なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

ポカポカ木漏れ日輝く義経岩

2024-11-09 | 
9日土曜。
ONさん&HYさんコンビが義経岩へ行く情報を聞きつけ、向かう。
晩秋香る…、
輝く岩。

ONさんとともに『ジュスティーヌ』を探る。
が、しかし、毎度のことながら子ジュス終了点からのハング越えができない。
アンダーが苦手なのは重々承知。
解決を探るためにはアンダーに耐えるしかない。
初春と晩秋しかやらないから、進展がない。
学ぶべき何かを学ばなければ解決がない…。
くじけず、その先を少しやってみる。
上もまた、甘い、甘い。
ムーブで解決できるのか、パワーをつけねばらならぬのか…。
う~ん、ジュスティーヌ。

木漏れ日の中、HYさんのビレイも楽しい。
暑さで上着を投げ捨てる姿が素敵だ。

帯広勢と『スペシャルランチ』トライの熱を感じつつ…、
気付けば夕暮れ。
朱に染まる。

この日はどこぞで車中泊。
翌日のアヨロに向けて、飲んだり食べたり…。
一人静かに寒さに震えた。

挟まれて落ちない1日

2024-11-03 | 
サンロードが輝くアヨロに、また来た。
快適環境でクラック練習がしたい人にはうってつけだ。
2週間前に『渚から来た者』の終了点ロープを替えたが、少し短くて残置ビナが岩と干渉する。

なので取り換え便。
実は今までRPしていなかった。
最上部のクラックが広がるところに土が詰まっていて、ヌルっとしていた。
いつもそれを掃除して上がっていたので、RPできていなかった。
今回は2週前に掃除していたので、難なく抜ける。
レイバック~ちょい怖トラバース~フィンガークラックと多様でおもしろいルートだと思う。

続いて『楽園』

2週前にPP。
ここのジャムには完全に慣れたので労せずRP。
狭めのレイバックからハンド&フットジャムに切り替えるところがおもしろい。
久しぶりのT田さんも、初触りにもかかわらずRP

素晴らしい天気が全員の高揚感を演出する。

クラック体験祭りに参加するタッシーに『すきまチムニー』を勧める。
レイバック風の動きやスラブ足置き、チムニーっぽい動きが体感できる。

なんと暖かい1日だろう。
こんな場所で1日過ごせることは、本当に幸せだ。

『楽園』の奥に、ワイドチムニーがある。
トポにはないルートだが、これも終了点がある。
T田さんがでかいカムを持っているので初触り。
上部はチムニー内にフィンガークラックを確認していたので0.75とか1番で対応できる。

青空に抜けるように完登。
後でT田さんも楽しんでいた。
タッシーもKGさんもそれぞれがそれぞれの割れめ体験を楽しむ。

夕暮れが近付いて、駐車場そばに移動。
タッシーとT田さんに『風よけクラック』を勧める。

2人とも1撃。
すごいわ、みなさん。
その場にいた方々と『クロイダー』・『マントライザー』談議。
クロイダーは難しいなあ。

珍しくあちこち立ち寄りながらのんびり帰宅。
立ち寄った古本屋でありがたい本を見付けた。
スティーブハウスには悪いけど、350円で引き取った。
暖かい海岸で幸せに過ごしたので、脳内だけでも厳しい山岳の世界に親しもう。

RPのつもりで行ったが…

2024-10-27 | 
修験の壁。
思いのほか暖かく、風もない。
見渡す秋の景色に心を満たしながら、「意志を継ぐ者」12dに一人で懸垂ヌン掛けし、集いし方々が来られるのを待つ。

寒くなると困るので、後で陽当たる場所に宿をこしらえておく。
そうこうしているうちに、岩場に4人の方々集う。
珍客もお一方。
もう寒くて動けないのか、宿の中に入り込み、近くを触っても動かない。
暖かく過ごしてもらいたい。

