閑猫堂

hima-neko-dou ときどきのお知らせと猫の話など

オンデマンド本について

2016-11-15 00:45:02 | Q&A

☆みつきさんからご質問いただきました。

Amazonのオンデマンドで『アイヴォリー』が取り扱い不可になっているようですが、何かあったのでしょうか?


何もありません!(笑)が、ご説明しておいたほうが良いかと思うので書きます。 

『アイヴォリー』は1994年に理論社から出版され、2007年にブッキング(現・復刊ドットコム)から新装改訂版として復刊しました。(画像右)

わたしはこの復刊版が、サイズ的にもデザイン的にも大好きで、とても嬉しかったのですが、残念ながらこれもまた絶版(に限りなく近い品切れ重版未定)状態に。

おたずねいただいたオンデマンド版(画像左)は、Amazonが版元(というのは理論社ではなく復刊ドットコム)から許可を得て復刊版をスキャンして複製したもので、『星とトランペット』と共に2014年にペーパーバックで販売が開始されました。
(それについての記事はこちら) 

で、『星とトランペット』は今も販売されているのに、どうして『アイヴォリー』は「お取り扱いできません」になってしまったか。
というと、これは、よくわかりません。

そもそも、これはAmazonと復刊ドットコム社の間の話で、Amazonは電子書籍を販売するための書籍データが欲しかったんだと思うんですね。オンデマンドで紙の本を作るのは、その副産物みたいなもので、あまり力を入れていなかった。と思う。

ハードカヴァーとペーパーバックの違いはあるにせよ、丸ごとスキャンするんだから、元の本と同じものができるはずだと、出版社も安心して任せたのかもしれませんが、実際は、だいぶ違いまして、 

 

右が元の復刊本、左がオンデマンド版です。
字数行数ページ数はすべて同じなのですが、字が大きいです。字数を変えずにサイズを大きくした結果、文字が変に平たくなっている。
『星とトランペット』のほうも、違うことは違うのですが、ここまで差は出なかったので、黙っていました。
でも『アイヴォリー』のほうは、作品全体の雰囲気にひびくような、ちょっと嫌な感じだったので、これなんとかなりませんかって、復刊ドットコムの人に言いました。

そうしたら、いつのまにかAmazonの売り場からひっこめられていて…
そのときは、手直ししてくれるような話だったのですが、その後、いっこうに販売が再開される様子はありません。
結局、わたしの手元にあるのは自分で購入した1冊きり。
Amazonさん、扱う点数が急増して、手が回らないのかな。
復刊を待っていてくださった方には申し訳ないのですが、わたしも、かなりがっかりしています。
(Amazonは出版社ではなく書店なので、著者との契約関係はなく、こちらから交渉する窓口もないわけです)

書体などかまわず、あのまま売っていれば…と思わなくもないけれど、読めればいいというものではなく。
ブックデザインや紙や書体も含めて「本」だと思っているし、同じように「本」を大切に思う人にこそ読んでもらいたい物語なので。 

「本を出す」といいますが、実際は、著者は「書く」だけの人で、「出す」のは出版社、「売る」のは書店。
それぞれがまったく違う立場で違う仕事をしており、誰かひとりだけがんばってもどうにもならない世界なのですが、そんな中から奇跡のように素敵な本が生まれることもあるし、幸運に恵まれて長く読み継がれる本もあるので、まだしばらくは、希望をもってやっていきたいと思っています。

 

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<海岸通り6番地>について

2016-08-26 17:15:41 | Q&A

☆巳子さんからご質問いただきました。

 <海岸通り6番地>の、サンゴロウさん語録の前にあった写真と詩は、
 もう見ることはできないのでしょうか?
 好きで、文章を添えた写真集になればいいのに!とずっと思っていました。
 また見られたらいいなと思っています。


前からごらんくださってたのですね。ありがとうございます!

別館の<海岸通り6番地>は、サンゴロウ20周年フェアに合わせて
語録集に改装しまして、それ以前のものは片付けてしまいました。

それまでの内容が、本の世界と関係あるような、ないような、
主人公は誰なのか、とか、あいまいで断片的なものが多すぎ、
(個人的なお友達にしか通じないものもありましたので…)
置いておくと混乱をまねくのではと思い、撤去した次第です。
今のところ復活する予定はなく、ごめんなさいです。

いちおう文章を仕事にしている以上、インターネット上に
「作品」として発表することへの不安もあって、どうしても
中途半端なものにしかできなかった、ということもあります。

