なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

意志を継ぐ者大会

2024-10-13 | 
日ごろから親しみ深い人たちが集まった修験の壁。

今日は8人が修験に集った。
日差しはよいが風の強い1日。

最近来るたびにちょいちょい取り組む「意志を継ぐ者」12d。
自分を含め、8名中4名がトライするという稀な日。
早朝先に行って懸垂ヌン掛けした甲斐があるというもの。
しかも唯一の若者Fくんは、なんとフラッシュを決めるという快挙。

最近の相棒KGさんは、この日初の核心ガバ止めをこなす。
連チャン予定のタッシーは、相変わらずじわじわと時間をかけて確実にムーブを解明していく。

INさんは「狐の嫁入り」12c。
初触りなのにオーソドックスなムーブを自然に見付けてトップアウトを繰り返す。


リード4日目という若者SN氏は、KGさんにそそのかされて「陽当たり良好」マスタートライ。

そしてそのまま行けてしまう。
いやはや、秋空のめでたい日があるものだ。

あー、自分のことを忘れていた。
1便目に途中テンションはありつつも、核心ガバ止めが成功する。
2便目は、ガバ止め足置き確認。
確実にガバを止めるには、足の置き場所を上げていく必要があるが、なにせ強度が高い。
3便目、行く気はあったが力は不足。
あせると足が迷う…。
まだまだ楽しめる秋が続く。

ワイワイガヤガヤ、日差しと風を夕暮れまで堪能した。


まだ知らない岩があるものだ

2024-10-12 | 
今日は出かけないつもりだったが、天気が良い。
先週ベルギー岩から見えた小岩塔が気になったので見に行ってみることにする。
何度かオタモイや山中の三社神社から、赤岩の縦走路を歩いている。
ベルギー岩から眺めた感じだと縦走路の近くに見えた。
なぜ気付かなかったのかと、考えながら行ってみる。
なるほど、これは真夏は気付かないかもしれない。
縦走路からすぐなので、たいしたヤブもなく岩の基部に出る。
これは少し下りた東面。
黄色いところはラインが引けそうにも見える。
回り込んだ海側。
もろくはないが、岩が割れている感じに見える。
道側の基部。
ロープなしで登れたが、頂上部は割れ目が多く、大きな岩が乗っているだけに見える。
ふと横に目をやると、錆びたハーケンがあった。
登ろうとした方がいたのね。
先人は偉大です。
そして、緑色のクライマーがいた。
まあ、この方々が集う岩、ということでいいかな。
ちなみに場所はここ。


岩塔の上から赤岩山を眺める。
三つの岩塔から見えたのにこちらから岩塔は視認できなかった。
で、せっかく赤岩山の近くまで来たので行ってみることにする。
2回目かな。
昼食時間だったので、展望台まで歩く。
風に揺れるススキを眺めながら昼食。
よい秋空だ。

グリグリソロの実験をしてみようと思って、準備していたので車に戻り峠に回る。

この絵がとても分かりやすい。
ありがたい図だ。

奥チムニーに誰もいなかったので、ボルトと終了点が近い奥フェースで実験。
ロープの流れはスムーズだが、繰り出しに手間取る。
でも、落ちても安心なのはわかった。
練習したら、簡単なアルパインならやる気になるかな…。

44に知人が集っているようだったので、のぞきに行っておしゃべりした。
RPと張りつめたトライで充実感があふれていた。

これはこれで、天近くまで登った

2024-10-06 | 
昨日はクリスタルフェースで、天近くまでしか登れなかった。
今日は今日で、天近くの岩塔のてっぺんに上がってきた。
秋晴れの小道を通り、三つの岩塔へ向かう。
展望台からの刈り分けは、なぜかベルギー岩の上まではっきりついていて、一般アプローチルートのはずのドリョク岩までは、刈り分けが消えていた。
多少のヤブを漕いでドリョク岩の上に出る。

