水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

かけ離れた理想の国

2016年08月10日 22時36分35秒 | 詩編
 愛が囓られた痕を
 真夜中に見つめて

 タイルが剥がれ落ちていく
 黒く滲む星空から
 ピットピットと……

 泣きっ面にタッチした
 君の両手を
 もう一度ハチミツで
 ベトベトにしたい今宵

 タキシードで固めたこのやるせない身を
 誰か引き取ってくれるだろうか
 この意味もなく土砂降りの晩に……

 さり気なく広がるこの砂漠のような宇宙の
 静かな寝息を象るように僕ら断崖から落ちて
 夢の後先を忘れるように絵画を並べて、すやすや、と
 黒く沈む夜

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