水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

「風立ちぬ、いざ生きめやも」について

2016年09月27日 18時51分25秒 | ぽつり一言
 この言葉には、「論理性」というものが毛頭ない。
 なぜ、風が吹いたら「生きねば」と思うのであろうか?
 しかし、私たちはこの意味不明な言葉に胸を打たれ、強く共感したりする。
 これは、ひとえに風に吹かれたとき、確かに「生きねば」と思えてくる瞬間が、おそらくほとんどの人に訪れることがあるからではないか、と思われる。かく云う、私も例外ではない。どうしようもなく辛い時に、実家の窓から感じた風は、ふたたび僕に生きる「希望」を確かに与えてくれたようだからだ。
 何故風が吹いたら「生きねば」と思うのか、ということは、誰の明晰な論理を持ってしても正しく解析できない。それでも、事実はそうなのだ。そういったような不思議が、人生には満ち溢れている。


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