なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

海岸は爽やか

2024-08-24 | 
先日の積丹ツアーで、小樽の海岸が恋しくなった。

オタモイ方面を背にしながら、ガレ横エリアに向かう。
2016年頃ウロウロし始めた、赤岩海岸と山中海岸の中間地点にある場所だ。

山中海岸を進むと、チャラセナイの滝がある。
ここはいつも水量が多い。
小樽の海岸伝いは水が枯れない。
積丹と違い山の深さを物語る。

ガレ横エリア。

左がイクパスイ岩、中央が石斧岩、右が腰掛岩。
左の岩に「イクパスイ」という結構満足しているラインを引いた。

石斧岩と腰掛岩のハングが深くなっていた。

しかも、右の腰掛岩を覗き込むと、なんと下が向こうまで抜けていた。
ハングに取り付いていたら、こっちに倒れてくるんじゃないかと心配になり、1周してみた。
まあ、人間一人くらいの体重では倒れませんよね。
どちらの岩もガバガバなのでたいしたラインは引けません。でも、ハングが深くなっているので、アップ的に遊びにはいいですよ。

魚を釣って焼いて食おうかと思ったが、釣れなかった。
適当な釣りだから仕方ない。
つまらないから泳いだ。
キラキラした小魚がたくさんいた。
水中カメラを持って行かなかったのでお見せできないが、とてもきれいだった。

イクパスイからの巨岩地帯を抜けて赤岩を遠望しに行く。
右が赤黄のガレで、左上が西壁・西奥だ。
きっと知人が登っている。

このそばに冷泉が沸いている。
何もないところから水がこんこんと湧いている。
気にしなければ真水かと思うが、なめると温泉味。
湯の華っぽい部分もある。
流木はあるので、ドラム缶が落ちていれば温泉ができる。

赤岩側を遠望。

青い岩塔までは近い。
窓岩も確認できる。

祝津から塩谷くらいまで漕いでみたい気持ちが強くなった。
赤岩周辺は岩も海も素晴らしい。

輝く海 そして近づく秋

2024-08-18 | 
朝、コオロギの鳴き声が聞こえてくる季節になった。
ふと見ると、アカネトンボも見える。
それでもまだ夏のセバチ期間が続く。

今日のセバチは最高の天気。
新緑の季節以来の澄んだブルーに輝く海。
6月と違うのはセミの声。

Eさん、KGさん、ママさんと集う。
3人はトビーをやっている。
先日やって、おもしろさを再実感したので、マスター便で1本。



三者三様の登りがおもしろい。

函館勢もやってきた。
今年の函館勢はセバチ当たりがよい。
前回もほどよい岩の状態で、今回は最高級のセバチを味わっている。
そう、今日のセバチは天気だけでなく、岩もとてもよい状態。

家を出る時はあまりやる気がなかったので、楽しみ方をいろいろ考えた。
その一つがカレーライス作り。

米から炊いて、蒸らし時間でレトルトを温める。
予想通りにできて大満足。
メスティン、アルスト炊きの研究を終えた。

ご飯の前後で、手を付けていなかった「ありがとう」を始める。
「海へ来なさい」同様、傾斜部分で持久的に耐えた後にスラブ面が出てくる。
6ピン目、5ピンから遠くて何度も直上に躊躇するが、2便目は決死の覚悟で突っ込んだ。
割といい2㎝程のマッチから、遠くの1㎝幅縦ホールドを取りに行くムーブには痺れた。何とかトップアウト。
これからゆっくり楽しもう。

国際色豊かなこの岩場。
きょうも西欧系のみなさんもたくさん来ていた。

海とカレーで大満足の1日。
帰宅時の月が美しいこと…。

開拓のお手伝い

2024-08-17 | 
岩場に新しいラインを拓くことを「開拓」と表現する。
Dzさんが午後から人を探しているようだったので立候補。
赤岩祝津寄りの岩で、試登とボルト打ちビレイ。
お昼を小樽の眺めのよいところで食べようかと思い、早めに出発。
すると、今日も天気を深く考える現象に出会った。
札幌から出発し、銭函を越えると雨。
張碓~小樽築港間は土砂降りと言っても過言ではなかった。
ところが、小樽の街に入ると、ほぼ降雨なし。
祝津なんて完全に乾いていて降った形跡すらない。
赤岩峠の方は降ったらしいから、興味深い。

さて、午後1時に合流。
藪を分け入り、50m弱の懸垂で取り付きへ。

懸垂中の眺め。

下の浜、いいとこですね。

取り付きは、落ち着かない感じなので、落ち着く場所にしたい気持ちが働く。

ここにDzさんが3本のラインを引こうとしている。
1本は完成していて「シサム」というとのこと。

赤いラインがそうで、登らせてもらった。

左隣に2本のラインができつつある。

ラインの完成度を上げるための活動を手伝い、TRで試登させてもらった。
ムーブを固めていく過程は楽しいに違いない。

試登中だから、いろんなものが落ちてくる。
自分が登っている時も、欠けたり取れたりした。
「そうだよなあ。開拓ってそういうことだよなあ。」と思う。
赤岩全体が開かれていく時代、どれだけ落石が起きたり起こしたりしたのだろう。
つまり、先人の偉大さと時代の大らかさを改めて深く感じ入った、ということ。
中身の濃い半日。

こんな天気なのに積丹ツアー②

2024-08-16 | カヌー・水遊び
浜婦美で一夜。
21時過ぎに寝ただろうか。
夜中に雨音と波音。

目覚めるほどではないが、ぼんやり聞こえる。
起きてみると、周囲はぐっしょり。
ザーザー降りというほどではないが、雨具は欲しい降り方だ。
「タープ張っておいてよかったね。」とのん気な会話。
「波高いなあ。」というのも、のん気な会話。
なぜなら回復傾向だとまだ信じているから…。