「意志を継ぐ者」1便目、意気揚々と始めるが体が思うように動かない。
その横では、遠来のタッシーが、あちこち触って楽しんでいる。
KGさんとママさんは一緒に「意志を継ぐ者」に取り組む。
みな微妙にムーブが違う。
雑談程度にムーブ談議をして臨む2便目。
終わらせる気持ちが遠のく。
珍しくあせっているのか、足運びがスムーズにいかない。

だが、うまくいかないことで掴み方や足運びを再度深く考え始める。
そこにINさんも参加。

先日落としているタッシーも参加し、みなムーブが違うことを前提にINさんに好きなことを言う。
同じルートを前にムーブが違う人4人に見守られるってどんな気持ちだろう。それでもINさんは、最後に放たれた「ノリで行くんだよ。」という声のみを聞き、ノリで核心を越えた。
この美しい足運びに気持ちが踊った。
そしてその足運びに寄り核心デットを右手出しで越えていった。

ひとしきり、その話をして3便目を出したが、解決ならず。
今シーズンで終わらせるつもりだったが、もう修験は寒い。
今日の話をしっかり頭に納め、今シーズンの修験は終了。
多分、来年も同じ話をして、「去年も同じこと言ってたね。」と言うのだろう…。
クライミングって楽しいもんだ。

楽園で遊ぶ

2024-10-20 | 
近場はどこも気温が低そうなので、おとなしくしていようかとも思ったが、太平洋側の天気がよい。
どこかがよい天気だと居ても立ってもいられない。
アヨロでロープにGo!
ススキが揺れる時期の記憶はあまりないので、朝から感動。

以前から楽しんでいたクラックルート「楽園」10cが目的だが、付き合ってくれたEさんに楽しんでもらいたいがために「渚から来た者」10aを先にやる。
レイバック部分は楽しいが、上部抜け口のクラックが広がるところにいつも土がたまっていて、指が入らない。
そこに指が入らないから、いつも一発でトップアウトできない。
だからまだRPしていない。

すぐ横のボルルート「命のファイヤー」を見ると下地がすごく高くなっている。
写真は昨年11月のもの。
今は、赤い線から下は埋まっている。
下地が高いので、落ち着いて取り組めなかったトラバース部分が安全に練習できた。

さて、本命のクラック「楽園」。
これも下地が1m弱上がっているが、それは昨年の10月より前と同じ。
カムを決めながら抜けきりたいと思ったが、上部で3番カムを取り出すのに手間取った。
パンパンになった右腕では、最上部で広がるクラックを抑えきれずテンション。
カムは何とか全て決めたのですけどね…。
2便目はムーブにも慣れ楽に抜けられた。
そのうちカムを決めながら抜け切りたい。
KMBさんもトライ。
気持ちのよいラインだ。

ふと、海に目をやるとカモメたちが集まって騒いでいる。
岸辺でキラキラ輝くものが飛び跳ねているのが見える。
近付くと、カタクチイワシの稚魚。
青く輝き美しい。
下地の変化や草の生え方、波の当たり方などに加え、また新しい自然現象を見ることができた。
何度来ても違った景色を見せてくれてうれしい。

大好きな「スキマチムニー」が近いので、来る人来る人に勧める。

今日は新しい方、3名がやってみてくれた。

最初に登った「渚から来た者」をTRにしてあった。
このクラックもきれい。
上部に土がたまらなければいいのになあ…。

奥の浜は始終暖かい日差しに包まれていた。

「青春の門」をくぐる歳ではなかった

2024-10-14 | 
小樽赤岩東の大壁で登っていないアルパインルートは残り2つ。
そのうちの「逆層の凹角ルート」は、赤岩本の記述が嫌な感じなのでやめておくつもり。
もうひとつが「北西壁大ハングルート」。
しかも、この途中には「青春の門」という12bのフリールートがある。
登れるかどうかはともかく見に行くことにする。
素晴らしい青空に加え風も穏やか。
ピナクルに見送られ、大壁の頭に行く。

