なちゅらる Hi !

かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

オープンな爽やかさ

2024-03-20 | 雪の山
倶知安方面から登りたい山があった。
だが、峠前からずっと雪、峠を越えてもわさわさ降っていて500mより上は白い世界。
単独だし、長いからこちらはパス。
近場で雲がかかっていなさそうな「三宅森」という三等三角点Peakに転進。
こんなところを数年前から目を付けているのもどうかと思うが、場所的には中山峠蓬莱山稜線とつながっていて色々と興味深い場所だった。
どこまで除雪されているか確認に行くのが面倒で、たいしたことないと困るから人と行くのはためらわれる場所だった。
単独転進だから丁度いいと思い、行ってみるとびっくりするほど奥まで除雪されていた。

この道は最近除雪されたようだったが、アスファルト舗装も結構奥まで続いていて驚いた。

歩き出すとすぐにオープンな沢型が広がって驚く。

周囲の稜線樹林も密ではなく、オープンな感じ。

林道を詰めようと思っていたが、オープン感に誘われて稜線に上がってみる。
すると稜線上も樹林が少ないオープン広場が続いている。

神様からご褒美をいただいたような気分で歩を進める。
常にオープンなので眺めがいい。

羊蹄、尻別をこんな風に並んで眺める景色は初めてかもしれない。
反対側に目をやると、徳舜別~オロフレ稜線もよく見える。


Peak直前の緩やかな登りは細いカンバ帯。
三宅森916m Peak。

Peakのみ広場になっているが、周囲はカンバ帯で平らなPeakなので展望はない。

沢型に滑り込むことも考えたが、登りがあまりに気持ちよかったので、途中まで登りとほぼ同じルートを戻る。

ゆったりした斜面を広々と滑る。
気持ちいい。

これ見ながら滑るのですから…。

少し風があったので昼食をどうしようか考えていると、おあつらえ向きの場所があった。

ビックな山々は見えないがオープン感はある。その上、風を防げて暖かい。
このすぐ横は岩が続いている。

こういう変化は楽しい。

ここからは沢に滑り込むだけだが、どこもそこそこオープンなので、どう行こうか迷う。

少し滑っては、スタート地点に近づく形で稜線へトラバース気味に登り返して数回滑った。


この知来別川沿いは両岸ともオープンな場所が多い。
滑り重視の人には物足りないかもしれないが、ウロウロおじさんには十分楽しい。
天気のいい日のウロウロツアーにもってこいのいい場所を見つけた。

マイノリティ・リポート

2024-03-09 | 雪の山
久しぶり(おそらく10年以上)ぶりのキロロ周辺のBC。
おまけに数年ぶりの山ボード。
山中で会ったのは、みな太板ヒャッホーの英語圏の方々。
気が付けば雪山マイノリティによるレポート。
天気があまりよくないのは承知の上、パウダージャンキー時代を思い出しわしわし登った満足day。

愛用のスノーシューは、経年劣化でバンドがボロボロになっていた。

2月に数週間かけて調べ、代用品?になりそうな布バンドを見つけておいた。
これを試したいのも目的のひとつ。

沢型を抜けると、992mと1107mの間の沢型が広がる。

右手の尾根を上がる。

天気はだんだん悪くなる。
白い世界で風が強く寒い。
こんな日に限ってツェルトを忘れたので穴を掘り出す。
風よけでいろんな工夫をしていると、だんだんおもしろくなってきてしまい半雪洞ができてしまった。
天気はよくなっていたが、まあいいや、ということでのんびりお昼。

今シーズン最高地点の昼ご飯。

東向き斜面はあまりいい雪ではなかったが、とりあえず滑る。

天候も安定してきて満足度が高い。

谷まで下りて、1107mへ登り返す。

相棒Uは太板なのでトレースが合わない。
久々の急斜面シューラッセルを黙々とこなし、高度をかせぐ。

1107mPeak付近は風も穏やか。

高度感がうれしい。


阿女鱒岳へのルートを見定めつつ、少し眺めを楽しんで、お楽しみの沢型に踏み出す。

ボードはスピードが出るので顔が冷たい。
でも眺めもいいし、雪もいい。

弾んで滑るか、スプレーを飛ばすか、と贅沢な悩みを脳内にため込み、久しぶりの乗り心地を楽しむ。

転んでないのに体中雪だらけ。
ボートは雪と遊んでいる感が強くていい。
新しいバンドのスノーシューも、思いのほかしっかりとブーツを掴んでくれてとても満足。

海外から人が滑りたくなる場所を、簡単に楽しめることに感慨を深め満足に浸る。
今夜の酒はうまい。

今シーズンも1000mを越えることができた

2024-03-03 | 雪の山
先週は所用にて外遊びを外してしまった。
どこもガリガリを懸念していると、土曜にいい感じで積雪があった。
数回見送ったオロフレ山、北から登る企画を実行に移す。

スタート地点についてびっくり!
しょうたろさん、Ogiさんパーティーがいる。
こんなところから登ろうと考える人がいることに感動を覚えながら一緒に登ることにする。


天気も上々。

4人パーティーになったので、ラッセルが気にならないからみなさん速い。
なんだか意地になって急登を登る。


947mに続く稜線に出る。歩きやすく快適。

風は穏やか、そして晴れてきた稜線を特に苦労なく進む。
947mPeakを通過し、先行きを眺める。

1049mPの登りは、風でガシャガシャしている。
雪付きも悪く、それぞれ思い思いの登り方でクリア。
反対側は楽しく滑れる斜面で雪質もよい。
この辺りは風向きがころころ変わるらしく雪庇や硬い場所が分散している。

