水面を破壊せよ、上へ昇って

勢いよく水面を破壊する気概で、海面に湧く言葉たちであれ。

春は遠くへ霞みけり

2015年09月14日 18時01分36秒 | 詩編
 たしかに
 あの松の枝を揺らしたのは
 あの日の春の風
  
 かすかに
 あの梔子に残っていたのは
 かつて青かった頃の春の匂い

 とうに過ぎ去った春は
 視界の向こう側で霞み
 
 咲き誇る麗しき花々は
 神々しい暑熱を被り笑む

 軽やかに陽光に踊るのは
 僕の幼さを匿う他愛ない心

 捨て切れない昔日の後悔と
 特徴なき有り触れた感情が
 この胸の奥を今でも占める 

 風に揺れる
 あの娘の髪は
 儚げな空気を纏った
 幾本もの光の糸だった 
 
 時過ぎて
 夏来にけらし白妙の
 吾が衣手に露は残りき

2 コメント

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若い感性を (猫爺)
2015-10-29 16:25:23
 頂戴致しました。まだ全作品を鑑賞させて頂いた訳ではありませんが、屡々訪れます。
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若輩者の詩を (管理人)
2015-10-30 20:20:15
お読みいただいて、ありがとうございます。まだまだ、至らないところ数多くありますが、もしお暇なときがございましたら、いつでもご覧ください。よろしくお願いします。
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