2人ともそこそこじじいなので、4時には起きていた。
コーヒーを飲んで、朝飯をゆっくり食べた。
流木集め以外は、ほぼタープの下で過ごす。
6時を過ぎても、7時を過ぎても雨は止まない。
波の高さは変わらない。
岸近くは白波を立てている。
「廃屋の探検でもするか…。」と動き出す。

近くで見ると、ほんとに迫力がある。
中はボロボロだったが、茶箪笥にコップや皿、お銚子などが並んでいて、飲み交わす漁師の声が聞こえるようだった。

8時を過ぎると雨は前日と同じ霧雨になった。
そして、海の奥に明るい場所が見える。
波は変わらないが、待つのも飽きたので「岸近くの波を抜けられれば大丈夫。」と判断し、9時前から出発準備。

9時半に出発。ゴールの茶津に向かう。
白波地帯を抜け出すと、波というよりうねりが高い。
岸近くからは、ザッパーンという分かりやすい波の音が聞こえ、白い飛沫が見える。
しかし、沖の波は、うねりなので白波は立たない。
これぐらいなら、よほど油断しなければ、カヤックは大きくゆ~らゆ~らと揺られるだけ。
ちなみに風はほぼ無風です。

迫力のある眺めを遠目で見ながら進む。
白波が激しいので、岸に寄る気にならない。
海蝕洞窟がたくさん見える。
のぞきたい気持ちを抑えて、地図に記録を残す。

岸に寄らないから、おやつも船の上。
パクパク食べて横を見ると、波間で時々Uが見えなくなる。
大きなうねりは、ゆったりと来る。
沖でのどんな状態が波を産んでいるのだろう?

宝島が見えてきた。
向かいは、ピヤノ岬。
ピヤノ岬周辺ものぞきたいところがたくさんあるが、次の晴天の機会を願おう。

休まず浮かび、波もどちらかというと進む方に味方したので、のんびり船でも
3時間かからず、茶津に到着。

車を回収するのに入舸に戻ると、入舸の海は凪。
普段のイメージと逆だ。
前日のことを考えると、マッカ岬辺りに波の変わり目があるのだろう。

帰宅後天気図を確認。
出発前は北向きに進むと思っていた日本海の熱低が南西に進んでいる。
周辺の低気圧も高気圧もそんなに強さが変わらないから、結果、ほぼ無風で、低く雲がたまる場所ができ、山や谷の地形に合わせて雨が降るのはわかる。
だけど、波は難しい。

それから、29年物の船。
さすがに安心して漕ぐのは、もう限界かな…。

こんな天気なのに積丹ツアー①

2024-08-16 | カヌー・水遊び
12日~16日くらいの間で海で1泊したいものだ、と相談していた。
13日段階では、15日の予報は曇りだが、波が最も穏やかに思えた。
風向きも西に近い向きだろうと考え、14日に入舸発で1泊積丹カヤックツアー決行。

途中の海沿いのミスト状態は折り込み済み。
入舸に着くと予定通り、海は凪。
喜び勇むが、ボケボケおじさん2人組、相棒Uが大きな忘れ物をしたり、かっぱが比較的どうでもいいものを忘れたかどうか分からず探したり、29年経っている船のあちこちから老朽化による支障が出てきたり、と、なかなか出発できない。
結局、12時ごろの出発となった。

出艇すると、すぐにルシ岬。
そして、回り込むと、積丹クラックエリアが見える。
ここは一度登りに連れてきてもらったことがある。
先に海から見たら、あんなところを登ろうとは思わない…。

いつもなら、岩の間などにいちいち入り込んだり、ちょっと上陸して泳いだりしながら漕いでいる。
だけど、曇り空だとあまり覗き込みたくならないので、どんどん進んでいく。
それでも眺めは迫力あって楽しい。

島武意海岸の前を通過する。
展望台には人が見える。
そこそこの観光地らしい。
日本の渚百選の一つだとか…。

島武意海岸沿いを進むと「出岬」がある。
ここは迫力ある岬だ。
まだ海は凪。
とても漕ぎやすい。
天気がよければ、黄色と黒の岩や地肌と夏の緑に加えて、輝く海のブルーが合わさるのだろうなあ、と少し寂しく思いながら漕いでいると、カンボジアっぽい仏像が現れて、ありがたい気持ちになった。


続いて女郎小岩。
この岩はどこから見ても、着物っぽい女性に見える。
シララ姫というお名前だそうで、義経さんを忍んでいるようですね。

幌武意漁港を遠めに通過。
ピリカ岬からまっすぐマッカ岬に向かった。
マッカ岬も迫力ある景観だ。
左の岩は、地形図では島のように書かれている。
隙間をのぞいたが、岩礁が浅くてカヤックでもぎりぎりそうだった。

天気が怪しくなってきた。
マッカ岬から急に船が進みにくいと感じた。
波はないが底からのうねりが逆流しているような感じ。
思えば、これが翌日の兆しだったか…。

地形図にある浜婦美への山道の最奥のところに廃屋があった。
背景は100mの垂直な壁。
すごいところに立てたものだ。

浜婦美をテン場にする。
水が取れるし、一応車道に出られる道があるようだ。
電波はなし。

眺めと酒と焚き火で幸せな夜。
この時は、まだ翌日の方が天候条件がよいと思っている。
しかし、そううまくは行かないのであった…。
つづく。