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かっぱの心をうるおす、山・川・岩・海などの小さな自然。主に北海道の話。

マジックホール

2020-10-09 | 
珍しく2週間前もから今日登る計画を立てた。
ベルギー岩東面大チムニールート「マジックホール」。赤岩6級コレクションシリーズである。

7年前、何も考えずに突っ込んだらギア不足で行けなかった
平日休みとなった今日、旧知のカノマーにキャメ5番の調達とお付き合いを頼み足を伸ばす。

先週、労山の大御所に、3つの岩塔に行く旨を話すと、苅分け作ってステップを刻んだ話を聞いていた。

両方ともありがたく使わせていただく。

取付きへ。

1p目。
以前にも増して、ホールドが取れるわ、スタンスが抜けるわでビビる。
7年前、敗退用に残置したチョックストーン巻きロープが健在。
安心ランニングとして、マジックホール内に突っ込む。

クラック内を上がっていくので、常に足元は空間。
クラックを上がるがジャミングは使えない。
いろんな格好で登り、やがて頭がごんごんぶつかる。

苦し紛れに4番を決めると、動きが悪いことに気付き、少し上に下から5番を決めて4番をずらそうと試みる。
その4番がスタック。
真下が10mくらい空いた空間で、前は膝、後ろはおしりでロックして格闘10分。
借り物カム救出。

いよいよ寸詰まりのチムニーから、外へ飛び出す。
これが怖い。

5番カムは1mほど奥で、まあ効いている。
完全に体を出して、いいホールドをつかむには振られそうな体勢にならねばならない。
でも振られたら落ちる。
無我夢中! 微妙なバランスで抜け出した。
そこからは垂直ガバ天国クラック。
これでまだ半分くらいなので普通なら怖がっているはずだが、声が漏れる怖さを通過した後なのでなんでもない。

てっぺんに到達。
すぐにセカンドフォロー。

いくつか登った岩塔の中で、ここが最も快適なてっぺん。
眺めよし、リクライニング、ふかふかの座布団付き。

怖さの後の快適スペースが「幸せ」を生む。
男2人でのんびりまったり。

ここまでのギア。

穴の中は腐れリングと腐れハーケンなので落ちれません。
特にリングは、落ちたら確実に切れるでしょう。静加重もかける気がしない。

幸せだけど仕方がないので下りる。


2人とも心を消耗したので、棚岩前で休憩。


付き合ってくれたお礼にカノマーにガッカリ岩、北面直上クラック「The Fore Play」のリードをプレゼント。

嬉しそうに登ってくれてよかった。

カノマーが、最後に棚岩のフリーでも試してみるというのでビレイ。

少し心が動いたが、チマチマホールドに滑るスタンスでドキドキクライミングなようだったのでやめておく。

「マジックホール」とベルギー岩てっぺんだけで、心も体も十分満足!





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