オーディオねたに関連するわけでもないのだが、現在使っているアンプを買い換えるとして、今後は古い方を下取りに出せないし、中古屋に売ることも出来なくなる。そう、昨今話題の「電気用品安全法」とやらが4月より完全施行されるからだ。この法律、社会全体に及ぼす悪影響は計り知れないものがある。
まず、家電品を扱っているリサイクルショップの多くは困り果ててしまうだろう。もしも続けたかったら経済産業省に申請して面倒くさい検査手続きを経た上で当該機関から「PSEマーク」をもらってようやく販売ができるらしいが、その費用と手間は販売業者の負担。当然、その商品に対する全責任をも(製造業者でもないのに)負うことになり、そんな悪条件で商売をやれという方が無理である。
そして、家電品の修理なんかで日銭を稼いでいる零細電器屋も打撃を受ける。古い家電品は修理したくても出来ないのだ。新品を売ろうとしても値引率や品揃えでは大手電器店に対抗出来るはずもない。結果、多くの廃業者を出すことになろう。
払い下げの電気機械を使用している町工場も深刻だ。もしも使用している製造機械が故障したらアウトなのである。これでは大口の注文も取れないどころか、事業計画さえ組めなくなる。まさに死活問題。
消費者側も実に困る。電化製品の新しい機能なんて覚えられないし覚える気もない年寄りはどうするのか。長年使い慣れた製品がちょっと壊れたから修理して貰おうと思っても、それが出来なくなる。なけなしの年金から新品電器製品を買う費用を捻出させ、老体にムチ打たせて使い方を一から覚えさせて、いったい何になるというのか。
新品家電品を買えない貧乏社会人や日用品を安く調達したい貧乏学生はどうするんだ。音楽をやりたい貧乏な若造連中はどうやって電気楽器を調達するのか。ヴィンテージもののエレキギターや電子オルガンもほとんどが売買禁止だ。“名器”と呼ばれるオーディオ製品も手に入らなくなる。ムーグだのアープだのといった古いシンセサイザーも使えなくなるというのでミュージシャン達が抗議の声を上げているが、それも当然だ。
だいたい“壊れたら修理して長く使う”“要らなくなったら欲しい人に譲る”という正常な庶民の在り方を破壊しようとしているのが気にくわない。「もったいない」(by環境省)というスローガンが聞いて呆れる。この法律は国民に“モノを大事にせずに、使い捨てる”という非道な生活様式を強要するものである。
で、この法律でトクをするのは誰か。言うまでもなく大手電器メーカーの幹部だ。消費者にコンスタントに新品を買わせて無駄な出費を強制し、自分達だけウハウハである。そして、どうせ買う側は使い捨てにしか出来ないので、製品の耐久性などについてはどんどん手を抜いてくる。堅牢で動作確実性の高い製品より、保証期間過ぎたらすぐに壊れる製品こそがメーカーにとって望ましくなるのだ。そんな製品は国内で作る必要はない。人件費の安い中国にすべて丸投げだ。よって国内の製造拠点はリストラされ、産業空洞化は進み、ますますデフレ圧力は高まるというわけだ。
さらにはこの「PSEマーク」を付与する検査機関とやらもすべて官僚の天下りになることが予想されているという。何のことはない。例の建築基準法改悪による姉歯系マンションの続出と構図は全く一緒ではないか。
そして最近知ったのだが、経済産業省は松下電器産業が製造した石油温風機のトラブルを受けて、購入から一定期間がたつと製品が作動しなくなる「タイムスタンプ」機能を商品に付けるような方向で制度整備を検討しているという(唖然)。これが実現したら、我々国民は生活財の使用様式まで“お上”に規制されることになる。不具合が見つかったら今回松下がやったようにマスメディアで周知して回収すればいい話。製品の瑕疵を隠蔽するがごとく最初から自爆装置つけて定期的に買い換えてもらおうなど、まさに愚の骨頂だ。いったい、いつから日本は社会主義国になったのだろう。