今年はステップが切られていなかった。

これまで切ってあったことがありがたいことだが、もう訪れる人が少なくなったのだろう。

一度、棚岩の下に荷物を置いて、ガッカリ岩北面に降りる。
「The Fore Play」6級+は、しっかりレイバックできる大好きなルートだ。
デシマルだと10aというところか…。
上部の数手はレイバックでスタンスの乏しいフェイスの足を上げていく必要がある。
その辺りは3番カムが決まるが、今回は忘れてしまった。
でも、全体的にナッツもヘキセントリックもよく決まる。
3番カム1個で、後はパッシブなしで行くのもおもしろいかもしれない。
今回は2人ともリードして楽しんだ。

棚岩下の本拠地に戻る。
ベルギー岩大チムニールート「マジックホール」がよく見える。
マジックホールは気軽に登れないので、小チムニールートを登る。
棚岩の上からベルギーの基部に行く通路が危なそうに見えたし、棚岩の下にいたので、そこから直接ピッチを切って上がることにする。
赤い四角で囲んだところを1p登って、小チムニールートの取付に行った。
出だしが少しずれてしまったが、これでベルギー岩は全ルート登った。

ベルギーてっぺんからセカンドのKGさんを見下ろす。
高度感が素晴らしい。

そして、この岩塔てっぺんは数ある岩塔の中でも一押しの場所だ。
西は塩谷の海岸から積丹半島まで一望。

東には西壁も見えるし、窓岩や摩天の迫力ある岩塔を見通せる。
そして、なにより居心地がいい。
このブログで過去2回書いたが岩のリクライニングに苔のじゅうたん。
広々快適安定空間だ。

居心地がよくても下りなければならない。
ケミカル2本とさびたハーケンだけでも十分安心だが、懸垂するのに残置ロープを交換した。
懸垂は、大チムニー側に降りる。
「マジックホール」登攀時の感動に思いを馳せるためだ。
人が通過中の場所が、大チムニーから出てくるところ。
出てくるところで体が降られそうになるのが怖おもしろい。
それにしても、この恐ろしげなルートの先に、先程の幸せてっぺんがあるというのがおもしろいでしょ。

最後は、棚岩下に戻りフリーを楽しむ。
しかし、この岩のフリールートには謎が多い。
KGさんは10dの「小樽の青い海」に打ちのめされ、かっぱは「ヤマブドウ」11bに手も足も出なかった。
フリーだけをやりにここに来る気にはなれないが、チョーク跡のないルートをやりたい人にはいいかもしれない。

赤岩峠には車がたくさんあったが、誰もに会わずに1日過ごした。
青い空と青い海に包まれた岩塔に立ててよき1日。

また、天まで登ってみようかな、と思った

2024-10-05 | 
西奥に多くのお仲間がいることがわかっていた。
しかし、西奥に行くとなると一旦核心を2つ越えて満足した「天まで登る」12bをやらなければならない。
実は「天近くまで登る」で終わっているのだ。
このルートに取り付くには、だいぶ根性がいる。
数日前から覚悟を決め、1便だけ出すことにしてクリスタルフェースへ向かう。
のんびり到着すると、既に「サバイバル」に取り付いている方がいた。
そして、赤壁クラックにはカムが決まっている。
知人だったので、話を聞くと「天まで登る」をやるつもりだと言う。
それなら回収してもらえるな、と思い、サバイバルでアップ後取り付く。
回収も結構大変なんです…、これ。

中間を少し超えたところで左に出るパートがある。
ここがとても怖い。
何度も行きつ戻りつして、何とか上部小ハングまでたどり着く。
ここからが未知ゾーン。
残り数mだが手強いし、パワフル。
おまけに怖い。
ここまで散々バランシー恐々ムーブをこなしているのに、ここにきて傾斜が+される。
もう、気持ちが頑張れない。
という訳でテンション。
それでも十分な充実感だった。

YDさんが初「天まで登る」をやり始める。
その下で、KGさんが「スパイダーショット」12cに取り組んでいる。
この2つのルートに一度に人が取り付いている瞬間は、滅多にないだろう。