ゆるやかにオロフレ山稜線に入る。
ちびカンバが多いが、天気よく樹氷が美しいので気にならない。


見通しもよくなり広い稜線を進む。


太陽にも導かれ、どんどんPeakが近づいてくる。


こういう山は、顔がニヤニヤしてしまう。

オロフレ山1320mPeak。

奥には、昨シーズン歩いたオロオロ~ホロホロ~徳舜別が白く輝いている。
あそこを歩いたなあ、という感慨もいい。
太平洋から洞爺湖までの展望も楽しみながら、お昼ご飯。

さてさて下りのお楽しみタイム。
まずはちびカンバごちゃごちゃ帯を軽やかに滑る。


1049mは北面をトラバースできたので登らずパス。
947mまで、幸せ稜線をシューっと戻り、滑る斜面を見定める。

ヒャッホータイム。

かっぱにはちょっと荷が重い急斜面だったが、雪がよい。

いい感じのスプレーをバチっと撮っていただきました。

何だか素敵な671m広々台地に立ち寄り、滑った斜面を眺めながらのよもやま話。
急ごしらえパーティーの楽しいひと時。

最後は適当に下って林道へ戻る。
地図を眺めて、どう登るか考えて、条件のよい時を見定める。
そして、思った以上に楽しい要素が予想を上回る今回のような山歩きは本当に楽しい。
あ、今日もウロコパーティーでした。

これはなかなかの天狗

2024-02-17 | 雪の山
初めて名前を聞いたのは多分16年前。

増毛の天狗岳。
広い台地、標高差900m越え。急登と急斜面辺などなど、魅力満載。
今シーズンはチャンスをねらっていた。
でも雄冬、増毛辺りは天候が安定しないと何かと不安。
しかも最近気温の上昇が著しい。
翌日はまた気温が急上昇しそうだし、今日は高気圧が張り出していることから考えると、チャンスと思い、現地へ向かう。


久々のsea to summitに出発。

出だしは雑木の多い急登。
ガリガリの上にふわっと積もった状態に少々不安が走る。
Uと2人、巧みなラインどりとシールワークで急登をこなし稜線に出る。

目的のpeak台地が見えてきた。

三角点名「歩古丹」という719mpeakを通過する頃には、周囲の山々のガスもほぼなくなってきた。

654mコルがなかなか深い。
横には、なんだか気になる立派な岩塔が見えた。


またまた急登を登っていくと天狗peak近づいてきた。
海までの眺めがよい。

台地の上の一番近いpeakは、最後の急登を50m登ったところにある。

風でたたかれたpeak直前はシールが効かない。
それぞれ工夫して急斜面をこなす。

まずは手前の944mpeak.

次に一番高い973mを目指して、無風の広々、幸せ台地を歩く。


一番高い973mpeakの眺めは最高。

雄冬山から群別や奥徳富岳まで稜線も見えるし、当然暑寒別も見える。
風もほぼないので、ゆったりお食事。


帰路は手前のpeakからダイレクトに滑ることも考えたが、雪付き条件が見通せない。
安全策第一でコルまで戻って滑り降りることにする。
よく走る雪なので、十分滑りを堪能する。


コルからの下りは雑木が多すぎ少々手こずるが、特に問題なく滑り下りた。
下からpeak直下斜面を改めて眺める。
青いラインを滑ってみたかった。

樹林体がほぼ上から下まで続いている。
条件がよければいけると思う。でももう来ないかな…。

海からだから単純に標高分が標高差。
条件を見定めて気持ちよく登れた。

身も心も充実するためには条件が整う必要がある

2024-02-11 | 雪の山
桃内毛無山から遠藤山を経て、塩谷丸山に行ってみた。
その辺の低山3つつなぎ。
大先輩の一人S水さんが付き合ってくれた。
途中人と会わず、2人でのラッセルは深く、天気は手頃、稜線は快適。
軽い雪ではないけど、踏むとぽわっと浮く感じの雪もよく、体は疲れ、心は充足した。

出だしは林道。

ショートカット後に気付いたが、除雪が入ったような感じがけっこう上まで続く。
尾根も広く登りやすい。

3時間ほどで桃内毛無山Peak。

ヤブの低山Peakに着いただけなのに、結構満足。

稜線を行く。

こんな大きな針葉樹の森とカンバの森、植林細め針葉樹の森が、交代で出てくる広い尾根。
静かでいい。

遠藤山Peak。

ここは2度目。
ただのポコっぽいが、なぜか明るく清々しい。

ちょっと滑る。


このコースを考えたきっかけが、塩谷丸山西斜面の崖マーク。
ピーク岩稜と同じようなのが下にもあるのかと考えた。

近くで見てみたくてこのコースを考えた。
特に向かって右がよさげな感じがするのだが、下るときは頭が安全第一で働いていて、右の一番大きい岩塊のことをすっかり忘れていた。
また来るかなあ。

遠藤山からゆったり灌木稜線を塩谷丸山まで歩く。
手前で438mまで下るので、丸山がでかい。
でも、ここだけラッセル痕があり、この急な登りをラッセルなしで行けたのはありがたかった。

普段はラッセルをしたい方だが、今日は心からありがたいと思った。

塩谷丸山Peakから、登路を眺める。

周回コースを取ると足跡が眺められるのがよい。
自己満足を重ねられる。

塩谷丸山からは何度も滑っているが、これまで滑っていない面にシューっと下りていく。

西日が当たってキラキラする斜面を滑り降りた。