カシワの葉。
端午の節句の柏餅の葉っぱ、と言ったほうが
回りくどいがわかりやすい。
この木は、植えた環境が合わないのか、
何年たってもあまり大きくならない。
しかし、近くに電柱や電線があるので、
あまり大きくなってしまうとまずいことになる。
小さい苗木を植えるとき、20年、30年先を想定するのは、
素人にはなかなか難しいことであります。
いったん植えてしまうと、家具のようには動かせないし。
カシワの葉は、もうじき枯れて褐色になるけれど、
冬じゅう枝にくっついていて、春に新しい葉が出るまで落ちない。
「代々継ぐ」ということで、縁起の良い木とされている。
実際には、大きな枯れ葉ががさがさついたままというのは、
立ち枯れているみたいで、あまりめでたく見えない。
英名をダイミョーオークというらしい。
江戸時代にイギリスに持ち込まれたから、大名、ね。
お家安泰が何より。
ところで、グリムをはじめ、ヨーロッパの昔話には
よくこの「オーク」(アイヒバウム)という木の名前が出てくる。
ブナ科の広葉樹、日本語でいうと、ナラ、ブナ、カシ、カシワの類・・
日本にはない木だから、ぴったりの訳語はないのだけれど、
どれがいちばん(雰囲気的に)近いのか、悩むところ。
カシは常緑樹で、どちらかというと暖地の植物だから、たぶん違う。
葉とどんぐりの形は、ナラに似ている。
言葉だけ、辞書だけ見ていては、なかなかそこまでわからない。
神様がいろいろな生き物をおつくりになったのを見て、
悪魔は、自分も真似してみたくなり、ヤギをつくった。
ところが、このヤギは、つくり主に似て性格が悪く、
ほうっておくと、くだものの木でも、きれいな花の咲く木でも、
見境なしに食べてしまうのだった。
神様は困って、ご自分のオオカミをけしかけ、
山羊を退治してしまわれた。
悪魔は神様のところへやってきて、弁償してくれと迫った。
神様は、オークの葉が全部散ったら払おうと約束なさった。
オークの葉が散るまで待って、悪魔がのこのこやってくると、
神様は、どこそこの寺院のオークにまだ葉があるぞとおっしゃる。
悪魔はその木を探しに行ったが、見つけるのに半年もかかってしまい、
戻ってきたときには、他の木がみんな緑の葉をつけていて・・
結局、悪魔の負けであった。
・・というような話がグリム童話集にあるのですが、
妙に律儀で間抜けな悪魔にエド・ハリス、
悪魔をだますおとぼけ神様にショーン・コネリーで、
どうかしら。