「青春の門」の終了点にストレートに出る方法を考えた。
「黒いリッジ」の5P目を懸垂する。
そこから10mほどeクラック方向に藪を歩き、適当な木で懸垂する。
すると、ちょうど青春の門の終了点、つまり北西壁大ハングルート2P目終了点に出られるはずと考えた。
真横に、「ウルシルンゼ」と一目で分かるルンゼを見ながら、懸垂すると
ドンピシャで終了点に出た。
この終了点の支点は比較的まともだった。
写真ではいろいろついているが、ハンガー3本にくされ細引きが通してあった。

ここからまっすぐ下りれば、青春の門のスタート地点に出るはずだ。
懸垂で、ラインを眺めて、あわよくばTRで楽しもうと考えていた。
しかし、ルートの傾斜がきつく、下りながらヌンチャクをかけるのが大変だった。
これは無理かと思いつつも、下から2ピン目までヌン掛けした。
3ピン目まではロープを通してきたにもかかわらず、傾斜がきつすぎてスタート地点に足が届かない。
しばらく空中で体を揺らして頑張るが、ホールドが悪く取り付けない。
仕方がないので、5mほど余分に下りて何とか岩をとらえた。
そしてS地点に上がる。
そこで愕然とした。
写真でセルフを取っているハンガーは動く。
そのボルト以外は、さびさびだ。
左上のくされカラビナが掛かるRCCボルトは、この後輪がちぎれた。
「ここでフリーのビレイする気にはならないね。」ということで、下りてくるKGさんにせっかくつけてきたヌンチャク回収をお願いする。
それがまた大変。

傾斜がきついんです。
2人の知恵と技を結集して、何とか回収をこなす。

今回は60mロープ1本で来ていたので、上の終了点から60m折り返しで中央バンドまで届いていた。
なので、そのまま下まで降りてもらう。


中央バンドでホッと一息。

気を取り直して、「北西壁大ハングルート」を登る。
「出だしが悪い」と書いてあるが、本当に悪い。
2P目は、先程のS地点から。
右と左があるが、左を行く。
赤い線が、赤岩本の図で示されていると考えられるライン。
ロープがかかっているのが「青春の門」(これは下りてくる時の写真)
オレンジが今回登ったライン。
赤ラインは中間部にスタンスを見い出せない。
カムが決まりそうな隙間もない。
ハーケンが2本あったが、さびさびで上のは輪がなくなっている。
だから赤ラインにはとても突っ込めない。

支点を取るためには右のクラックに頼る必要があるので、オレンジラインを登った。
クラックは上部で細くなる。
最後まではたどれない。
仕方がないので、クラックにカムを決めてから、右に出た。
カム地点から1mほど離れた場所で、左のホールドを探している時に、右手で捉えていた小さなホールドが崩壊。
当然、落ちる。
一瞬でカムが抜ける想像をして身構えたが、
カムが完全に止めてくれた。
ホッとして、気を取り直し、
カムの効きを再確認して、その少し下から左に向かう。
痛いカチホールドと小さいスタンスを3つつなぐ。
ホールドが壊れるか、スタンスが抜けるか…、
全身の毛が逆立つムーブをこなした。
とても怖かった。
ほんの2mなのにね。
この2P目、5級になっているが6級でいいと思った。
こんな怖さの5級は知らない。

3P目は、ウルシルンゼ沿い、半ヤブ漕ぎ。
この終了点は鎖付きでしっかりしている。
で、ここには下降点の松の木からのロープが伸びている。

大ハングルートの終了点へ向かう側は崩壊が激しいので、伸びているロープ沿いを上がっていく。
もうこの最終ピッチは使えない。
日の当たる美しく穏やかな海を眺め続けて、自分たちはずっと日陰に居た。
ここに来て、太陽の下に出た。
暑かった。

ホッとしながら、東の大壁は一区切り終えた気持ちになった。
窓から見える青空の美しいこと…。


雑感でしかないが…、
「青春の門」は1999年に吉田和正氏が初登したラインだ。
取り付くのが大変なので、あまり登られていないのだろう。
スタート支点がもう少ししっかりしていれば、トライする人も出てくるかしら…。