写真と文章の組み合わせという表現の形は、『木苺通信』以前から
大好きで、自分で両方できたらいいだろうなーと思っていました。
だけど、素人のコンパクトカメラで、思うような写真が簡単に
撮れるわけないですしね。
一から写真の勉強をしたり、高価な機材を買いそろえたり、
撮影にあちこち出かけて行ったり、というほどの熱心さはなかったので、
結局、写真がないから詩が載せられないという本末転倒に…(笑)

そして、サンゴロウ語録のほうも、だいぶ出尽くした感じで
更新は滞っておりますが、これはもうこのまま記念として
置いておいてもいいかなと思っています。

 

 

<海岸通り6番地>

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時間軸について・その2

2016-06-11 11:15:32 | Q&A

さとうさんからご質問をいただきました。

 いつもサンゴロウとドルフィンの物語を楽しく読ませていただいています。
 どうしても気になることがあったので質問させて下さい。
 ドルフィンシリーズは、『最後の手紙』から少したった後の物語でしょうか?
 『最後の手紙』の季節が春の始め頃だとして、(予想です)
 『ドルフィン・エクスプレス』の季節は春の中頃だと考えました。
 そこから『光のカケラ』まで、春から冬にかけての物語ということは、
 『最後の手紙』から『光のカケラ』まで、1年たたない中でのお話だったのか!
 と衝撃を受けました。
 今まではドルフィンの物語は最後の手紙から何年か後の、
 ずーっと先の物語だと思っていましたので、
 年月を経て、サンゴロウがより渋くなってる!
 と勝手に思っていました(^^;;
 でもよくよく考えると、ミサキは大きくなってないよな~と。
 このように私は勝手に解釈したのですが、どうでしょうか?

 

じっくり深く考えて読んでくださってありがとうございます。
作者冥利に尽きる、という気持ちです。

えーっと。
ちょっと待ってね、本持ってくる。

その間に、以前にお答えした 「時間軸について」 を
もう一度参照していただいて…と…

はい、お待たせしました。どすん!(=15冊)

『最後の手紙』は、たしかに、サンゴロウシリーズの最後の巻です。
が、時系列的にも最後かというと、それはよくわかりません。
というのも、『金の波銀の風』という番外編がクセモノで、
この3つの短編は、もしかしたら、サンゴロウシリーズよりもあとの、
ドルフィンシリーズの時期に重なる可能性もあるからです。

これもどこかに書いたかもしれませんが、『手紙』が最後になったのは、
諸事情によりシリーズを10巻で終わらせる必要が生じたからで、
ほんとはここで「王手」がかかるはずではなく、世界はもっと
(たぶん「ドルフィン」側にも)ぼんやりとめどなく広がっておりました。
だから、あとから全体を見渡してみると、『手紙』はなんとなく
突出した奇妙なマイルストーンのように見えます。
これは計画性のない作者のせいなので、いまとなってはしょうがない。 

さて、手がかりは、『最後の手紙』に出てくる「みかんの花」でしょうか。
人間界と同じに考えるなら、これは晩春から初夏の季節感です。
(海ツバメが営巣中というのも、同じく)
一方、『ドルフィン・エクスプレス』は、もうすこし早春の空気なので、
この2つは同じ年の連続した話というわけではなく、間に少なくとも1年、
たぶん数年はあるんじゃないかと、わたしは思います。
ただ、十数年も後、ということはなさそうだけど…。

ドルフィンのサンゴロウが、ぐっと渋いキャラになっているのは、
テールという若者の視点で書いたせいでしょう。
ずっとサンゴロウの一人称だったら、こんなに違いは出ないと思う。
(つまり、内的葛藤も外には表れないヒトなのだよね)
テールとの書き分けの都合上、「渋め」に調整したということもあります。
『旅のはじまり』のときから、サンゴロウさんは年齢不詳だったし、
そこから『手紙』まで、7年かそこらは経過していますから、
それなりに年齢も重ねているわけで。

(あれ? 「7年」で、いいんだっけ?) 

このいい加減な作者は、創作ノート的なものをきちんと作る習慣がなく、
本が完成すると、校正刷りをはじめ、元原稿からメモの切れ端まで、
きれいさっぱり捨てちまうもんですから、
(ええっ? 捨てちゃうの? って言われましたが、とっとくもの?)
時間がたつと忘れてしまったりします。
そもそも自分で考えて自分で書いたということを忘れちゃうらしい。
困ったものです。
でも、こうして「客観的に」解読をこころみるのもなかなか楽しいので、
「じゃあ、これはどうなんだい」っていうあらたなご質問がありましたら
いつでもどうぞ。
 

 

最後の手紙―黒ねこサンゴロウ旅のつづき〈5〉
 
偕成社 1996年

 

