十枚もおいたのだろう。
《 もの、お金、家、人づき合い、人生の後始末をしていく 》
~曽野綾子(小説家)「身辺整理、わたしのやり方」~
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