いわゆる“人付き合いのハウツー本”であるが、巷に溢れるこの手の書物がどれも薄っぺらく見えるのは、書いている本人に貫禄がないからだ。いくらもっともらしいことを述べても“では、そういうアンタはどうなのだ”と切り替えされればオシマイ(爆)。
だが、これが我が国を代表するフランス文学研究者であり文化勲章も受賞している河盛好蔵の論述になると、説得力が大幅アップする。
作者本人が(謙遜はしながらも)相当“人付き合い”に長けた人物であることが垣間見え、しかもその“付き合う相手”とは戦後を代表する文壇・論壇のVIPばかり。これ見よがしの“オレはこんな偉い奴らと付き合ってるんだぞ”という態度は微塵もなく、自身もまたVIPであるだけに、付き合う相手との適度な距離感やまったく嫌みにならない“余裕”というものが感じられ、実に読んでいてリラックスできる。
内容の“人と付き合う法”そのものについては別に言及するほどでもない。誰でも分かっていることなのだ。その“誰でも分かっていること”を実行するのがいかに難しいか。それを河盛のような傑物に説かれてこっちも満足げに頷くか、あるいは細木○子みたいな胡散臭い山師のようなのに説教されて無理矢理納得しようとするか、そのへんの“絶対的な差”について想いを馳せるだけでも読む価値はある。
だが、これが我が国を代表するフランス文学研究者であり文化勲章も受賞している河盛好蔵の論述になると、説得力が大幅アップする。
作者本人が(謙遜はしながらも)相当“人付き合い”に長けた人物であることが垣間見え、しかもその“付き合う相手”とは戦後を代表する文壇・論壇のVIPばかり。これ見よがしの“オレはこんな偉い奴らと付き合ってるんだぞ”という態度は微塵もなく、自身もまたVIPであるだけに、付き合う相手との適度な距離感やまったく嫌みにならない“余裕”というものが感じられ、実に読んでいてリラックスできる。
内容の“人と付き合う法”そのものについては別に言及するほどでもない。誰でも分かっていることなのだ。その“誰でも分かっていること”を実行するのがいかに難しいか。それを河盛のような傑物に説かれてこっちも満足げに頷くか、あるいは細木○子みたいな胡散臭い山師のようなのに説教されて無理矢理納得しようとするか、そのへんの“絶対的な差”について想いを馳せるだけでも読む価値はある。