ドルフィン・エクスプレス
 
岩崎書店 2002年

 


 

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衣装について・その2

2016-03-15 00:14:45 | Q&A

エビゾウさんから、もうひとつご質問です。

 サンゴロウ親分や、イカマル君の着ている
 服やコートが欲しいです。
 似ている服などが売っていそうな店はありますか。

 

 

えーっと、このあたり…とか…(笑)

サンゴロウもイカマルも、服装はいたってシンプルなので、
ユ○クロでも何でもいいんじゃないかと作者は思いますが。
(大事なのは「どこで、何を買うか」ではなく、「誰が、どう着るか」だからね)
もしどなたかご存じの実店舗があったら教えてください。 

余談ですが、シーナの衣装は、お手製みたいな感じ、しません?
けっこう器用に作ってる気がする。
ミシンを、ガーッと、ものすごい勢いでかけてたり。

(あれ? もしかして、このイメージは、
「バットマン・リターンズ」のセリーナではなかろうか?) 

 

もひとつ余談ですが、上の絵で、矢印の先の
猫紳士が連れてるもの、いま初めて気がついたんだけど、
これ何? みにちゅあダックス?? 

  

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イカマルについて

2016-03-07 11:41:50 | Q&A

久々にQ&A。
エビゾウさんよりご質問をいただきました。

 本編でサンゴロウ親分に憧れていたイカマル君ですが、
 どうやってこのキャラクターは完成したんですか?
 あと、イカマル君がサンゴロウ親分を知るきっかけを教えてください。


前にも書きましたが、サンゴロウシリーズは、『キララの海へ』以降、
サンゴロウの一人称で書いている部分が多いです。
一人称には利点も多いのですが、どうしても視野が狭くなる、
わりとすぐワンパターンになって煮詰まりやすい。
という欠点もあり、それを補うためには、良い脇役が必要です。
性格や価値観の違う他人と会話をかわすことで、
主人公の性格や考え方がわかり、他人からどう見られているかもわかる。
そこから新たな手がかりを得ることもできるし、
話の展開のきっかけをつかむこともできる。
だから会話はすごく大切。

そこで、うみねこ島シーンのまず最初に、相手役として抜擢した
無名の若者が、イカマルでした。 
彼は(他の登場人物も全員そうですが)作者がつくったというより、
「すでに存在していて」「何かのきっかけで選ばれた」ひとり。
最初はほんの軽い脇役、いわば引き立て役にすぎなかったのですが、
いつのまにか重要な位置に上がってきて、その成長ぶりには
作者自身おどろいたほどでした。 
うん、なかなか見る目があったんだね。
と自分をほめてやってもいいかな。

そして、イカマルが親分に初めて会ったシーンは… 

 

『黒い海賊船』4章の、このあたり。


ちなみに、こんど出る(もう出ているのかな?)中国版では
イカマルは「魷魚丸」という名前になっているようです。
あちらの図鑑をみると、イカの呼び方は地方によって違うそうですが、
基本的に、スルメイカやヤリイカみたいな細長いタイプが「魷魚」で、
ずんぐりして脚が短く、かたい甲が入っているのが「烏賊または墨魚」、
というふうに分類されていました。
なるほど。
これは、イカマル君のイメージがスルメイカ…っていうより、
名前としての発音や語感の問題もあるかもしれませんが。

じつをいうと、イカマルという名は、あんまり深く考えないで
適当に(海のものを、というルールで)つけてしまったので、
もうちょっとかっこいい名前にすればよかったかなあ、と
『青いジョーカー』のときにちらっと思いました。
まあ、「タコ助」とかじゃなくて、よかった、ということで。 

 

 

 

 

 

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ボトルシップについて

2015-02-27 20:09:59 | Q&A

◆Agatthaさんからのご質問です。

<今さら気づいたのですが、特典ポストカードのボトルシップは、
「霧の灯台」のカイの作ったものでしょうか?
とても気になっています>

 

サンゴロウ限定セットの特典という立場上(?)、
あんまり大きい画像をのせちゃダメと言われてますので、
チラ見せだけで、すみません;
 

ポストカードの絵は、サンゴロウ1~5巻のカバー裏のペン画を、
水彩であらたに描き直してもらったものです。が、 

 

(あ、これは初版本で、消費税が3%だったとき!
いまは定価1080円になっております)

 