同様に、「サバイバル」と「天まで登る」の2ショットも撮れた。
天まで、は、長い上に最上部までは傾斜がないバランシールートだ。
なので、必然的に取り付く時間がみんな長くなる。
その間に、下のルートを登るクライマーはどんどん入れ替わっていく。

すーさんの石狩湾練習を眺めたりしてから、44へ移動。
久々の「3F」11aをやって、自分の登りは終わり。
最後に羨望の目で、Fくんの「マグニチュード」12dトライを眺める。
今年は、まだ暖かい。
そして、昨年と大きく違い、ドングリが豊作だ。

頭ならびに腹 2days

2024-09-30 | 
ルート名をそのままタイトルに使うのは、初めてな気がする。
同行者と2日ツアーで、記憶に残る名ルートを2人で順番にRPできた。

かっぱは、この日1発RPを決めていた。
ウオーミングアップなしで登り始めることが多い。
そして、ワクワク感を抑えられずに落ちることが多い。
だからこの日は、落ち着いて行動するために、きちんとウオーミングアップをする。

ウオーミングアップは、なぜか「らぶ衛門」10a。
少し大きめのクラックは好きだが、リードすると怖い。
しかも、2人ともカムの4番とか5番とか持っていないので、小さい番数で工夫して登る。
それがまた、怖い。

「頭ならびに腹」の取り付きに行くと、若者が取り付いていた。
懸垂でヌン掛けしようと思っていたので、ありがたく借りる。
6月からで5回目のトライ。
前回でムーブは固まっている。
ボルト3本目からは全て不安要素がある。
しかし、どのボルトからも動く前にレストできるようになっている。
各駅レストでしっかりホールドを見定め、迷いなく進んだ。
心の余裕はないのに、力的には余裕がある、という珍しい状態。
時間をかけてRP。
嬉しい一本だ。

その後、すぐ隣の「妊娠3か月」5.9を登り終えた頃、若者が戻ってきた。
彼は、恐らく2便目での「頭ならびに腹」RP。
若さに感激で、喜びに包まれる。

同行KGさんは夕方まで粘るが、この日は登れず。
幸せなテン場で、星空に包まれて翌日の晴天祈願を願う。

祈願が効いて、快適な秋晴れ。
木漏れ日が祝福してくれている。

2日目のウオーミングアップは「蛍」5.10。
優しいクラックと微妙なマントル返しがおもしろい。
これは2番までのカムで対応できる。

そして、KGさんの「頭ならびに腹」トライ。
クラック帯を抜けて、ボルトの始まりからかなりきつい様子。
いつ落ちてもおかしくなさそうなのに、粘り、落ちない。
剝がされるのを必死で抑えているのが、体全体から伝わる。
緊張のビレイは核心を越えても続いた。
そして完全に上に抜けきった。

「頭ならびに腹」は、手持ちのトポでは11dとなっている。
が、ロック&スノー59号での北海道ベスト10ルートでは12a表記となっている。
経緯は分からないが、自分たちの価値は十分12だった。

さて、2日間のクールダウン。
朝、「蛍」をやったときに、となりにあったワイドクラックが気になった。
上の登山道を歩いている時に、終了点を見付けておいた。
そして、何とかTRをかけた。
試登してみる。

チムニーサイズは支点が取れない。
だから、TRで終わろうと思ったが、登ると奥にエイリアンサイズが決まる箇所を発見した。
さらに上部の水平クラックに3番が決まると判明。
3つ取れれば何とかなると思い、リードにチャレンジ。
エイリアンから3番までの間はランナウトだが、時々足がべったり置ける棚があるので、落ちない。
とても、楽しく抜けれた。
後で「如意棒」というルートだと分かった。
聞けば、上部の3番のみで登る設定らしい。
エイリアンが決まる箇所が見つかったおかげで、情報なしで安心登攀ができた。

フェースからワイドまで楽しめた2日間。
両日ともよい秋晴れに恵まれた。
月曜休みだったで日月のお話。