水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

百花繚乱にして悍ましい思想たちからの解放

2016年06月20日 22時35分04秒 | 詩編
 咲き乱れる思想に
 真っ白な策略は
 しなやかに反駁をし続ける

 夢が語る
 ひとときの憂鬱を
 パリのそれに重ね合わせて
 白銀の布地に未来を視る

 争うことの本質を
 掴み損ねては
 悪事を繰り返す
 浮き世の天使たち

 外へ通じる門扉を
 秘密の鍵で開け放てば
 本音と建前が行き交う
 渋谷のセンター街で
 見たこともない
 宇宙人同士が
 交信を始める

 意味を
 忌み嫌った
 彼岸の鬼たちは
 順繰りに
 人間を
 串刺しにして
 業火のなかへと放り込む

 沈み込む騒がしい日常は
 僕らの平均的な欲動を
 陳腐なメジャーで推し量り
 理屈によって生まれる理論や解答を
 赤子の手を捻るように捻じ曲げて
 咲かぬ笑顔を
 遠くイデアの画面に視る

 錯乱し続けて
 見失った御魂を
 学校帰りの道すがら
 ドブのなかで見つけて
 うすら笑いを浮かべた僕は
 日々の鬱屈をケーキ屋のケースのなかで並ぶケーキみたいに
 手際よく並べていく

 どうにもこうにもならぬ恨みを
 スプーンで何度もすくって
 何度も自分を憐れむように
 泣き顔をしてみせては
 夜中のコンビニの商品たちのように
 せせら笑う

 夜の牢獄のなかでは
 等しく人々は愚かで
 泣いても笑っても
 悪魔のような顔になることは避けられない

 確かに萌えたただいっときの反骨心も
 今となっては豚骨の白濁した液体のなかで
 ウズウズと叫びだしたいように
 爆発することを躊躇するばかり

 すれ違いのなかで
 交わしたサヨナラを
 僕は夜中の夢のなかに
 置き去りにする
 そんなとき
 いつも僕は自分の
 不甲斐ない魂を
 見つめるばかりというもので

 意味を
 忌み嫌った
 彼岸の鬼たちは
 順繰りに
 人間を
 串刺しにして
 業火のなかへと放り込む
 
 つまりは
 夢が語る
 ひとときの憂鬱を
 パリのそれに重ね合わせて
 白銀の布地に未来を見つけ出すように
 
 争うことの本質を
 見事に掴み損ねては
 悪事を繰り返してばかりの
 浮き世の憐れな天使たち
 
 深く沈み込む騒がしい日常は
 僕らの平均的な欲動を
 陳腐な安っぽいメジャーで推し量り
 理屈によって生まれる理論や解答を
 赤子の手を捻るように捻じ曲げて
 咲わぬ笑顔を
 遠くイデアの画面に透かし視る
 
 それが「歴史」

 ああ、日々よ!
 すれ違いのなかで
 交わしたサヨナラを
 夢のなかに
 置き去りにする
 我が不甲斐なき魂の呻きと
 白い夜に置かれた僕の倦怠こそが
 すべてのこれまでに咲き誇ってきた諸々の思想からの
 解放のはじまりを告げる華々しい号令である!

コメントを投稿