『和の美をめぐる50の言葉』【著者:木村 孝(たか)】
“日本を知りたい The Beauty of wa”
日本の伝統を美しい文章と写真で切り取ったフォトエッセイ集。
<2007年10月6日発売>
「暮らし」「嗜み(たしなみ)」「着物」「日本の色」「京都」の5つの章から構成されている。
日本人として、女性として、近頃忘れがちの「和の心」、
時代を越えて持ち続けたい「和の心」が、
さらりと読みやすく書いてあり、心に沁み入る。
大人の女性として、
身につけておきたい教養が詰まった素敵な本デス。
【木村 孝(たか) ☆☆ プロフィール】
1920年、京都の染色の家に生まれる。
京都生まれ京都育ちの女性。
10代で母と死別、跡取りとして厳しく父親の教育を受ける。
戦時中、京都新聞の記者として文化欄を担当。
戦後、家業の染色の仕事に戻り、
その後60歳まで染織家として個展を開くと共に、
文筆家、着物のアドバイザーとして、テレビ、雑誌などで幅広く活躍。
結婚後、夫の赴任先であるロンドンに5年間在住。
海外のテキスタイルを研究する傍ら、現地でも個展を開催。
現在も執筆、講演など「和の美」を伝える時代を超えた活躍を続けている。
☆★=☆★=☆★=☆★=☆★=☆★
「和の美をめぐる50の言葉」
この本の中から、一つ「おことわり」という記事(全文)をご紹介します。
「おことわり」
おことわりの極意は、相手も自分も気持ちよく。
下手な言い訳は逆効果。
「ありがとう」のひと言で、相手のやさしさを尊重することも大切。
「おことわり」には勇気がいります。
でも嫌々ながら誘いを受け、その後、重い気分を抱えるよりも、
理由を言ってきちんと断ったほうが、ずっと気持ちがいいと思います。
心がけたいのは、相手も自分も気持ちよくーーー
カドが立たない「おことわり」が無理をしない人間関係をつくるうえでは大切なことです。
「おことわり」のときには、
まず下手な嘘をつかないことです。
「先約がありますから」、「用事があるので」と理由をはっきり言いましょう。
あなたと出かけるのが嫌なのではなく、
「たまたま、その日の都合が悪い」と伝えることがいちばんです。
「何時にどこへ行く」という用事はなくても、
たとえば、「疲れているから家でのんびりしたい」という自分で決めた小さな予定でもいいと思います。
それも先約のうちではないでしょうか。
また「カドを立てない」ためには、「ありがとう」のひと言が大切です。
「誘っていただいて、ありがとう」という言葉をひと言つけ加えたうえでおことわりする。
それだけで、相手のやさしさが尊重され、
場の雰囲気もずいぶんと和むものです。
京都の人は、よく「ちょっと考えさせてもらいます」という言葉を使います。
これなどは、曖昧さの中に相手を傷つけないという気持ちを秘めた
「おことわり」の代表的な例だと思います。
婉曲的(えんきょくてき)な「おことわり」に長けた京都らしい表現といえます。
~木村 孝「和の美をめぐる50の言葉」~
全編にわたり、「和の美」とは周囲への心配りを表現したものだと
木村 孝さんは語っている。
他人への配慮を重んじる日本人ならではの、
真心に満ちた言葉、装い、暮らし・・・
知性と感性・・・
この本に書いてあることを日常の場面で意識しながら、
私も素敵な日本女性を心がけていきたい。
今年の誕生日に姉から贈られた本だが、
姉の話によると、
昨年秋発売当初は全国の書店で売り切れ状態だったらしい。
今、若い人の間にも、「和」は静かなブームのようだ。
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