改革の名を借りた生活破壊・文化破壊はとどまることを知らず、“官から民へ”なんてのは口当たりが良いだけのスローガンであり、実のところ「政・官・財」の利権支配を助長するだけの現政権の欺瞞性にまだ多くの国民が気づいていないとは、ほとほと困った状況であると、改めて思う。
まず、家電品を扱っているリサイクルショップの多くは困り果ててしまうだろう。もしも続けたかったら経済産業省に申請して面倒くさい検査手続きを経た上で当該機関から「PSEマーク」をもらってようやく販売ができるらしいが、その費用と手間は販売業者の負担。当然、その商品に対する全責任をも(製造業者でもないのに)負うことになり、そんな悪条件で商売をやれという方が無理である。
そして、家電品の修理なんかで日銭を稼いでいる零細電器屋も打撃を受ける。古い家電品は修理したくても出来ないのだ。新品を売ろうとしても値引率や品揃えでは大手電器店に対抗出来るはずもない。結果、多くの廃業者を出すことになろう。
払い下げの電気機械を使用している町工場も深刻だ。もしも使用している製造機械が故障したらアウトなのである。これでは大口の注文も取れないどころか、事業計画さえ組めなくなる。まさに死活問題。
消費者側も実に困る。電化製品の新しい機能なんて覚えられないし覚える気もない年寄りはどうするのか。長年使い慣れた製品がちょっと壊れたから修理して貰おうと思っても、それが出来なくなる。なけなしの年金から新品電器製品を買う費用を捻出させ、老体にムチ打たせて使い方を一から覚えさせて、いったい何になるというのか。
新品家電品を買えない貧乏社会人や日用品を安く調達したい貧乏学生はどうするんだ。音楽をやりたい貧乏な若造連中はどうやって電気楽器を調達するのか。ヴィンテージもののエレキギターや電子オルガンもほとんどが売買禁止だ。“名器”と呼ばれるオーディオ製品も手に入らなくなる。ムーグだのアープだのといった古いシンセサイザーも使えなくなるというのでミュージシャン達が抗議の声を上げているが、それも当然だ。
だいたい“壊れたら修理して長く使う”“要らなくなったら欲しい人に譲る”という正常な庶民の在り方を破壊しようとしているのが気にくわない。「もったいない」(by環境省)というスローガンが聞いて呆れる。この法律は国民に“モノを大事にせずに、使い捨てる”という非道な生活様式を強要するものである。
で、この法律でトクをするのは誰か。言うまでもなく大手電器メーカーの幹部だ。消費者にコンスタントに新品を買わせて無駄な出費を強制し、自分達だけウハウハである。そして、どうせ買う側は使い捨てにしか出来ないので、製品の耐久性などについてはどんどん手を抜いてくる。堅牢で動作確実性の高い製品より、保証期間過ぎたらすぐに壊れる製品こそがメーカーにとって望ましくなるのだ。そんな製品は国内で作る必要はない。人件費の安い中国にすべて丸投げだ。よって国内の製造拠点はリストラされ、産業空洞化は進み、ますますデフレ圧力は高まるというわけだ。
さらにはこの「PSEマーク」を付与する検査機関とやらもすべて官僚の天下りになることが予想されているという。何のことはない。例の建築基準法改悪による姉歯系マンションの続出と構図は全く一緒ではないか。
そして最近知ったのだが、経済産業省は松下電器産業が製造した石油温風機のトラブルを受けて、購入から一定期間がたつと製品が作動しなくなる「タイムスタンプ」機能を商品に付けるような方向で制度整備を検討しているという(唖然)。これが実現したら、我々国民は生活財の使用様式まで“お上”に規制されることになる。不具合が見つかったら今回松下がやったようにマスメディアで周知して回収すればいい話。製品の瑕疵を隠蔽するがごとく最初から自爆装置つけて定期的に買い換えてもらおうなど、まさに愚の骨頂だ。いったい、いつから日本は社会主義国になったのだろう。
改革の名を借りた生活破壊・文化破壊はとどまることを知らず、“官から民へ”なんてのは口当たりが良いだけのスローガンであり、実のところ「政・官・財」の利権支配を助長するだけの現政権の欺瞞性にまだ多くの国民が気づいていないとは、ほとほと困った状況であると、改めて思う。