『霧の灯台』の中にあるボトルシップの絵はこれ。
よーく見ると、2本マストで、サンゴロウの船ではありませんね。
でも、びんは同じみたい。ラムか、ウィスキーか。

カバー裏の絵は、1巻が出るときに描いてるんだから、
5巻の『霧の灯台』 とは関係なく、海っぽい小道具のひとつとして
描いたんじゃなかったっけ・・と「描いた人」は言っておりますが、
そうかなあ?
わたしの記憶では、『旅のはじまり』が本になる半年くらい前に
『霧の灯台』はもう書いていたので、その中のボトルシップを、
1~5巻のシンボルとしてカバー裏にした、ような、気が・・
いや、もう、20年もたつといろいろ忘れちゃうもんですね(笑

わたしはずっと、カイのボトルシップだと思ってましたので、
そう見ていただければうれしいです。 


余談ですが、20年前だと、図書館によっては、新刊本のカバーを
全部はずしてから棚に並べるところもあり、このシリーズのように、
カバーと表紙のデザインが違う本は特に、新品のカバーを
ざくざく捨てられちゃうのって、すごく残念な気がしました。
 

カバーの背のワンポイントも、帆船コレクションなのにね。
 

だけど、いまはその逆で、カバーをぺったり貼り付けてしまうのが
主流のようなので、

カバーの下の表紙の、色違いの地図(っぽい柄)とか、
こういうおちゃめな「ちっこいさんちゃん」とか、
気がつかない人も、いるかなと思います。

 

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つづきについて

2014-06-19 16:34:02 | Q&A

◆錨子さんからのご質問です。

<サンゴロウ・ドルフィンのつづきはもう絶対に読むことができないのでしょうか?
以前、記事で「書ききれた」とおっしゃっていましたが……
でも、「この世界の『つづき』をいつかまた……」ともおっしゃっていたので……。
とても自分勝手ですが、つづきの本が読める日を夢見ています。
あの世界の物語を、また読みたいんです……!>

 

うわぁ。
むずかしいご質問ですが、どうしましょう。

前にも書きましたように、「つづきが読みたい」と言っていただけるのは
作者にとっては最高にうれしいことです。ありがとうございます。

「書ききれた」というのは、正確に言えば「書ききれたと思うことにした」わけで、
実際には、けっして書ききれるような世界ではありません。
しかし、サンゴロウ10巻とドルフィン5巻は、すでに手元を離れて
ずっと遠くのほうへ、作者の知らないところまで行ってしまっています。
しかも、それぞれが「きれいに閉じた世界」になっているため、
そこに何かつけ加えることは作者でも無理だろうな・・と思います。
いまとなっては、大切すぎて、さわれない、ような感じです。
下手にさわるとサンゴロウファンの方におこられそうな・・(笑 

サンゴロウシリーズからドルフィンシリーズに飛んだように、
またあらたな場所にひらりと飛べれば、ですね。
飛ぶ力があって、着地できそうな場所がみつかれば。 

いつか。

もしかしたら。

 

な。 

 

 

ご質問は→こちらからどうぞ。 

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さんちゃんについて

2014-06-04 13:50:57 | Q&A

◆さーじぇんとさんから、もうひとつ。

<真っ黒い猫のさんちゃんの本名は、もしかして、サンゴロウですか?!>


えーと、残念ながら「サンゴロウ」ではありません。
本名は「珊瑚」といいます。
が、本名で呼ぶことはほとんどないような・・

どこかに書いたかもしれませんが、黒ねこサンゴロウの読者さんたちが、
いつのまにかサンゴロウを「さんちゃん」と呼ぶようになったので、
わたしも黒猫を飼ったら愛称は「さんちゃん」だ!と決めていました。
(「サンゴロウ」と呼ぶのは、ちょっとね、こっちが落ちつかない・・笑)
そうしたら、黒猫を2匹セットで拾ってしまったため、
「珊瑚=さんご」と「真鈴=まりん」になりました。

さんちゃんとサンゴロウの共通点は、アウトドアなところ、だけ。
ほとんど外で寝ている。
でも、さんちゃんは、ゴハンどきにはきちんと帰ってくる。
猫は、猫です。
サンゴロウは、わたしの中では、猫じゃないらしいです。

 

左が珊瑚、右が真鈴。
さんちゃんは、おなかだけちょっと白い「9割黒猫」。
まりんは黒の内側がチャコールグレーで「隠れグレ猫」なのです。 

 

ご質問は→こちらからどうぞ。

 

 

本日の「いいね!」 

猫ひげ

やってみようと思った人?

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「いいね!」について

2014-06-04 13:38:59 | Q&A

◆さーじぇんとさんからご質問いただきました。

<「本日のいいね!」に出てくるネタは、どうやって仕入れているのですか?
 やっぱりお仕事のために、色々調べものをされるなかで、
 見つけたりするんでしょうか?

