家族の虚飾を暴く“辛口ホームドラマ”としては森田芳光の「家族ゲーム」が最高で、本作もそれを凌ぐものでは全くない。
ドラマは不幸な生い立ちの主人公が、それを反面教師として“何でも話し合える家族”を構築しようとしたものの、それが徒労に過ぎないことを知るまでを描く。つまりは筋書きとしては単純で、主題を蕩々と登場人物に語らせる場面も目立ち、脱力してしまうラストも含めて、早い話が“語るに落ちる”というレベルだ。
しかし、健闘はしていると思う。何より映像の構築力には一目置かれるものがある。舞台は首都圏のニュータウン。これが見た目は小綺麗だが、人間味がまったく感じられない。別に人通りが少ないわけでもないのに、何やら町の有機的な部分が欠落しているような病的なものを感じる。
そしてグルグルと回るカメラ。ヒロインの心の揺れを表現しているのは明白だが、移動速度とアングルには細心の注意が払われており、図式的なクサさをほとんど感じさせない。
キャスティングも万全だ。女優として全力投球している感じの小泉今日子と軽佻浮薄なダンナ役の板尾創路とのコンビは絶妙。永作博美のキチ○イぶりも楽しい。圧巻はヒロインの母親を演じる大楠道代で、鉄火肌のクソババアを憎々しく好演。彼女とダンナの愛人役のソニンとの喧嘩シーンだけで入場料のモトは取れる(爆)。豊田利晃監督の今後にも期待しよう・・・・とは言っても、不祥事でパクられた彼の“次の仕事”がいつになるのか誰にも分からないが・・・・(汗 ^^;)。
ドラマは不幸な生い立ちの主人公が、それを反面教師として“何でも話し合える家族”を構築しようとしたものの、それが徒労に過ぎないことを知るまでを描く。つまりは筋書きとしては単純で、主題を蕩々と登場人物に語らせる場面も目立ち、脱力してしまうラストも含めて、早い話が“語るに落ちる”というレベルだ。
しかし、健闘はしていると思う。何より映像の構築力には一目置かれるものがある。舞台は首都圏のニュータウン。これが見た目は小綺麗だが、人間味がまったく感じられない。別に人通りが少ないわけでもないのに、何やら町の有機的な部分が欠落しているような病的なものを感じる。
そしてグルグルと回るカメラ。ヒロインの心の揺れを表現しているのは明白だが、移動速度とアングルには細心の注意が払われており、図式的なクサさをほとんど感じさせない。
キャスティングも万全だ。女優として全力投球している感じの小泉今日子と軽佻浮薄なダンナ役の板尾創路とのコンビは絶妙。永作博美のキチ○イぶりも楽しい。圧巻はヒロインの母親を演じる大楠道代で、鉄火肌のクソババアを憎々しく好演。彼女とダンナの愛人役のソニンとの喧嘩シーンだけで入場料のモトは取れる(爆)。豊田利晃監督の今後にも期待しよう・・・・とは言っても、不祥事でパクられた彼の“次の仕事”がいつになるのか誰にも分からないが・・・・(汗 ^^;)。
