水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

ローゼン革命

2018年02月28日 18時57分16秒 | 詩編

血塗られし過去の忌みを解き放て!
おお!甥と引き換えに失った多くの同胞よ!
オホ・カリエンテの土の匂いを思い出せよ……
明日の滅びを受け容れるため
闘い切ったと言い切れるため

愛すべき郷里ではないアラバマで
結核により亡くなった
気高い部族の「小さな妹」
十有三にして戦士を志し
四肢を鍛えて
獅子の威勢で
四方の敵勢を霊視し
死屍累々の戦地を潜り抜け
生きてきた

今はフロリダの風に吹かれ
かつて勝利を願って共に戦った兄を想い
ジェロニモに肩を預けながら
マウンド・バーノンへ行く道のりを遠くに観ている

最期まで独り身を通した女は
ある女性の出産を祐けたことにより
ここまで生き延びられたのだと
心の底から自らの幸福を噛みしめている

ーー鉄格子の隙間から入り込んでくる風は
彼女の頬に燃え盛る火を静かに冷ますのだろう

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