元・副会長のCinema Days

映画の感想文を中心に、好き勝手なことを語っていきます。

「シャイン」

2006-03-06 23:02:47 | 映画の感想(さ行)
 95年オーストラリア作品。製作当時はアカデミー賞候補にもなり世評が高かったらしいが、私は評価しない。最大の理由は、主人公のデヴィッド・ヘルフゴット(ジェフリー・ラッシュ)が少しも天才的ピアニストだと思えなかったからである。

 映画のサウンドトラックには彼の実際の演奏が使われているが、あまり良くない。奇抜な演奏ではあるが、天才のひらめきは感じられない。単なる“曲芸”だと思う。彼よりスゴいピアニストはいくらでもいる。M・アルゲリッチやM・ポリーニの若い頃の演奏は素晴らしい(今でも相当なものだが)。ひと昔前だとそれこそグレン・グールドやサンソン・フランソワ、もっと前だとホロヴィッツのような、超のつく天才がウヨウヨしていた。

 対してヘルフゴットは小物だ。素材に対する興味が全然わいてこない。・・・・と書くと“この映画は天才の伝記ではない。運命に弄ばれた男の魂のドラマだ”なんて反論する向きもあるかもしれない。しかし、英才教育を施す父親(アーミン=ミューラー・シュタール)からの過度のプレッシャーによる破綻とそれからの解放を描く中盤場面や、年齢を重ねるごとに子供っぽくなる主人公のイノセントな“奇行”を思い入れたっぷりに描く後半などは、ヘルフゴットが“実は万人を唸らせる天才であった”という前提がなければ、単なる茶番に過ぎないと思う。“しょせんはちょっと変わったピアニストでした”ではシャレにならないのである。

 ハリウッド的な仰々しい“泣かせ”の部分を出来るだけ回避しようとするスコット・ヒックス監督の作劇は、それを意識するあまりドラマを四散させてしまっている。後半のストーリー展開は省略のし過ぎで、ハッキリ言ってワケがわからない。特に精神病院に入院させられたヘルフゴットが立ち直るきっかけになった音楽カウンセラーのオバサンが、重要なキャラクターであるにもかかわらず、いつの間にか消えてしまったのには唖然とした。

 アカデミー主演男優賞を取ったJ・ラッシュのガンバリは認めていいが、それ以外は何ともコメントのしようのない作品だ。演奏家を題材にした映画なら「コンペティション」や「愛を弾く女」の方が数段上だと思われる。サントラ盤も覇気のない仕上がりで本当に困った。
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ブログ、やっと再開できます。

2006-03-06 22:54:39 | その他
 本日やっと光ファイバの工事が完了。ブログを再開します。

 今回引っ越したのは、家を建てたから・・・・ではなく(汗)、はたまた転勤でもない。実は以前住んでいた社宅が老朽化のために取り壊しになり、やむなく同じ敷地の別の棟に強制移転させられたという次第(爆)。もちろん会社都合なので、引っ越し費用は会社持ち・・・・のはずだけど、当然最低限のカネしか出ず、部屋数が増えたこともあって、結局かなりの額の手出しが発生してしまいました。

 実はまだ家の中が完全には片付いておらず、すべてがピシッと収まるところに収まるまでには(本人のものぐさぶりもあって ^^;)あと一ヶ月はかかるのではないかと邪推する次第。まぁ、気長にやろうと思っております。

 ブログの更新も、あまり「休業」を入れずに頑張ろうと思うので、今後ともドゾ・ヨロシク。
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