 このコーナーもとても好きで、ビックリしたり、クスクス笑ったり、
 いつも楽しんで見ています。面白い情報を、あらゆる分野から、
 こだわりなく拾ってくるセンス…というのでしょうか。
 閑猫さんにはそれがあって、だからこそ、素敵な物語が
 書けるんじゃないか、なんて考えてしまいます。
 実は私は、作家という職業にとても憧れているので、
 ぜひ教えていただけたら嬉しいです>

 

ありがとうございます♪
「ねえねえ見て見て~!」的な「いいね!」ですが、
楽しんでいただけて、何よりです。

ここにのせようと思って探しているわけではなくてですね、
お友だちのブログで紹介されていたのを気に入ってシェアしたり・・
自分ではフェイスブックはやっていないのですが、
夫のFBのつながりに、美術・建築関係の人が多く、外国の人もいたりして、
いろんな面白い・珍しい情報がどこからともなくあつまってきますので、
そのまま拝借してくることも、よくあります。

「わぁ、こんなの知らなかった!」というものを集めていくと、
結果的に「あらゆる分野から、こだわりなく拾った」ように、なるのかな。
わたし自身は、興味の範囲がきわめて狭く、かつ、こだわり大ありの人なので、
かけ離れたジャンルのものがすごく新鮮に見える、ということもありますね。

いんたーねっとというのは、実に便利なものですが、
パソコンのない頃から、わたしには一種の蒐集癖があって、
砂浜に行くとつい貝殻を拾ってしまうのと同じように、
辞書や百科事典の中などをうろうろしては、気に入ったものを
拾い集めてくるのが好きでした。
「あ、こういうこと、好きだ」と自覚したのは高校生のときで、
その時点では、作家という職業は(少なくとも自分の将来の職業としては)
まったく頭にありませんでした。
いまでも、あんまり、ないですが。
 



 

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暦について

2014-04-04 22:32:46 | Q&A


◆アキさんからご質問いただきました。

>木苺谷の暦はどのようになっているのでしょうか?
>作中の記述から見るに、はっきりとした暦はないようですが、
>こちらの世界の1~12月を木苺谷の「○の月」に当てはめると
>どうなるのかなと思いました。


「木苺通信」は、月刊誌連載が1987年からで、
単行本になったのが1989年で、重版もされていないため、
もうかなり入手しにくくなっているのではと思います。
読んでくださってありがとうございます。

わたしは、創作ノート的なものはあまり作らないのですが、
「木苺通信」には専用のノートが1冊あって、
それはいまでも手元にあります。
思いついたモチーフをランダムに書きとめた部分と、
日記(当時は毎日つけていた)からの抜き書きと、地図と、
それに、何かに使えそうな資料をとりあえず書き写したもの、
などなど。

その資料の中に「二十四節気・七十二候」があって、
それをベースにおおまかな暦をつくりました。
つまり、1~12月のカレンダーとは少しずれて、
立春から始まる「初春」を「芽の月」、
啓蟄から始まる「仲春」を「花の月」というふうに
あてはめていったわけですね。

立春から順番に並べると、
芽、花、鳥、葉、水、虹、星、露、実、風、霜、氷
ということになっています。

それに従えば、いまは
「清明」と「穀雨」の間で、木苺暦では「鳥の月」。
ですが、これはきちっと「暦どおり」にいくのではなくて、
それぞれの月の長さは一定ではないし、
(風の月は70日から90日つづく、と作中に書いてあるように、
風・霜・氷は区別しても、しなくてもよい、とか)
花がどっと咲き出したから「花の月」だなあとか、
鳥が巣作りをはじめたから「鳥の月」だなあとか、
いまは両方だとか・・非常に感覚的なものになっています。

立春すぎたのに寒いとか、立秋とは名ばかりの暑さだとか、
こちらの世界ではよく言いますが、木苺暦ではそういうことはありません。
クロッカスが咲けば「芽の月」になるし、初霜がおりれば「霜の月」になる。
そういうことです。


暦と関係ないですが、このノートの後ろのほうに、9ページにわたって
楽曲の題名とアーティスト名がびっしり書きつらねてあり、
これはたぶんレコード屋さん(というのが、まだあった時代)で
もらってきた電話帳みたいにぶあついカタログから、
素敵だなあと思ったタイトルを拾って書いておいたのだと思います。
聴いたことのある、または見当のつくものは1割もないけれど。
そうそう、こういうことも、してたんだっけ。
懐かしいです。

 

「木苺通信」(偕成社 1989年)
復刊リクエストは→こちらにお願いいたします。 

 


 

ご質問は、左メニューの「メッセージを送る」からどうぞ。
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