・・のはずですが、あいにく空は雲におおわれております。
雲の薄い部分がまだらにぼんやりと明るいものの、
お月さまの姿ははっきり確認できず。
まあ、無月も月、これも風流、ということで。
かわりに昨日の話を。
真夜中すぎに、家の外にひとりで立っていた。
西の空には青みがかった月。
満月にはまだ数日あるというのに、
眩しくてまともに見られないほどの明るさで、
あたりの木の葉や屋根瓦が光を白く照り返している。
古語でいう「影」は「光」そのものをさすこともある・・と、
このあいだ「竹取物語」の解説で読んだ。
そういえば、月影さやかに・・などというとき、
さやかなのはもちろんシャドウではなくムーンライトだ。
光源が「月」なら、そこからさす光が「月影」。
それによって照らされた木の裏側にできる暗い部分、それもまた影。
明るいものと、暗いもの。
正反対のように思えるものを、どちらも影という名で呼ぶのが不思議だ。
光と影とは、思っていたほど相反するものではないのだろうか。
光があるから影ができる、と考えるからいけないのだ。
同じひとつの光源から生まれる、明るさと、暗さ。
二通りの「影」は、きょうだいのようなもの、かもしれない。
・・というようなことを考えながら深夜おもてに立っているわたしは、
水を満たした大きめの深鉢を両手で抱えており、
そのあたりがどこもちょっとばかり傾斜になっているため、
こぼさないように地面に置くのに苦心している。
それは何のためか、という話はまたあらためて別に書きますが、
ふと振り向くと、東の山の上の、なんとなく意外な位置に、
意外な角度でオリオン座がきらめいていた。
月がこれほど明るいのに、星もまた負けないくらい明るい。
見慣れたオリオンの三つ星を右上にずーっとのばしていったあたりに、
星にしては小さすぎるけれどたしかに星に違いない点々が
小さく長方形にかたまっていて、プレアデス星団、
いわゆる「すばる星」だとわかる。
わたしは眼鏡をかけて視力が0.7くらいだと思うけれど、
(それくらいはないと運転が危うい・・)
双眼鏡なしで星団とわかるくらい鮮明に見えたのだから、
昨夜はよほど空気が澄んでいたのでしょう。
その「水」で実験したいことがあったので、今夜の曇りがじつに惜しい。
でも満月までまだチャンスはあるかも。
21日のオリオン座の流星群は、どうかな。見えるでしょうか。
日付変わって、ちょっとだけ、栗の木と山桜の木の隙間に
お顔をみせてくれたので、急いでぱちりと。
本日の「いいね!」
英語に翻訳できない11の言葉
「こもれび」って単語、ないんですか。知らなかった。